ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

臨床推論ー自分なりのフレームワーク

副作用のみかた、考え方の本よりまとめ。
 
高齢患者のめまい
ステップ1:被疑薬が原因であるもっともらしさを考える。
☑️いつから?もともと?これまでは?を聴取
→めまいの現病歴をしっかりとる
 症状の出現と消失、医薬品の服用のタイミングをしっかりと取得。
 
☑️Meyboomの副作用分類のどれに当たるかを推測する。
 タイプA;作用機序が想定でき、多くの患者で発現し、用量反応関係がある副作用
 タイプB;特異体質的でごく一部の患者でしか発現せず、重症薬疹のように臨床的に大きな問題になる副作用
 タイプC;対照集団との比較でしか因果関係が判断できない副作用
 
★医薬品の特性をしっかり掘り下げる
作用機序と関連した副作用のメカニズム、薬物相互作用、薬物動態、クラスエフェクト、比較対象を置いた臨床研究や副作用の症例報告を調べる。
 
 
ステップ2:被疑薬以外が原因であるもっともらしさを考える。
☑️病態からその他の疾患を考える。病歴から可能性のある疾患を3つあげる
→その3つに対して「あう、あわない推論」をする。
 
ステップ3:考えをまとめてアクションへ
 
仮想症例
70代女性
服用薬:アムロジピン、カルベジロール(10年ほど前から)プレガバリン
経過:1週間ほど前から、腰、お尻の痛みでプレガバリン処方。
最近、ふわふわしためまいを自覚し、転倒したこともある。
日頃は自転車に乗って買い物するなど、アクティブ。
 
被疑薬:プレガバリン
 
ステップ1:被疑薬が原因であるもっともらしさを考える。
☑️いつから?もともと?これまでは?を聴取
めまいの発現は、プレガバリンを服用し始めから1週間ほど経ってから。
 
☑️Meyboomの副作用分類のどれに当たるかを推測する。
 タイプA;作用機序が想定でき、多くの患者で発現し、用量反応関係がある副作用
 
添付文書上は上記全てめまいの記載あるが、プレガバリンが一番頻度は高い(20%以上)
特に70代以上では、20〜30%の割合で発現。
帯状疱疹後神経痛患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験では、浮動性めまいの発現が投与後2-5日、傾眠の発現が投与後2-4日。
 
 
☕️薬剤性の「めまい」
超だいじ!!!
まずは症状として「めまい」の原因となる医薬品を把握しておく!
 
1.作用部位ー4つに分けられる。
1)聴覚器障害によるもの
  ミノサイクリン、アミグリコシド系抗菌薬、バンコマイシン、イソニアジド、白金
  製剤、インターフェロン、ループ利尿薬など
2)中枢抑制によるもの
  BZ系抗不安薬、ガバペンチン、プレガバリン、キノロン系抗菌薬
3)循環障害によるもの
  降圧薬、利尿薬、α遮断薬、三環系抗うつ薬など
4)その他
  薬剤性錐体外路障害、筋弛緩薬による脱力
 
 
2.症状ー3つに分けられる
1)動揺性
2)回転性
3)失神前
 
注意!必ずしも薬剤と症状が1対1に対応するとは限らない
 
★めまいの種類と代表的な原因
 
 
回転性めまい
vertigo
動揺性めまい
dizziness
失神前めまい
presyncope
形容表現
ぐるぐる回る
立っていられない
ふらふら、ふわふわ
気が遠くなる
意識を失いそうになる
可能性
[中枢性]
脳血管障害、脳腫瘍など
[末梢性]
・BPPV
・前庭神経炎
・薬剤性
どちらもあり
・排便、排尿後失神
・血管迷走神経反射
・神経障害性(自律神経障害)
・心血管性(不整脈、弁膜症、肺塞栓、大動脈解離)
 
【考察】
めまいの発現時期がプレガバリンのそれと一致する。
めまいの症状が合致する。
他、併用薬よりもプレガバリンのめまいの頻度(添付文書から)が高い。
 
以上のことから、プレガバリンを被疑薬とした。
 
 
ステップ2:被疑薬以外が原因であるもっともらしさを考える。
 
狭心症の既往からまず次を考える
非前庭神経症状/非精神疾患:前失神(予後悪い)
→仮想症例の患者はまず、気が遠くなるようなめまいではない。
→除外するには次の手順が必要
1)まずは心原性失神を除外する。
→心原性失神のリスク別分類を行う
・高リスク分類を示唆するのは?
  心電図異常
  心原性失神を疑う病歴・所見
   ・前駆症状なし
   ・胸痛・動悸あり
   ・運動中に発症
   ・臥位で発症
   ・器質的心疾患の既往などなど
  高齢
  バイタルの異常(血圧、脈拍低下)、血液検査異常(Hb,BNP低下、電解質異常)
 
2)次に起立性低血圧(交感神経機能不全)を除外する。
→消化管出血、異所性妊娠、薬剤性、自律神経障害
→薬剤性は、αブロッカー、抗精神病薬、TCA,MAO阻害薬、利尿薬、抗菌薬
など
 
3)次に神経調節性失神(副交感神経優位)を除外する。
→起立後5分以降の失神
→発症状況失神(情動、咳嗽、嚥下、嘔吐、排便、排尿)
→頸動脈洞性失神(首を回したり、ネクタイをきつく締めたり)
など
 
【考察】
狭心症の既往あるが、胸痛、動悸、血圧の変動、消化管出血なし、起立後失神などないことから、可能性は低いのではないか。
 
 
★次に見逃せないめまい
急性重度めまい:中枢性:脳血管障害(見逃せない)
        末梢性:前庭神経炎
症状としては突発性、重症で持続性、吐き気嘔吐、バランス障害
 
【考察】
神経症状(体幹失調、頭痛、複視、嚥下障害、感覚異常、構音障害などあれば脳血管障害を疑うが、今回は当てはまらない。
 
★次に除外すべきめまい
再発性頭位変換性めまい:中枢性:小脳腫瘍、小脳失調など
            末梢性:BPPV
BPPVを確定して治療することで中枢性を除外できる!!
BPPV7割は身体所見でわかる
 
難聴、耳鳴りなどの蝸牛症状(ー)
協調運動障害などの神経症状(ー)
頭位変換後、眼振、めまいが1分以内(長く続かない)
 
【考察】
神経症状なく、回転性のめまいでもないことから、再発性頭位変換性めまいには当てはまらない。
 
★次に除外するめまい
反復性めまい:中枢性 TIA
                       末梢性 メニエール病
症状:自発性のめまい、頭位変換によって惹起されない。
メニエール病ならば、反復性の回転性めまい、難聴、耳鳴りなどの蝸牛症状が随伴
症状は数時間から1日程度続く。
 
 
【考察】
難聴、耳鳴りの症状がなく回転性めまいでもないので当てはまらない。
 
●まとめ●
服用時期、めまい発現時期から被疑薬である、プレガバリンによるものではないかと推察。
被疑薬以外の可能性を考察したが一つ、心原性失神については狭心症である事も考慮し今後も経過を見ていきたい。
 
という感じでしょうか。(自信なし)
「副作用のみかた・考え方」の本のめまいのケースから自分なりに工夫した点は、被疑薬以外の可能性を考える時に、予後が悪いもの、重篤なものから考えていくようにしてみました!
 
☕️めまいの分類
 
 
次回はプレガバリンの用量が適正であったか薬物動態の側面から考察していきます。

一過性意識障害、失神を学ぶ

ガイドラインを参考にしました。
他、某スライドも参考にさせていただきましたがリンクを貼って良いかわからないのでそちらの内容を自分本意にまとめたことをご了承ください。
 
話せば長いことながら、臨床推論〜自分なりのフレームワークを模索中です。
その中の仮想症例で、高齢で冠攣縮性狭心症、末梢神経障害の既往のあり、最近プレガバリン追加処方となった患者さんの浮動性めまいの、特に[被疑薬以外が原因であるもっともらしさ]を考える時に自分に足りない知識をまず補う目的で今回の一過性障害をまとめます。
3種類のめまい、回転性めまい、動揺性めまい、失神前めまいのうちの失神前めまいについてです。
というのも、狭心症のため、例えば度々胸痛の訴えがあった場合にどう除外していくのかを学びたかったからです。
 
[一過性意識障害の定義]
意識障害の持続が短く、かつ意識が自然に回復するもの
・秒から分の単位の持続時間を”一過性”とすることが多い
・(1)失神と(2)非失神発作の二つに分類
 (1)失神とは
    年間0.6%で見られる。
    →血圧低下に伴うもの
    →全脳の血流低下によるもの
 (2)非失神発作とは
    →てんかん、脳血管障害、代謝性疾患、精神科疾患など
 
●失神の原因による事後予測(25年間での死亡率)
心原性>>脳血管疾患>起立性低血圧>薬剤性>神経介在性
フラミンガムハートスタディからの分析
Cardiac             2.01 (1.48–2.73)
Neurologic (including seizure) 1.54 (1.12–2.12)
Vasovagal or other       1.08 (0.88–1.34)
上記otherの中身は
This category includes vasovagal, orthostatic, medication-induced, and other, infrequent causes of syncope.
adjusted for age, sex, smoking status, presence or absence of hypertension, systolic blood pressure, presence or absence of diabetes, total cholesterol level, heart rate, reported use or nonuse of cardiac medications (includ- ing antihypertensive medications), and presence or absence of a history of cardiovascular disease
 
 
 
 
 
★一過性意識障害の診療の第一歩は失神と非失神発作を鑑別することである。
(失神の診断・治療ガイドラインより)
失神の中の「心原性」が一番予後が悪いから!
 まずは初期評価大切
 病歴聴取、外傷、再発、バイタル測定、12誘導心電図など
 
★Historical Criteriaによる失神と非失神発作の鑑別
感度 94% 特異度 94%
一過性意識障害の中で9.5%が心原性失神。
約1割に当たることを覚えておく!
 
合計点数 1以上で痙攣、<1で失神
historical criteriaの詳細は割愛します。
 
★失神を疑ったら?
1)まずは心原性失神を除外する。
→心原性失神のリスク別分類を行う
・高リスク分類を示唆するのは?
  心電図異常
  心原性失神を疑う病歴・所見
   ・前駆症状なし
   ・胸痛・動悸あり
   ・運動中に発症
   ・臥位で発症
   ・器質的心疾患の既往などなど
  高齢
  バイタルの異常(血圧、脈拍低下)、血液検査異常(Hb,BNP低下、電解質異常)
 
2)次に起立性低血圧(交感神経機能不全)を除外する。
→消化管出血、異所性妊娠、薬剤性、自律神経障害
→薬剤性は、αブロッカー、抗精神病薬、TCA,MAO阻害薬、利尿薬、抗菌薬
など
 
3)次に神経調節性失神(副交感神経優位)を除外する。
→起立後5分以降の失神
→発症状況失神(情動、咳嗽、嚥下、嘔吐、排便、排尿)
→頸動脈洞性失神(首を回したり、ネクタイをきつく締めたり)
など
 
全てを除外すれば精査不要で帰宅可能となる。
 
仮想症例の場合、浮動性めまいであり、気が遠くなりそうなめまいではなかったが、仮に心原性失神であったなら予後不良となるので、このような知識の習得と、除外の考え方は大切だと思いました。
これらを踏まえて、次回推論していきたいと思います。

風の電話ボックスで

風の電話ボックスで電話。

もしもし。

どうしてましたか?

この1年、私はほんの少しづつ進んできました。

三鉄WS参加。先生のツイキャスのこと話題に上がりました。。

冬には、WSで一緒になった先生がおうちに泊まりに来て、素敵なバーで一緒に飲みました。魅力あふれる先生。

会社の有志で抄読会開催しました。STEP試験、MEGAスタディ、ALLHAT読みましたよ。その後続けられてません。

どうしたら興味持ってもらえるかなあ。

東北を盛り上げてくれている先生が情報をくれて、薬物動態セミナーに参加しました。まだまだ足りない自分にうんざり。。その先生のキャスも楽しみです。

落ち着いた語り口でとても聞きやすいです。

こんなに遠い、私の住む街を訪れてくれる先生もいらして、とても初めてとは思えないお話をさせていただきました。仕事のヒントもいただき、初めて会っても離れていても世代を超えて、こうやって繋がっていけるのはこの上もなく幸せなことです。

つい先日は金沢でキラキラした瞳の先生方にお会いすることができました。

発表を聞きに行ったのに、うっかりして聞き逃す大失態。。でもポスターは空いている時にゆっくり拝見できました。

多少、ムリな日程だったけれど行ってよかったと思っています。

この一年は出会いが多くありました。幸せなことだと思います。その真ん中に先生がいるような気がしてなりません。これからも楽しみです。

 

一緒に進んでいきましょう。

ナナメウエを目指していきましょう。

ねえ、先生、一緒にいくんですよ。

今週も忙しい日が続きますね。もう切りますね。

お休みなさい。

ruruuun.hatenablog.com

復習:CASE3 この呼吸困難はトラスツズマブによるものですか?

副作用のみかた・考えかたの本より復習

CASE3

この呼吸困難はトラスツズマブによるものですか?

詳細な症例は割愛。

Step1:被疑薬が原因である「もっともらしさ」を考える

Infusion related reactionの症状

※症状は1型アレルギーと似ているが、機序が違うのでCTCAEでもアレルギー反応と区別されている。

発熱、悪寒戦慄、低血圧、呼吸困難など

投与中、または投与開始後2時間以内に起こることが多いとされ、初回投与が最も多く、二回目以降のリスクは下がる。

根拠;http://theoncologist.alphamedpress.org/content/13/6/725

トラスツズマブ、ペルツズマブを含むモノクローナル抗体によるものは5〜40%と頻度は高いがその多くは発熱、悪寒などで致死的になることは多くない。

根拠:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17522249

しかし、世界的に行われた市販後調査で25000人の患者に投与され重篤infusion reactionとして報告されたのは74件。

内訳は呼吸器症状65%,悪寒戦慄32%,

死亡例 9名

根拠:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11694789

 

【まとめ】

症例だと、呼吸苦、チアノーゼ、喘鳴出現。酸素飽和度の低下でICU入室。

Infusion reactionとするとGrade 4(CTCAE)

重篤な例と考える。

 

Step2:被疑薬以外が原因である「もっともらしさ」を考える

[1]セフジニルのアナフィラキシ

これを除外するために必要な知識が次の★!

★セフジニルのアナフィラキシーの頻度:

0-0001〜0.1%と低いが致死的になりうるため鑑別にあげる必要がある。

根拠:https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMra993637(全文見られず)

アナフィラキシーの診断基準:

 

3つのうち1つでも満たせばアナフィラキシーの可能性が高い。

  1. 皮膚、もしくは粘膜組織の症状(発赤、発疹)を含む急性発症(数分〜数時間)の疾患、かつ以下の少なくとも一つを満たす。呼吸器症状・血圧低下
  2. アレルゲンになりそうなものに暴露された後(数分〜数時間)、以下のうち二つ以上を示す。皮膚、粘膜組織の関与・呼吸器症状・血圧低下・持続する消化器症状(腹痛、嘔吐)
  3. アレルゲンと知られているものに暴露された後(数分〜数時間)血圧低下

 

→推論:典型的なセフェム系抗菌薬によるアナフィラキシーと合わない。

皮膚や粘膜組織を含む症状なく、血圧低下もなかったので、当てはまるとすれば2.だが消化器症状ないため2も除外される。

 

[2]抗HER2薬による心筋障害

 これを除外するために必要な知識が次の★!

 

★心筋障害の頻度:

7〜27%と臨床試験によっては幅があるが、次のリスク因子では高くなると推測される。

★心筋障害の性質:

抗HER2薬による心筋障害は蓄積性ではないが今回のように初回で起きるかは不明。

リスク因子:

アンスラサイクリン系抗がん薬を併用、投与前に心機能低下がある場合。

根拠:https://www.amjmedsci.com/article/S0002-9629(15)00029-4/abstract

The incidence of cardiomyopathy is not dose dependent and in most cases it is reversible after discontinuation of the drug and treatment with heart failure medications. Severe adverse outcomes including death or permanent disability are rare.

 

→推論:ICU入室時の経胸壁心エコーでLVEFが軽度低下しているが著名な低下でない。(著名な低下は概ね30%以下)

抗HER2薬による心筋障害は否定的と推測。

 

そもそも、抗HER2薬による心筋障害とはどのような臨床症状なのか。

心臓を収縮させる筋肉が侵されると心臓のポンプ機能が低下します。

心臓における信号の通り道が侵されると心電図異常や不整脈が出現します。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/46/12/46_1615/_pdf/-char/en

http://www.jcc.gr.jp/journal/backnumber/bk_jjc/pdf/J051-2.pdf#search=%27

 

http://www.toneyama-hosp.jp/patient/forpatient/pdf/care2008-22.pdf#search=%27

息切れ、呼吸困難、チアノーゼなど心不全の臨床症状が見られるだろう。

 

[3]肺塞栓症(PE)

これを除外するために必要な知識が次の★!

★PEの臨床症状

 呼吸困難,胸痛が主要症状であり,呼吸困難,胸痛,頻呼吸のいずれかが97%の症例でみられたとする報告もある

根拠:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7813325

 

★PEの診断基準

いくつか診断基準があるがここではmodified Wells criteriaを用いている。

症例では1点(悪性疾患)でPEの可能性は低い。

可能性が低くても(<4)D-ダイマーが陰性の確認が除外診断には必要。

根拠:https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/202176

 

MSDマニュアルのサイトから

下肢のDVTは,肺塞栓症(PE)を引き起こす可能性がはるかに高く,これはおそらく生じる血栓の量が多いことに起因する。大腿部の浅大腿静脈および膝窩静脈と腓腹部の後脛骨静脈および腓骨静脈が最も侵されやすい。腓腹部の静脈に生じたDVTが大きな塞栓の発生源となる可能性は比較的低いが,近位の大腿静脈まで進展して,そこからPEを引き起こす可能性もある。DVT患者の約50%は潜在性のPEを有し,PE患者の30%以上は証明可能なDVTを有する。

 

【まとめ】

ここで、症例では被疑薬が原因であるinfusion related reactionと推測している。

が、その後の医師のコメントで、「まず、呼吸困難の原因として、トラスツズマブのinfusion related reaction、次にトラスツズマブのアナフィラキシーを考えた」

という記述がありなるほどなと思いました。

 

こんな風に推論には多くの知識が必要でそれ、一つ一つに根拠があるということを大切にして考え方を学んでいこうと思いました。

薬物相互作用を予測するPISCS

「これからの薬物相互作用マネジメント」からまとめ
 
★薬物相互作用の機序
1.薬物動態学的相互作用
薬物の吸収、分布、代謝、排泄が他の薬物により影響を受け血中濃度が変動することによって過剰な効果の発現(中毒)や効果の減弱が起こる場合をいう。
代表的な物に肝臓での薬物代謝酵素活性の阻害などがある。
 
2.薬力学的相互作用
薬物の体内動態(血中濃度)には変化がないが、受容体などの作用部位での相互作用によって、効果の増強や減弱が起こる場合をいう。
薬物相互作用の40%が代謝部位での薬物動態学的相互作用
そのほとんどがCYPを介した機序で主に阻害が問題となる。(70%)
 
★相互作用のマネジメント
添付文書で併用注意であるが具体的な対処法が記載されていない場合や全く記載がない場合は、マネジメントが困難である。
 
→in vivo状況下で基質薬の消失に該当の代謝酵素がどの程度寄与しているかと、阻害薬あるいは誘導薬が該当の代謝酵素の活性をどの程度阻害あるいは増大するかを評価することが重要。
 
CYP分子種の基質薬のクリアランスへの寄与率 CR
阻害薬の阻害率 IR
誘導薬によるクリアランスの増加 IC
 
上記3つを算出することにより臨床報告のない組み合わせでもAUCの変化を予測するもの。
 
★大切な事
薬物相互作用の予測にあたっては血中濃度の変化の予測だけでなく、そのような血中濃度変化の臨床的な重要性を考える必要があります。
安全域の狭い薬剤では多少の変化であってもリスク要因として十分に注意する必要がある。
 
基質薬の未変化体としての尿中排泄の寄与が大きくない場合は、阻害薬の併用による経口投与時の基質薬のAUCの変化率は次の式で表される。
 
AUC+inhibitor/AUCcontrol=1/(1-CRxIR)
 
例としてゲフィチニブで計算してみよう!!
ゲフィチニブの添付文書では次のような記載
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、左記のようなCYP3A4阻害剤等との 併用で、本剤の代謝が 阻害され血中濃度が 増加する可能性がある。」
 
添付文書の記載では定量的ではなくリスクの高さもわからない。
 
 
ゲフィチニブ CR=0.7だとしてイトラコナゾールと併用したとすると 1/(1-0.7x0.95)= 2.99 AUCは約3倍になる。
 
となると次に考えることはこうだ。
 
CQ.AUCが3倍になると有害事象が増えるのか。
まず審査報告書の記述から
本薬の代謝が阻害され、血中濃度が上昇することで本薬による副作用の発現率及び重症度が高くなる可能性のあるCYP3A4阻害作用を有する薬剤、並びに本薬との併用にてINR上昇や出血が現れたとの報告があるワルファリンについてこれらの薬剤の併用例では副作用発現率が上昇する傾向は認められなかった。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤併用例:60.3%(138/229例)、非併用例:55.9%(1,729/3,092例)
 
審査報告書、他pubmedから根拠となる論文は見つけられなかった。
 
DRiFOsでみてみる
DRiFOsの使い方をまだ学び中だが使ってみたいので使った!
イレッサ錠とイトリゾールカプセルでAND検索すると、1件のみヒット。
間質性肺疾患の副作用報告。
症例も見ることができる。
 
【まとめ】
ゲフィチニブはAUCが3倍になったとしても副作用発現率が上昇する傾向はなかったが、実際のところ、副作用報告も1件のみ。
あらかじめ、3A4阻害薬との併用を避けていたとも考えられる?
 
まあ定量的に薬物相互作用を推測することは「添付文書の併用注意をどう注意すればいいのか」の手助けになるので今後も継続しよう。

CQ;免疫チェックポイント阻害剤による手の腫れの有害事象はあるか

次の論文を読んでみる。
 
目的;
 To evaluate rates of serious organ specific immune-related adverse events, general adverse events related to immune activation, and adverse events consistent with musculoskeletal problems for anti-programmed cell death 1 (PD-1) drugs overall and compared with control treatments.
1.論文のPECO
       P:patients with cancer with recurrent or metastatic disease.
        E:免疫チェックポイント阻害剤 one anti-programmed cell death 1 (anti-PD-1) or anti-PD-1 ligand (anti-PD-L1) drug
        C:標準治療
        O:臓器特異的免疫関連有害事象、免疫活性化に関連する一般的有害事象、および筋骨格問題と一致する有害事象の割合.
 
2.Study characteristics
Systematic review and meta-analysis.
All studies were international multi center studies funded by the pharmaceutical industry, with intervention group sample sizes ranging from 59 to 609 patients.
・癌腫
7研究:転移性非小細胞肺癌
3研究:メラノーマ
1研究づつ:腎細胞癌、膀胱細胞癌、頭頸部扁平上皮癌
・薬剤
6研究:ニボルマブ
5研究:ペムブロリズマブ
2研究:アテゾリズマブ
 
1研究:the combination of pembrolizumab with chemotherapy (carboplatin and pemetrexed) compared with chemotherapy (carboplatin and pemetrexed) alone.
2研究:pembrolizumab, two different doses (2 mg/kg and 10 mg/kg) were compared with each other, in addition to a standard control.
 
コントロールアーム:
6研究:one chemotherapy drug
1研究:two chemotherapy drugs
1研究:a small molecule inhibitor(エベロリムス)
4研究:the investigators’ choice
 
 
3.結果
nivolumab(n = 6)、pembrolizumab(5)、またはatezolizumab(2)と化学療法、分子標的治療薬を比較した。重篤な臓器特異的免疫関連有害事象はまれであったが、標準治療と比較して
甲状腺機能低下症(オッズ比7.56,95% CI4.53〜12.61)
肺炎(5.37,2.73〜10.56)
腸炎(2.88,1.30〜6.37 )
下垂体炎(3.38,1.02〜11.08)は抗PD-1薬で増加した。
免疫活性化に関連する一般的な有害事象のうち、発疹の割合(2.34,2.73〜10.56)のみが増加した。
疲労(32%)および下痢(19%)の発生率は高いが、対照と同様であった。
ある研究では20%を超える発生率の筋骨格の有害事象(腰痛、関節痛)だが、今回の報告ではその問題と一致する有害事象の報告は矛盾していた。
 
 
 
 
吟味
1)評価者バイアス
The study selection was performed in two stages. Two authors (SB and ZW) screened all titles and abstracts for full text review. Three authors (SB, DK, and ZW) reviewed and discussed the full text articles. Disagreements were resolved by consensus.
→問題なさそう
2)出版バイアス
We electronically searched  ve databases (Medline (PubMed), Embase, Cochrane Central Register of Controlled Trials, Web of Science, and Scopus) from the inception of all searched databases in August 2016 and updated the search in March 2017. For PubMed, Embase, and Cochrane, 
 
Funnel plots showed no evidence of publication bias
→概ね問題なし。言語については記載なし。
→ファンネルプロットでバイアスの問題なし。
3)元論文バイアス
13のRCT
有害事象に関しては8試験
We included studies that examined a cancer and reported results of a randomized study of an anti- PD-1 or anti-PD-L1 monoclonal antibody.
Two of three authors (DK, AY, and SB) independently assessed the quality of all articles included in the review using the Cochrane Risk of Bias Tool and used a weighted Cohen’s kappa coe cient (κ) to measure agreement.
→1.bliding of participants and staff
→2.bliding of outcome assessors
→3.incomplete outcome data
→4.selective outcome reporting
上記1−4でリスク オブ バイアスが高いとされた。
オープンラベルのRCTのために1.2がhighになっていると考える。
3.4.でhighになるのは次の理由から
3.追跡からの脱落や掲げられたITT原則に遵守していない。
4.結果によって、あるアウトカムは報告し他のアウトカムは報告していない。
 
 
4)異質性バイアス
I^2統計量は示されているが、0%から90%までと幅広い。
If signi cant heterogeneity was not present (P>0.1), pooled odds ratio and 95% con dence interval were estimated with a  xed e ects model using the inverse variance method. A random e ects model using the inverse variance method was used to calculate pooled odds ratio and 95% con dence interval if signi cant heterogeneity was present (P≤0.1).
 
再度結果を見る
有害事象は化学療法をコントロールとするメタ分析だと、大腸炎、肝炎、肺炎、甲状腺炎、下垂体炎ではI^2=0〜34%と低く、効果推定値も一致している。甲状腺炎では8RCTで有意差あり。
肝炎、下垂体炎では評価できないRCTが5RCT,7RCTとほぼ半分であった。
分子標的薬をコントロールとする群だと、2RCTのみ。エベロリムスとセツキシマブ
I^2>70%と高め。
 
 
【筋骨格関連の有害事象について】
table3に各研究の筋骨格関連の有害事象の発生率をまとめている。
 
データが提供された8つの研究のうち、関節痛、背痛、筋骨格痛および筋肉痛がすべての研究で報告され、関節炎は2つで報告されている。
関節痛の場合は10%〜26%
背痛の場合は6%〜22%
筋骨格痛の場合は6%〜14%
筋肉痛の場合は2%〜12% 
関節炎の単一の症例が、それぞれ1%未満の割合で2つの研究で報告された。
対照群の間では、筋骨格の膠痛の割合は関節痛に対して9%〜18%の範囲であり、背痛2〜16%、筋骨格痛4〜6%、筋肉痛4〜16%が報告されている。
 
次から関連部分の自動翻訳
 
筋骨格系の問題と一致する有害事象の割合が高いにもかかわらず、これらの有害事象の報告は試験間で不一致で不完全であることを見出した。
 
臨床試験における有害事象は、臨床有害事象の共通用語(CTCAE)を使用して報告され、症状の有無または臨床検査値に注意を喚起し、その臨床的意義に基づいて評価する。このプロセスは非常に主観的であり、研究者の認識および関心のある症候群の特定に依存し、したがって、検査者は、患者の苦情や所見を、疑いが高い診断として分類する可能性が高くなります。抗PD-1薬の場合、治験責任医師は、大腸炎、肝炎、肺炎、または甲状腺機能低下症などの免疫関連の有害事象がよく記述されており、正確に報告する可能性が高いが筋骨格系の問題のような他の潜在的に関連する有害事象を認識していない可能性があり、したがってそれらを不正確に診断し記録する可能性がある。
 
臓器特異的な免疫関連有害事象は抗PD-1薬ではまれであるが、リスクは対照治療と比較して増加する。免疫活性化に関連する一般的な有害事象は、ほぼ同様である。筋骨格系の問題と一致する有害事象は一貫して報告されていないが、有害事象が一般的である可能性がある。
 
【まとめ】
CQ;免疫チェックポイント阻害剤による手の腫れの有害事象はあるか
今回の論文ではメタ分析されていなかったが、筋骨格系の有害事象は常に念頭に入れておくべきと考える。
そうなった時の治療方法も合わせて確認すべきと考える

JJCLIP_#58復習 心臓の機能がある程度保持されている心不全患者さんに薬は必要なのでしょうか

シナリオのPECOは省略。
 
お題論文
目的
the aim of this study was to identify treatment effects in the group of patients with heart failure with LV ejection fraction ≥40%, for which no guideline-recommended therapies currently exist. 
 
論文のPECO
P:左室駆出率が保たれている患者(>40%)
I:心不全治療薬
O:全死亡率
 
セカンダリアウトカム:cardiovascular mortality, heart failure hospitalisation, exercise capacity (6-min walk distance, exercise duration, VO2 max), quality of life and biomarkers (B-type natriuretic peptide, N-terminal pro-B-type natriuretic peptide)
 
結果
All-cause mortality was reduced with beta-blocker therapy compared with placebo
 (RR: 0.78, 95%CI 0.65 to 0.94, p=0.008). 
There was no effect seen with ACE inhibitors, aldosterone receptor blockers, mineralocorticoid receptor antagonists and other drug classes, compared with placebo
 
吟味
1.評価者バイアス→問題なし
 p488  independently and in duplicate by two authors (SLZ, FTC), and were transcribed onto a dedicated database.
 Disagreements in abstracted data were adjudicated by a third reviewer (AAN)
   複数の評価者で評価し、意見の食い違いは第3者の調整によって解決。
 
2.出版バイアス→問題なし
・全ての研究を網羅的に集めようとしたか
  Medline, Embase and the Cochrane Central Register of Controlled Trials
  hand-screened for additional trials.
 ハンドサーチも行われたよう。
 期間:January 1996 to May 2016
 p412 Egger test did not identify asymmetry for any of the funnel plots.
         サプリメンタルにファンネルプロットの図あり.
 
3.元論文バイアス→問題なし
 25試験。RCT
 p409 The Cochrane Collaboration risk of bias tool was used to assess risk of bias. 
   サプリメンタルにリスクオブバイアスのテーブルあり。概ね、Low.問題となる試験あればその都度確認。
 
4.異質性バイアス→問題なし
 p409 Between-study heterogeneity was assessed using I² statistics
 
プライマリアウトカムのフォレストプロットを見てみる
薬剤ごとの統合結果。それぞれの薬剤の統合された試験は2〜4試験。
βブロッカーのみが統合された結果で有意であったが、統合された3つの試験のうち、Aronow試験のみが有意だった。 0.73[0.58-0.93]
 
私の疑問;
全部で25RCTで、出版バイアスなしと確認されている。そのうちの各薬剤で3RCTの統合なのは何か問題になるのか。
説明;
特に問題ではない。網羅的に集めて3RCTしかなかったということ。仮説生成的な読み取りをすると良い。とのこと。
Aronow試験はサプリメンタルより、リスクオブバイアスの表を見ると
パフォーマンスバイアスと、その他のバイアスが[high]であった。
 

Effect of propranolol versus no n total mortality plus nonfatal myocardial infarction in older patients with prior myocardial infapropranolol orction, congestive heart failure, and left ventricular ejection fraction > or = 40% treated with diuretics plus angiotensin-converting enzyme inhibitors.

パフォーマンスバイアスとは?
研究参加者と治療提供者のマスキング blinding of participants and personnelに問題がある可能性があるということ。
 
私の考察
心不全の予後の改善が実証されているβブロッカーは、メトプロロール、ビソプロロール、カルベジロールなので、プロプラノロールで有意差のあったAronow試験にひきづられるように統合された結果が有意になったとしても、そのまま患者への適用に結びつくだろうか。
J-DHF試験は日本からの報告で、カルベジロールの効果を見たものだが 0.75[0.43-1.30]であった。
ただし、3つのRCTの効果推定値は同じ方向を示してはいる。
今回はシナリオの患者さんについて考えるが、実際のところ慢性心不全だとはわかってもHFrEFかHFpEFかまでは私たちはわからないなあ。
実際は心不全の他に、並存疾患ある方多いので丁寧に見てみよう!
 
実際はHFpEFもHFrEFと同じような治療になっている場合が多く見られる。
自分ならβブロッカーを推奨するなあという意見も。
 
他にも貴重な意見が出たが書ききれず。今回も勉強になりました。