ruruuunのブログ

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未だによくわからない脱落率?追跡率?脱落

こちらの資料を参考にいたしました。
 
★ITT解析の時の追跡率
追跡率=結果のn(解析されたn数)/割付されたn数
 
途中で割付られた群の治療をやめた、または割付られた群ではない治療を開始した。などはITT解析では解析されているので、lost to followupを追跡率を求める場合に参考にするということで良いかな。→ここはこれまで理解していたのと同じ。
 
帰無仮説のもとではintention-to-treatにもとづく解析では名義水準通りタイプIエラーを守れるけれども、そうでない解析ではタイプ I エラーが守れない。
 
 
★lost to followupではなくて、脱落(途中で割付られた群の治療をやめた、または割付られた群ではない治療を開始した)はどう考える?
 
・欠測や追跡不能は、数が多ければ試験自体の質が疑われてしまうので問題だが、解析上は、欠測が起きたこと自体が問題となるわけではない。
 
・欠測が問題となるのは、欠測がランダムなメカニズムで起きているのではなく、さらに、治療グループ間で欠測の割合がことなっている、この両方を満たす場合に限って、治療効果の推定にバイアスが入る。
 
ここで、CARES trial(フェブキソスタットの心血管イベントを評価した論文)の吟味をしてくれている「窓際さんのお勉強な日々」から、試験中断率を見てみると
フェブキソスタット群:57.3%
アロプリノール群:55.9%
と、両群に違いがあるようには思えない。
こういった場合は、上のことから考えるに、試験自体の質は??だが、両群同じように中断しているので、解析上は特に問題ないとするのだろうか。
 
次にBIG1-98試験フローチャートを見てみると
 
●レトロゾール群(N=2470)
→同意撤回(N=7)
→治療(N=2463)
 
●タモキシフェン群(N=2463)
→同意撤回(N=4)
→治療(N=2459)→レトロゾールに切り替え(N=619)
タモキシフェン群の治療が継続できなかったのは25.1%
 
これは、上記のCARES trialと違って、群に偏りがある場合である。
この場合、プライマリエンドポイント DFSの結果は
ITT解析                                 HR 0.88 95%CI[0.78-0.99]
切り替え時点での打ち切り解析 0.84 [0.74-0.95]
 
つまり
 
欠測が問題となる場合とは
 
1 欠測が完全にランダムでなく
2 グループ間で欠測の割合が異なる
 
どちらかを満たさなければ、問題なし!?
 
まとめ
欠測が問題となる場合は、ITT解析の他に、欠測データを取り扱う手法の解析(難しいので挫折)の数種の解析を行っているか確認してその結果を見てみる。
 
今のところ纏められたのはここまで。
 
全般的に、オオサンショウウオ先生の書籍と講義を参考にしました。
f:id:ruruuun:20180423190401j:image
春ですね。
 
 
 

PKシートのテーブル番号の意味・・自己学習

参考としたサイト、書籍
臨床薬物動態学第3版
 
 
PKシートのテーブル番号の説明
 f:id:ruruuun:20180321165520j:image
上記のサイトより抜粋(フェンタニル)
4けたの数字からなる。
1)1桁目 Ae%(消失臓器:腎排泄vs肝代謝
  Ae ≤30:肝代謝型  1
  Ae≥70:腎排泄型   2 
 
2)2桁目 CL(臓器抽出比Ex:capacity limited vs flow limited)
  Ex≤0.3          capacity limited 消失能依存型  1
  Ex=0.3-0.7    moderate           中間型     2
  Ex ≥0.7         flow limited        血液流速依存型  3
 
3)3桁目 Vd
   Vd≤20L               Small          1
        Vd=20L-50L        Medium      2
        Vd≥50L               Large           3
 
4)4桁目 fuB
        fuB≤0.2                   Sensitive        1
        fuB≥0.2-1.0             Insensitive     2
 
 
例えば、フェンタニルは、Table番号 [1231]
代謝薬物(Ae%≤30)
0.3<EH<0.7,Vd≥50,fuB≤0.2
に特徴づけられる薬物に分類されることがわかる。
1: 肝代謝
2: 消失能依存型と血液流速依存型の中間型
3:Vd ≥50L Large
1:fuB≤0.2 血漿蛋白結合依存型
 
table番号のところをクリックすると図[B]へリンクする。
[B]病態の変化に伴う血中総濃度・遊離形濃度の推移を示すグラフ
 
例えば、fuBが増加する場合はTDMの治療域が下がるので、フェンタニルバッカル錠を単回急速静脈投与とすると、
[B]から
kelは↓
AUCは↑
血漿アルブミン濃度が低下しているような場合は、注意する必要がある。と言える。
 
 
★次に疑問となるのが、血漿アルブミン値の程度によってどのくらい効果、安全性に影響があるのか。
 
★その他問題になるのが、現在の病態が他のパラメータに変動はないのかということである。
 
臨床薬物動態学のテキストp197に、そのことが言及されている。
 
 
まとめとして
薬物のPKパラメータの特徴づけと病態時における文献情報を組み合わせることにより、病態時における遊離形濃度の動きを比較的定量的に予測できる可能性がある。p199に設計の手順が記載されている。
 
 今日はここまで

目標:PKシートを使って薬物動態を予測できるようにしよう。自己学習

目標:PKシートを使って薬物動態を予測できるようにしよう。
第1回 PKシートのパラメータを理解しよう。
参考:臨床薬物動態学 緒方宏泰編著
推定のために最低不可欠な薬物動態基本パラメータはF,CLtot,Vd,Ae%,fuB,B/P
PKシート
PKパラメータは基本的にグッドマンギルマン著のアペンディクスから。
 
・CLとVdにカンマがついている薬物
血漿ではなく血液中濃度の測定により求めたCL(mL/min/kg)とVd(L/kg)が文献に記載されていたため区別。
→より信頼性が高い。
 
★基本パラメータ
1.文献値のCLとVd
文献データの主対象であると考えられる平均的な白人健常男性
(体重70kg,体表面積=1.73/m2,CLcr=120mL/min)を用いて
CL(mL/min)とVd(L)を算出。
 
2.B/P比が報告されている薬物
B/P比を調べていて面白かった論文。
B/P比とは:全血液中薬物濃度/血漿(血清)中薬物濃度
血漿中薬物濃度から算出した CLtot(mL/min/kg)と Vd(L/kg)をそれぞれ B/P Ratio で除して全血液中濃度から算出したパラメータに換算した後(CLtot’=CLtot/BP ratio、Vd'=Vd/BP ratio)、“基本パラメータ”を算出。
 
★二次パラメータ
3.二次パラメータの臓器抽出比(Ex)
EH =CLH /QHER =CLR /QR
 
1)血流依存性(flow dependent):Ex>0.7
血流によって臓器xに運ばれる過程が消失能によって消失する過程より遅い場合、律速は臓器に運ばれてくる過程となる。
 
消失速度=Qx・Ca [(mg/min)/(mg/mL)]=[mL/min]…1式
Qx:臓器xに流れ込む速度
Ca:動脈血中薬物濃度
 
一方、クリアランスの定義から
消失速度=CLx・Ca…2式
 
なので臓器xのクリアランスは1式と2式から
CLx=Qx
 
この関係は運ばれてきた薬物が1回通過によりほとんど除去される場合に成り立つ。
Ex(CLx/Qx)>0.7の場合にほぼ成り立つ。
この場合、臓器クリアランスを決定する要因は血流速度のみとなる。
血流速度依存性(flow dependent)クリアランスを有する薬物と呼ぶ。
 
2)消失能依存性(capacity dependent):Ex<0.3
臓器xが有する消失機構によって消失させられている過程が血液によって臓器に運ばれる過程より遅い場合、律速過程は臓器xが有する消失機構によって消失させられる過程となる。
 
消失速度=CLintx・Ctf=CLintx・fuB・Cv…1式
 
CLintx:臓器xの消失機構自身が有する消失能。固有クリアランスであり比例定数。
Ctf:臓器内の遊離形薬物濃度=fuB・Cv(静脈血中遊離形濃度)と平衡。
fuB:静脈血中薬物墓遊離形分率
 
一方、クリアランスの定義から
消失速度=CLx・Ca…2式
 
なので臓器xのクリアランスは1式と2式から
CLx=CLintx・fuB・Cv/Ca=CLintx・fuB (Cv/Ca≒1)
 
この関係は臓器に運ばれてきた薬物が1回臓器を通過するのではあまり血液から除去されない場合に成り立つ。
Ex(CLx/Qx)<0.3の場合にほぼ成り立つ。
この場合、臓器クリアランスを決定する要因は固有クリアランス(CLintx)のみとなる。
消失能依存性(capacity dependent)クリアランスを有する薬物と呼ぶ。
 
 
今日はここまで。

PALOMA-2試験(患者報告アウトカムはどこに?)

 
背景;
エストロゲン受容体(ER)陽性ヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)陰性進行乳癌(手術不能、または再発)の閉経後女性における一次治療の第 2 相試験にて,パルボシクリブ(palbociclib)とレトロゾールの併用により,レトロゾール単独と比較して無増悪生存期間が延長することが示された.パルボシクリブとレトロゾールの併用のこの適応での有効性と安全性のデータを確認し,詳細に評価する目的でデザインされた第 3 相試験を行った.
 
論文のPECOは何か
P:postmenopausalwomen with ER-positive, HER2-negative breast cancer, who had not had prior treatment for advanced disease,
E: palbociclib plus letrozole
C:placebo plus letrozole
O:
プライマリprogression-free survival
セカンダリ:overall survival, objective response, clinical benefitresponse, patient-reported outcomes, pharmacokinetic effects, and safety.
T:double-blind study, we randomly assigned, in a 2:1 ratio
 
試験期間:2013年2月から現在も実施中(データカットオフ日:2016年2月26日)
 
結果
プライマリアウトカム;
無増悪生存期間中央値
パルボシクリブ+レトロゾール群 24.8 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 22.1~推定不能
プラセボ+レトロゾール群 14.5 ヵ月(95% CI 12.9~17.1)
病勢進行または死亡のハザード比
 0.58,95% CI 0.46~0.72,P<0.001
サブグループ解析における各条件においても同じ傾向を示した。
 
PFS
本薬+レトロゾール群
プラセボ+レトロゾール群
例数
444
222
イベント数(%)
194(43.7)
137(61.7)
中央値[95%CI]
24.8[22.1,NE]
14.5[12.9,17.1]
NNT=6
 
 
セカンダリアウトカム:
有害事象:
とくに頻度の高かったグレード 3 または 4 の有害事象は,
パルボシクリブ+レトロゾール群  vs プラセボ+レトロゾール群
好中球減少症(66.4% vs 1.4%)
白血球減少症(24.8% vs 0%)
貧血(5.4% vs 1.8%)
血小板減少症(1.6% 対vs 0%)
発熱性好中球減少症は,パルボシクリブ+レトロゾール群の 1.8%で認められ,プラセボ+レトロゾール群では認められなかった.有害事象により,パルボシクリブ+レトロゾール群の 43 例(9.7%)と,プラセボ+レトロゾール群の 13 例(5.9%)が投与を完全に中止した.
脱毛:グレード1(30.2% vs 14.9%)
           グレード2(2.7% vs 0.9%)
 
吟味
・ランダム割付されているか
→されている
randomly assigned
→ランダム割付は次の因子で層別化されている。
疾患の部位
アジュバントまたはネオアジュバント治療の終わりから疾患再発までの無病期間
 
・組み入れ基準
臓器機能が保たれている。
PS 0−2
骨病変のみ
・除外基準
短期間の生命を脅かす合併症の危険性がある進行性、症候性、内臓の広がり(すなわち、内臓または身体の主要器官に広がった)を有する患者は、研究から除外された。
 
・割付方法は
centralized internet/telephone registration system
中央割付と考えて良い。
 
・ベースラインは同等か
The baseline characteristics of the intention-to-treat population were well balanced betweenstudy groups (Table 1)
 
・ITT解析か
→ITT解析である。
 
・脱落は
→lost to followupは両群合わせて1例
問題なし。
 
・マスキングされているか
患者、介入実施者、アウトカム評価者、データ解析者全てマスキングされている。
プロトコル論文より確認。
 
ただし、イブランスの審査報告書の記載を見ると、PFSの判定は治験責任医師によるとされている。マスキングされているとしていいのか?治験責任医師もブラインドされているのでマスキングされているとして良いと考えた。
 
 
 
・症例数は充分か
サンプルサイズは計算されている
The target sample size was 650 patients
666 women at 186 sites in 17 countries wererandomly assigned, in a 2:1 ratio, to the palbociclib–letrozole group (444 patients) or to theplacebo–letrozole group (222 patients)
 
666人なので充分である。
 
 
研究資金はファイザー社から提供されている。
 
 
 
審査報告書からいくつか
プライマリアウトカムの設定について:
申請者から
治験責任医師判定によるPFS
→根治が期待できない手術不能再発乳がんにおいてPFSを延長することは腫瘍増悪までの期間を延長させることにより疾患信仰に伴う臨床症状の悪化を遅らせることが期待でき、臨床的意義があると考えられるため適切であったとのこと。
それに対し
機構から
プライマリアウトカムについてはOSを設定することが適切である。が、申請者の説明は理解できるので今後、OSの結果も含めて総合的に評価する必要がある。
 
安全性について:
本試験で、外国人患者と比較して日本人患者で、5%以上高かったGrade3以上の有害事象は
好中球減少(50.0%,12.4%)
白血球減少(PALOMA-2試験(患者報告アウトカムはどこに?)28.1%,9.0%)
 
PALOMA-3試験でも同じ傾向が見られた。
 
機構の考察
「本薬の日本人の手術不能または再発乳がん患者に対する投与経験は限られているものの、外国人患者と比較して日本人患者で発現率が高かった白血球数減少などの発現には注意が必要」
 
考察
論文の吟味から考えるに、特に問題はないと思われる。が、セカンダリの患者報告アウトカムの結果を見たかったのだが、本文にもサプリメンタルにも結果が見出せなかった。
PFSは約10か月程度延長し、一定の効果はあるだろうと思われるが、好中球減少による患者の疲弊や、倦怠感、この先の治療に対する不安を目の当たりにするので、患者報告アウトカムの結果を見てみたかった。
 
次の論文はPALOMA-3における患者報告アウトカムの結果。次回の課題。
 
 f:id:ruruuun:20180302234752j:image
鎌倉のカフェで

CQ:心不全とCOPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのか

CQ:心不全COPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのか
 
 
●背景●
Cardiovascular disease is a primary cause of death in patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD). Beta-blockers have been proved to reduce morbidity and improve survival in patients with cardiac diseases. But the effects of beta-blockers on outcomes in patients with COPD remain controversial. The objective of this meta-analysis was to assess the effect of beta-blockers on mortality and exacerbation in patients with COPD.
 
この分析の目的は、COPD患者の死亡および悪化に対するβブロッカーの使用の利点を評価すること。
 

●結果●

経過観察期間が1〜7.2年である15の元の観察コホート研究が含まれていた。結果は、ベータブロッカー治療がCOPDの全体的な死亡および悪化のリスクを有意に減少させることを明らかにした。死亡率全体の相対リスク(RR)は0.72(0.63-0.83)であり、COPDの悪化は0.63(0.57-0.71)であった。冠状動脈性心疾患または心不全を有するCOPD患者のサブグループ分析では、全死亡率はそれぞれ0.64(0.54-0.76)および0.74(0.58-0.93)であった。
 
●吟味●
【PICO】
P:十分に確立された一般コホートCOPD患者)
I:βブロッカー治療
C:上記なし
O:死亡と、増悪(COPDの増悪、経口コルチコステロイドの使用、またはプレドニゾロンのパルス投薬処方に対する入院)
 
観察期間:少なくとも6か月以上。
 
【全ての研究を網羅的に集めたか】
EMBASE、MEDLINEおよびCochraneデータベースの包括的な検索は、1966年から2013年6月に発行されたCOPD患者のβ遮断薬使用に関するすべての関連ヒト臨床試験
 
→集められている。
 
【検索語】
 Terms used in the search were: 1) Beta-blockers, adrenergic antagonist, sympatholytic or adrenergic receptor blocker. 2) Obstructive lung disease, obstructive airway disease, obstructive pulmonary disease, COPD
 
Titles for relevance from this search were reviewed, and all subject heading and abstracts were examined. The search was further augmented by reviews and scanning references of retrieved studies. Literature search was not limited by languages of the published papers.
→ハンドサーチも行なわれている?
言語バイアスなし。
 
【どんな種類の研究を集めたか】
15のコホート研究
14がレトロスペクティブ
1がプロスペクティブ
 
・5件の研究では、冠動脈性心疾患を有するCOPDの被験者も検討されている
・3件の研究でCOPD患者の慢性心不全が検討された。
・45歳から80歳までの121,956人の参加者があり、これらの研究では60歳を上回った。
・研究期間は1年から7.2年であった。
悪化の相対比(RR)の影響評価は、6つの研究でなされた。
 
【同じ研究が複数報告されていないか】
→されていない。(fig1より)
duplicated removed
 
【出版バイアス】
Eggerの回帰非対称性検定を用い、公表バイアスは見出されなかった(t = 0.90、p = 0.382)
 
【評価者バイアス】
→なし
2人の研究者が、選択された論文から独立してデータを抽出し、2人の査読者の結果を比較し、討論とコンセンサスによって差異を解決した。
 
【集められた研究は妥当性を評価しているか】
コホート研究の質を評価するために、Newcastle-Ottawa Scaleツールを使用した。
 
【異質性を評価しているか】
研究間の統計的異質性をコクランのQ検定で調べ、I 2値として報告した
ランダム効果モデルのメタ分析を行っている。
 
【結果の評価】
死亡率全体の相対リスク(RR):
0.72(0.63-0.83)I^2=89%,p=0.00001
COPDの悪化:
0.63(0.57-0.71)
冠状動脈性心疾患または心不全を有するCOPD患者のサブグループ分析
全死亡率:
0.64(0.54-0.76)および0.74(0.58-0.93)
 
サブグループ分析では、心不全を有するCOPD患者の死亡率RRの分析において異質性の証拠は認められず、異質性のp値は0.209であった。
 
【limitations】
研究の規模、期間、患者の平均年齢には著しい異質性が見られる。COPDおよびCOPD自体と併発する疾患の表現型にもかなりの異質性が存在する。
交絡因子の調整のレベルが各研究で異なる。
 
1.COPDの診断は、厳しい臨床基準ではなく医師の診断に依存しており、ほとんどの研究で肺機能やCOPDの重症度が示されなかった。ベータブロッカーで治療された患者は、ベースラインCOPDまたは心不全の重症度がそれほど高くない可能性がある。
COPDおよび心不全の存在、表現型、または重症度に関するこれらのデータは入手できなかったため、我々の解析を層別化することができなかった。
2.規定されたβブロッカーの遵守は明らかでないため、Etminanの研究記載されているように、これらの研究ではバイアスが避けられない。
3.わずか3つの研究でのみβブロッカーの種類を明らかにしているが投与量が不明。
したがって死亡のリスクとCOPDの悪化に対するβブロッカーの種類、用量の利点を評価できない。
 
【discussion】
このメタアナリシスは、β遮断薬がCOPD患者の死亡率に対して有意に保護的効果を有することを明らかにしている。感度分析により、この分析におけるベータ遮断薬の死亡率の利点は、Gottlieb およびEkström の結果によって大きく左右されることが示された。しかしながら、これらの研究を除去した後、保護効果は依然として残っていた。
β遮断薬の治療がCOPD患者の死亡率を低下させるという結論は、かなり信頼性が高い。
 
【機序】
COPD患者の全死因死亡および呼吸事象に対するβブロッカー治療の利点の根底にある機序は明らかにされていない。
このメタアナリシスでは、死亡率の利点は、心不全または冠動脈性心疾患を有するCOPD患者のサブグループ分析においてより有意であった。それは、β遮断薬による抗高血圧効果、不整脈リスク低下および心筋灌流改善によるものであろう。COPD患者の交感神経系の活性化が増加することが見出されている。
臨床研究は、心拍数は、心疾患の有無にかかわらず、個人での全死因死亡率のための独立した要因であることが示されている。
COPDおよび冠状動脈性心疾患を有する大部分の患者は、心拍数の制御が不十分であり、頻繁な狭心症の発症およびβ遮断薬療法の不十分な使用が、心拍数の制御不十分に大きく寄与していることが証明されている。β遮断薬は、心拍数を低下させ、心臓周期の拡張期を延長し、心筋灌流を改善することによって、死亡率および突然の心臓死を減少させることが示されている。
 
★考察
もともと、心不全のおさらいをしていて、心不全COPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのかという疑問から。
 
このメタ分析によると、心疾患なしのCOPD患者でもβブロッカーの死亡率、COPD増悪に対する効果は見られそうだ。
ただlimitationにもあるように、具体的なβブロッカーの種類、用量は明らかとなっていない。
 
慢性心不全合併のCOPDではビソプロロールが、ということになるのだろうか。
 
次の文献でも同じ傾向が見られる。
いかんせんβブロッカーが何を使っているかの記載が見出せず。。泣
 
心筋梗塞後のCOPD患者におけるβ遮断薬の使用および死亡率:スウェーデンの全国的観察研究
 
Effect of beta-blockers on exacerbation rate and lung function in chronic obstructive pulmonary disease (COPD).
 
雪多い中、お疲れさまです。
f:id:ruruuun:20180211174904j:image

JUPITERはなにをしめすのか。

JUPITER
正常LDLコレステロール値であるが高感度CRPを示す群へのロスバスタチン投与の意義を検討するRCT
→複合一次エンドポイントである初回心血管イベントはロスバスタチン群で有意に抑制された。
 
◉私の疑問
高感度CRPは心血管イベント、死亡率と相関があるとして良いのだろうか。
 
次の文献を参考にしました。
 
理想的なサロゲートマーカーの条件
1.簡便で標準化された測定系
2.古典的な心血管危険因子から独立した因子
3.病態生理的に疾患と関連
4.正常値が明確
5.治療介入により数値の変動が理論的に見られる
6.時間経過(バイオマーカーの変化が疾患発症に先行する)
7.用量依存的な相関
8.無作為化介入比較試験
 
高感度CRP上記1〜6を満たしたと判断してJUPITERが報告された。
 
これに対してWangらは次のように発表。
本文より
In our study, C-reactive protein predicted the risk of death but not of major cardiovascular events, after accounting for other biomarkers. Several studies of single markers, including a study based on an earlier examination cycle of the Framingham Heart Study, have shown little improvement in the prediction of risk with the addition of C-reactive protein to conventional risk factors.33,34 Recent data indicate only a moderate association between high-sensitivity C-reactive protein and cardiovascular events, with relative risks of 1.3 to 1.5 associated with levels in the highest third as compared with the lowest third.8,35 We did not have statistical power to exclude a similarly limited association between C-reactive protein and major cardiovascular events. Nonetheless, our data suggest that B-type natriuretic peptide and the urinary albumin-to-creatinine ratio have stronger relations with global cardiovascular risk than does C-reactive protein, an observation consistent with other studies assessing these biomarkers simultaneously in high-risk populations.32,36,37
 
There has been interest in refining risk-stratification algorithms by adding information from biomarkers representing pathways involved in atherogenesis or vascular function.6 Practice guidelines, such as those relating to C-reactive protein,38 have begun to address the use of biomarker screening for primary prevention. Our data indicate that contemporary biomarkers contribute only moderately to the prediction of risk once conventional risk factors are considered.
 
高感度CRPをはじめとする新しいバイオマーカーを加えてもほとんどの人のリスクは変化せず、低〜中リスクの人にバイオマーカーを使った新リスク予測をルーチンに行う意味はないと警鐘的な報告。(本文より)
 
◉私の疑問
日本人はどうだろう
 
 

[2008年文献] 高感度CRP値は冠動脈疾患,全死亡,心血管疾患死亡,非心血管疾患死亡リスクと関連

日本人一般住民における高感度CRP(hsCRP)値と冠動脈疾患との関連について,14年間の前向きコホート研究により検討した。その結果,hsCRP値は,他の危険因子で調整後も冠動脈疾患発症リスクとの明確で連続的な関連を示しており,0.21 mg/Lという低いレベルからリスクの上昇がみとめられた。日本人において,将来のCHD発症高リスク者のhsCRPのカットオフ値は1.0 mg/Lと考えられ,これは欧米人にくらべてかなり低い値であった。
 
◉私の疑問
他にはないかな。
次の論文を読んでみよう!

Hs-CRP and all-cause, cardiovascular, and cancer mortality risk: A meta-analysis.

 
 

背景と目的

高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)と死亡リスクとの間の関連について、一貫しない知見が報告されている。このメタアナリシスの目的は、一般集団における全原因、心血管および癌死亡リスクとベースラインhs-CRPレベルの上昇との関連を調査することであった。
 

メソッド

PubMedおよびEmbaseは、2016年10月までに発表された研究を系統的に検索した。一般集団におけるがん関連、心血管疾患または全原因死亡率に対するベースラインhs-CRPレベルの上昇の影響を報告した場合、hs-CRPレベルの最も高いカテゴリーと最も低いカテゴリーを比較した95%信頼区間(CI)を有するプールされた調整リスク比(RR)を、関連尺度として使用した。
 

結果

14件の研究から合計83,995名の参加者が確認された。hs-CRPレベルの最も高いカテゴリーから最も低いカテゴリーを比較すると、プールされたRRは、癌関連死亡率が1.25(95%CI 1.13-1.38)、心臓血管死亡率が2.03(95%CI 1.65-2.50)、心血管死亡率が1.75 -1.98)であった。サブグループ分析では、hs-CRPレベルの上昇ががん関連死亡率に及ぼす影響が男性で認められたが(RR 1.26; 95%CI 1.11-1.43)、女性では認められなかった(RR 1.03; 95%CI 0.83-1.27)。
 

結論

hs-CRPレベルの上昇は、一般集団における全原因心血管死のリスクを独立して予測することができる。しかし、がん死亡率に対するhs-CRPの予測的役割における性差は、さらに検討されるべきである。
 
吟味:
★PICO
P:general population
I:暴露:baseline serum CRP levels measured by a high-sensitivity method
C:暴露なし
O:all-cause mortality, cardiovascular mortality or total cancer mortality
 
★全ての研究を網羅的に集めたか
electronic search using PubMed and Embase databases from inception to October 2016.
 
pubmed and embase のみで十分と言えるかわからない。
 
【検索語】
keywords used for searching included: “C-reactive protein” OR “high-sensitivity CRP” OR “hsCRP” AND “death” OR “mortality” OR “cardiovascular mortality” OR “cancer mortality” AND “prospective” OR “longitudinal” OR “follow-up”
 
In addition to the electronic literature search, we also checked the reference list of each retrieved article to identify eligible studies. 
 
→ハンドサーチも行われている風。
引用文献リストのチェックあり。
 
 
【どんな種類の研究を集めたか】
Prospective cohort study 
言語については記載なし。
15研究を見ると、フィンランドノルウェイ、日本、USA、UK,ドイツ、デンマークの研究であることがわかる。
 
【同じ研究が複数報告されていないか】
記載が見つけられない。
Fig. 1. Flow chart of the study selection process.にも記載なし。
 
【出版バイアス】
ファンネルプロットはないが、各フォレストプロットに、
Begg's correlation test and Egger's regression test 
から、出版バイアスは認められないとしている。
 
【評価者バイアス】
Two authors (YW Li and XM Zhong) independently extracted the data by using a standardized data extraction form. Disagreements were resolved by consensus. 
問題なしと判断した。
 
【集められた研究は妥当性を評価しているか】
The NOS evaluated the participant selection, comparability of groups, and the ascertainment of outcomes that may be associated with risk of bias. Studies achieving a rating of 6 stars were graded as good quality.
 
【異質性は検討されているか】
されている。
CochranのQおよびI 2試験によって研究間の異質性を評価した。 コクランQ試験のI 2 > 50%またはp <0.10 の値は、試験間で有意な異種性を示した。統計的異質性が観察されたときにランダム効果モデルを選択した。そうでなければ、固定効果モデルが適用された。
 
【結果の評価】
全原因死亡率:12の研究
I^2 中等度 ランダム効果モデル
1.75(1.55,1.98)
 
心血管死亡率:6の研究
有意な異質性なし 固定効果モデル
2.03(1.65,2.50)
 
全がん死亡率:8の研究
有意な異質性なし 固定効果モデル
1.25(1.13,1.38)
 
hs-CRPの上昇の影響は、一般集団において上記3つの死亡率で関連があると言える。
サブグループ解析でもほぼ同様。唯一、女性におけるhs-CRPレベルの上昇は、全がん死亡率に有意な影響を及ぼさないようであった。
 
【limitations】
First, our findings were based on a single baseline measurement of hs-CRP levels, which may have led to misclassification of hs-CRP category of the participants. 
Second, angiotensin system inhibitors , statins , and thiazolidinedione could have reduced the hs-CRP levels, subsequently affected the misclassification of the participants. 
Third, the lack of adjustment for confounding factors in the statistical analysis might have slightly overestimated the actual risk estimate. 
Finally, our meta-analysis was based on study-level data but not individual participant data. Individual participant-level meta-analysis could provide more reliable risk estimates than the study-level meta-analysis. 
 
◉私の疑問
hs-CRPはどうやら心血管死亡と関連があるよう。
JUPITERのとっかかりは正しかったのか。
JUPITERが指し示すものとはなんだろう。
 
今後に続く。。
 
間違っていたらどうぞ教えてください。
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木星の南半球のオーロラ
NASAより
 

夏の日の思い出

約束の日は、夏のよく晴れた日であった。

私は先生と、先生が紹介してくださる方と三人でドライブに行く計画を立てていた。

先生は、白いジーパンを履いていた。助手席に乗った先生は、後部座席に座る方に遠慮して、シートを前にずらしたので、白いジーパンの長い足を折り曲げる形になっていた。

それから、山へ行く途中、他愛もないことを話した。

昨日の研修会のこと、新しい職場のこと、これからのワークショップのこと。

スポーツをされるのかとお聞きしたがアウトドア派ではないらしいこと。

音楽がとてもお好きなこと。

これまでしてきた仕事にこだわってやり続けたいという希望。

それゆえに二の足を踏んでいることがあるということ。でもやってみようかなと。

リスペクトしている先生方のこと。

「A先生には影武者がいると思っている。」と。

こちらからも少しばかり提案をしたのだ。

#教えて先生コーナーを作ったらどうか。

合宿形式でやるのはどうか。シャワーのように論文を浴びて勉強するのはどうか。

紹介してくださった方ともせっかくなので抄読会をしたいですねと。

先生はそれはいいですねと答えてくださった。

日常は、忙しそうだった。

お手伝いできることありますか?の一言は私の口からは出なかった。

 

要望ばかり言って、肝心の言葉を言えなくてごめんなさい。

車の音楽をbaby metalにしてなくてごめんなさい。

せっかく紹介していただいたのにまだ一度も抄読会をしていなくてごめんなさい。

 

久しぶりにあった弟と話しているようで楽しかったのだ。

 

駅までお見送り。

「それではまた。次は三鉄で。」

 

約束だけがあんな高みに残っている。 

 

夏山をみれば思い出す。

「それではまた。」

身を翻して行ってしまった。私たちはその足跡を辿るだけ。

ありがとうございます。

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https://youtu.be/BzWxAymd7po