ruruuunのブログ

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CQ:心不全とCOPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのか

CQ:心不全COPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのか
 
 
●背景●
Cardiovascular disease is a primary cause of death in patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD). Beta-blockers have been proved to reduce morbidity and improve survival in patients with cardiac diseases. But the effects of beta-blockers on outcomes in patients with COPD remain controversial. The objective of this meta-analysis was to assess the effect of beta-blockers on mortality and exacerbation in patients with COPD.
 
この分析の目的は、COPD患者の死亡および悪化に対するβブロッカーの使用の利点を評価すること。
 

●結果●

経過観察期間が1〜7.2年である15の元の観察コホート研究が含まれていた。結果は、ベータブロッカー治療がCOPDの全体的な死亡および悪化のリスクを有意に減少させることを明らかにした。死亡率全体の相対リスク(RR)は0.72(0.63-0.83)であり、COPDの悪化は0.63(0.57-0.71)であった。冠状動脈性心疾患または心不全を有するCOPD患者のサブグループ分析では、全死亡率はそれぞれ0.64(0.54-0.76)および0.74(0.58-0.93)であった。
 
●吟味●
【PICO】
P:十分に確立された一般コホートCOPD患者)
I:βブロッカー治療
C:上記なし
O:死亡と、増悪(COPDの増悪、経口コルチコステロイドの使用、またはプレドニゾロンのパルス投薬処方に対する入院)
 
観察期間:少なくとも6か月以上。
 
【全ての研究を網羅的に集めたか】
EMBASE、MEDLINEおよびCochraneデータベースの包括的な検索は、1966年から2013年6月に発行されたCOPD患者のβ遮断薬使用に関するすべての関連ヒト臨床試験
 
→集められている。
 
【検索語】
 Terms used in the search were: 1) Beta-blockers, adrenergic antagonist, sympatholytic or adrenergic receptor blocker. 2) Obstructive lung disease, obstructive airway disease, obstructive pulmonary disease, COPD
 
Titles for relevance from this search were reviewed, and all subject heading and abstracts were examined. The search was further augmented by reviews and scanning references of retrieved studies. Literature search was not limited by languages of the published papers.
→ハンドサーチも行なわれている?
言語バイアスなし。
 
【どんな種類の研究を集めたか】
15のコホート研究
14がレトロスペクティブ
1がプロスペクティブ
 
・5件の研究では、冠動脈性心疾患を有するCOPDの被験者も検討されている
・3件の研究でCOPD患者の慢性心不全が検討された。
・45歳から80歳までの121,956人の参加者があり、これらの研究では60歳を上回った。
・研究期間は1年から7.2年であった。
悪化の相対比(RR)の影響評価は、6つの研究でなされた。
 
【同じ研究が複数報告されていないか】
→されていない。(fig1より)
duplicated removed
 
【出版バイアス】
Eggerの回帰非対称性検定を用い、公表バイアスは見出されなかった(t = 0.90、p = 0.382)
 
【評価者バイアス】
→なし
2人の研究者が、選択された論文から独立してデータを抽出し、2人の査読者の結果を比較し、討論とコンセンサスによって差異を解決した。
 
【集められた研究は妥当性を評価しているか】
コホート研究の質を評価するために、Newcastle-Ottawa Scaleツールを使用した。
 
【異質性を評価しているか】
研究間の統計的異質性をコクランのQ検定で調べ、I 2値として報告した
ランダム効果モデルのメタ分析を行っている。
 
【結果の評価】
死亡率全体の相対リスク(RR):
0.72(0.63-0.83)I^2=89%,p=0.00001
COPDの悪化:
0.63(0.57-0.71)
冠状動脈性心疾患または心不全を有するCOPD患者のサブグループ分析
全死亡率:
0.64(0.54-0.76)および0.74(0.58-0.93)
 
サブグループ分析では、心不全を有するCOPD患者の死亡率RRの分析において異質性の証拠は認められず、異質性のp値は0.209であった。
 
【limitations】
研究の規模、期間、患者の平均年齢には著しい異質性が見られる。COPDおよびCOPD自体と併発する疾患の表現型にもかなりの異質性が存在する。
交絡因子の調整のレベルが各研究で異なる。
 
1.COPDの診断は、厳しい臨床基準ではなく医師の診断に依存しており、ほとんどの研究で肺機能やCOPDの重症度が示されなかった。ベータブロッカーで治療された患者は、ベースラインCOPDまたは心不全の重症度がそれほど高くない可能性がある。
COPDおよび心不全の存在、表現型、または重症度に関するこれらのデータは入手できなかったため、我々の解析を層別化することができなかった。
2.規定されたβブロッカーの遵守は明らかでないため、Etminanの研究記載されているように、これらの研究ではバイアスが避けられない。
3.わずか3つの研究でのみβブロッカーの種類を明らかにしているが投与量が不明。
したがって死亡のリスクとCOPDの悪化に対するβブロッカーの種類、用量の利点を評価できない。
 
【discussion】
このメタアナリシスは、β遮断薬がCOPD患者の死亡率に対して有意に保護的効果を有することを明らかにしている。感度分析により、この分析におけるベータ遮断薬の死亡率の利点は、Gottlieb およびEkström の結果によって大きく左右されることが示された。しかしながら、これらの研究を除去した後、保護効果は依然として残っていた。
β遮断薬の治療がCOPD患者の死亡率を低下させるという結論は、かなり信頼性が高い。
 
【機序】
COPD患者の全死因死亡および呼吸事象に対するβブロッカー治療の利点の根底にある機序は明らかにされていない。
このメタアナリシスでは、死亡率の利点は、心不全または冠動脈性心疾患を有するCOPD患者のサブグループ分析においてより有意であった。それは、β遮断薬による抗高血圧効果、不整脈リスク低下および心筋灌流改善によるものであろう。COPD患者の交感神経系の活性化が増加することが見出されている。
臨床研究は、心拍数は、心疾患の有無にかかわらず、個人での全死因死亡率のための独立した要因であることが示されている。
COPDおよび冠状動脈性心疾患を有する大部分の患者は、心拍数の制御が不十分であり、頻繁な狭心症の発症およびβ遮断薬療法の不十分な使用が、心拍数の制御不十分に大きく寄与していることが証明されている。β遮断薬は、心拍数を低下させ、心臓周期の拡張期を延長し、心筋灌流を改善することによって、死亡率および突然の心臓死を減少させることが示されている。
 
★考察
もともと、心不全のおさらいをしていて、心不全COPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのかという疑問から。
 
このメタ分析によると、心疾患なしのCOPD患者でもβブロッカーの死亡率、COPD増悪に対する効果は見られそうだ。
ただlimitationにもあるように、具体的なβブロッカーの種類、用量は明らかとなっていない。
 
慢性心不全合併のCOPDではビソプロロールが、ということになるのだろうか。
 
次の文献でも同じ傾向が見られる。
いかんせんβブロッカーが何を使っているかの記載が見出せず。。泣
 
心筋梗塞後のCOPD患者におけるβ遮断薬の使用および死亡率:スウェーデンの全国的観察研究
 
Effect of beta-blockers on exacerbation rate and lung function in chronic obstructive pulmonary disease (COPD).
 
雪多い中、お疲れさまです。
f:id:ruruuun:20180211174904j:image

JUPITERはなにをしめすのか。

JUPITER
正常LDLコレステロール値であるが高感度CRPを示す群へのロスバスタチン投与の意義を検討するRCT
→複合一次エンドポイントである初回心血管イベントはロスバスタチン群で有意に抑制された。
 
◉私の疑問
高感度CRPは心血管イベント、死亡率と相関があるとして良いのだろうか。
 
次の文献を参考にしました。
 
理想的なサロゲートマーカーの条件
1.簡便で標準化された測定系
2.古典的な心血管危険因子から独立した因子
3.病態生理的に疾患と関連
4.正常値が明確
5.治療介入により数値の変動が理論的に見られる
6.時間経過(バイオマーカーの変化が疾患発症に先行する)
7.用量依存的な相関
8.無作為化介入比較試験
 
高感度CRP上記1〜6を満たしたと判断してJUPITERが報告された。
 
これに対してWangらは次のように発表。
本文より
In our study, C-reactive protein predicted the risk of death but not of major cardiovascular events, after accounting for other biomarkers. Several studies of single markers, including a study based on an earlier examination cycle of the Framingham Heart Study, have shown little improvement in the prediction of risk with the addition of C-reactive protein to conventional risk factors.33,34 Recent data indicate only a moderate association between high-sensitivity C-reactive protein and cardiovascular events, with relative risks of 1.3 to 1.5 associated with levels in the highest third as compared with the lowest third.8,35 We did not have statistical power to exclude a similarly limited association between C-reactive protein and major cardiovascular events. Nonetheless, our data suggest that B-type natriuretic peptide and the urinary albumin-to-creatinine ratio have stronger relations with global cardiovascular risk than does C-reactive protein, an observation consistent with other studies assessing these biomarkers simultaneously in high-risk populations.32,36,37
 
There has been interest in refining risk-stratification algorithms by adding information from biomarkers representing pathways involved in atherogenesis or vascular function.6 Practice guidelines, such as those relating to C-reactive protein,38 have begun to address the use of biomarker screening for primary prevention. Our data indicate that contemporary biomarkers contribute only moderately to the prediction of risk once conventional risk factors are considered.
 
高感度CRPをはじめとする新しいバイオマーカーを加えてもほとんどの人のリスクは変化せず、低〜中リスクの人にバイオマーカーを使った新リスク予測をルーチンに行う意味はないと警鐘的な報告。(本文より)
 
◉私の疑問
日本人はどうだろう
 
 

[2008年文献] 高感度CRP値は冠動脈疾患,全死亡,心血管疾患死亡,非心血管疾患死亡リスクと関連

日本人一般住民における高感度CRP(hsCRP)値と冠動脈疾患との関連について,14年間の前向きコホート研究により検討した。その結果,hsCRP値は,他の危険因子で調整後も冠動脈疾患発症リスクとの明確で連続的な関連を示しており,0.21 mg/Lという低いレベルからリスクの上昇がみとめられた。日本人において,将来のCHD発症高リスク者のhsCRPのカットオフ値は1.0 mg/Lと考えられ,これは欧米人にくらべてかなり低い値であった。
 
◉私の疑問
他にはないかな。
次の論文を読んでみよう!

Hs-CRP and all-cause, cardiovascular, and cancer mortality risk: A meta-analysis.

 
 

背景と目的

高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)と死亡リスクとの間の関連について、一貫しない知見が報告されている。このメタアナリシスの目的は、一般集団における全原因、心血管および癌死亡リスクとベースラインhs-CRPレベルの上昇との関連を調査することであった。
 

メソッド

PubMedおよびEmbaseは、2016年10月までに発表された研究を系統的に検索した。一般集団におけるがん関連、心血管疾患または全原因死亡率に対するベースラインhs-CRPレベルの上昇の影響を報告した場合、hs-CRPレベルの最も高いカテゴリーと最も低いカテゴリーを比較した95%信頼区間(CI)を有するプールされた調整リスク比(RR)を、関連尺度として使用した。
 

結果

14件の研究から合計83,995名の参加者が確認された。hs-CRPレベルの最も高いカテゴリーから最も低いカテゴリーを比較すると、プールされたRRは、癌関連死亡率が1.25(95%CI 1.13-1.38)、心臓血管死亡率が2.03(95%CI 1.65-2.50)、心血管死亡率が1.75 -1.98)であった。サブグループ分析では、hs-CRPレベルの上昇ががん関連死亡率に及ぼす影響が男性で認められたが(RR 1.26; 95%CI 1.11-1.43)、女性では認められなかった(RR 1.03; 95%CI 0.83-1.27)。
 

結論

hs-CRPレベルの上昇は、一般集団における全原因心血管死のリスクを独立して予測することができる。しかし、がん死亡率に対するhs-CRPの予測的役割における性差は、さらに検討されるべきである。
 
吟味:
★PICO
P:general population
I:暴露:baseline serum CRP levels measured by a high-sensitivity method
C:暴露なし
O:all-cause mortality, cardiovascular mortality or total cancer mortality
 
★全ての研究を網羅的に集めたか
electronic search using PubMed and Embase databases from inception to October 2016.
 
pubmed and embase のみで十分と言えるかわからない。
 
【検索語】
keywords used for searching included: “C-reactive protein” OR “high-sensitivity CRP” OR “hsCRP” AND “death” OR “mortality” OR “cardiovascular mortality” OR “cancer mortality” AND “prospective” OR “longitudinal” OR “follow-up”
 
In addition to the electronic literature search, we also checked the reference list of each retrieved article to identify eligible studies. 
 
→ハンドサーチも行われている風。
引用文献リストのチェックあり。
 
 
【どんな種類の研究を集めたか】
Prospective cohort study 
言語については記載なし。
15研究を見ると、フィンランドノルウェイ、日本、USA、UK,ドイツ、デンマークの研究であることがわかる。
 
【同じ研究が複数報告されていないか】
記載が見つけられない。
Fig. 1. Flow chart of the study selection process.にも記載なし。
 
【出版バイアス】
ファンネルプロットはないが、各フォレストプロットに、
Begg's correlation test and Egger's regression test 
から、出版バイアスは認められないとしている。
 
【評価者バイアス】
Two authors (YW Li and XM Zhong) independently extracted the data by using a standardized data extraction form. Disagreements were resolved by consensus. 
問題なしと判断した。
 
【集められた研究は妥当性を評価しているか】
The NOS evaluated the participant selection, comparability of groups, and the ascertainment of outcomes that may be associated with risk of bias. Studies achieving a rating of 6 stars were graded as good quality.
 
【異質性は検討されているか】
されている。
CochranのQおよびI 2試験によって研究間の異質性を評価した。 コクランQ試験のI 2 > 50%またはp <0.10 の値は、試験間で有意な異種性を示した。統計的異質性が観察されたときにランダム効果モデルを選択した。そうでなければ、固定効果モデルが適用された。
 
【結果の評価】
全原因死亡率:12の研究
I^2 中等度 ランダム効果モデル
1.75(1.55,1.98)
 
心血管死亡率:6の研究
有意な異質性なし 固定効果モデル
2.03(1.65,2.50)
 
全がん死亡率:8の研究
有意な異質性なし 固定効果モデル
1.25(1.13,1.38)
 
hs-CRPの上昇の影響は、一般集団において上記3つの死亡率で関連があると言える。
サブグループ解析でもほぼ同様。唯一、女性におけるhs-CRPレベルの上昇は、全がん死亡率に有意な影響を及ぼさないようであった。
 
【limitations】
First, our findings were based on a single baseline measurement of hs-CRP levels, which may have led to misclassification of hs-CRP category of the participants. 
Second, angiotensin system inhibitors , statins , and thiazolidinedione could have reduced the hs-CRP levels, subsequently affected the misclassification of the participants. 
Third, the lack of adjustment for confounding factors in the statistical analysis might have slightly overestimated the actual risk estimate. 
Finally, our meta-analysis was based on study-level data but not individual participant data. Individual participant-level meta-analysis could provide more reliable risk estimates than the study-level meta-analysis. 
 
◉私の疑問
hs-CRPはどうやら心血管死亡と関連があるよう。
JUPITERのとっかかりは正しかったのか。
JUPITERが指し示すものとはなんだろう。
 
今後に続く。。
 
間違っていたらどうぞ教えてください。
 f:id:ruruuun:20180204164143j:image
木星の南半球のオーロラ
NASAより
 

夏の日の思い出

約束の日は、夏のよく晴れた日であった。

私は先生と、先生が紹介してくださる方と三人でドライブに行く計画を立てていた。

先生は、白いジーパンを履いていた。助手席に乗った先生は、後部座席に座る方に遠慮して、シートを前にずらしたので、白いジーパンの長い足を折り曲げる形になっていた。

それから、山へ行く途中、他愛もないことを話した。

昨日の研修会のこと、新しい職場のこと、これからのワークショップのこと。

スポーツをされるのかとお聞きしたがアウトドア派ではないらしいこと。

音楽がとてもお好きなこと。

これまでしてきた仕事にこだわってやり続けたいという希望。

それゆえに二の足を踏んでいることがあるということ。でもやってみようかなと。

リスペクトしている先生方のこと。

「A先生には影武者がいると思っている。」と。

こちらからも少しばかり提案をしたのだ。

#教えて先生コーナーを作ったらどうか。

合宿形式でやるのはどうか。シャワーのように論文を浴びて勉強するのはどうか。

紹介してくださった方ともせっかくなので抄読会をしたいですねと。

先生はそれはいいですねと答えてくださった。

日常は、忙しそうだった。

お手伝いできることありますか?の一言は私の口からは出なかった。

 

要望ばかり言って、肝心の言葉を言えなくてごめんなさい。

車の音楽をbaby metalにしてなくてごめんなさい。

せっかく紹介していただいたのにまだ一度も抄読会をしていなくてごめんなさい。

 

久しぶりにあった弟と話しているようで楽しかったのだ。

 

駅までお見送り。

「それではまた。次は三鉄で。」

 

約束だけがあんな高みに残っている。 

 

夏山をみれば思い出す。

「それではまた。」

身を翻して行ってしまった。私たちはその足跡を辿るだけ。

ありがとうございます。

f:id:ruruuun:20180123070842j:image

https://youtu.be/BzWxAymd7po

 

尤度比に親しもう!

次の文献を参考にしました。
けいしゅけ先生のブログでも勉強させていただきました。
 
 
尤度比に親しもう!!
 
イリアム・オスラー
「医学は不確実性の科学であり確率の技術である」
 
臨床医学では、感度、特異度など「ベイズの定理」を利用して確率の技を実践してきた。
ベイズ的意思決定は人間の無意識下の問題解決思考や行動と同様の過程である。
 
ベイズの定理は条件付き確率のアイデアから生まれた。
 
 
 
診断に関するEBMといえば、感度、特異度、陽性予測値、陰性予測値、精度などがあるが、 感度と特異度をひとつにまとめた”尤度比(likelihood ratio)”は、検査前確率(有病率/事前確率)の影響を受けることがない指標として、非常に有効なものである。
 
たとえば、陽性尤度比(+LR)=感度/[1-特異度] 
 
ベイズの定理をオッズの形に変換すると
(事前オッズ)x(尤度比)=(事後オッズ)
 
確率とオッズの関係:
オッズ=ある事象が起こる確率/(1-ある事象が起こる確率)
ある事象が起こる確率=オッズ/(1+オッズ)
 
★それではある事象が起こる確率(事前確率)とはどのように予測するのか 
主に次の4つの方法から予測する。
1)臨床医としての個人の経験
2)院内でのデータベース
3)住民疫学調査による有病率
4)臨床研究の文献
 
尤度比
・尤度比が感度と特異度よりも用いられる利点は次の3つ
1.感度と特異度は有病率に影響されることがあるが尤度比は影響を受けない。
2.オッズを用いることでベイズの定理を掛け算で表すことができる。
3.結合尤度比は、ある検査(所見)が陽性である可能性が他の検査が陽性になる確率のよって影響を受けない(独立性が保たれている)場合、単にそれぞれの尤度比を掛け合わせた値になる。
 
 
例1)
狭心症診断について、8個の臨床研究(n= 11544人)を統合して得られたもので、A検査の陽性尤度比=5.8(95%CI 4.2-7.8)だとする。
そこで、検査前確率6%、診断検査Aを実施として、 ”概算”すると、図中(3)のように、確率(6/100)→pre-oddsは 6/(100-6)= 6/94 です。
 
診断検査Aを実施すると、事後オッズは、 pre-odds x LR(=約6)で、=36/94、=3/8。
 従って、解釈としては、事前確率6%で、診断検査Aを実施すると、3/8のオッズなので、「検査陽性者11人のうち、3人が虚血性心疾患を有し、8人が持っていない」となる。
事後オッズが3/8なので事後確率は27%ということになる。
 
 
一般にLRの評価としては、LR=1 というのは 全く意味がないことであり、5以上の高値 あるいは0.2以下の低値の場合、確定診断につながると解釈されている。
 
・尤度比の他の利点
臨床現場でよく見られる連続的な検査結果、例えば腫瘍マーカーの値がどれくらい高いと可能性どれくらい変化するかを示してくれる柔軟な優れた指標であること。
 
例2)
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの値の陽性尤度比の表を元に考える。
PSA値(μg/L)
検査者数
尤度比
(95%CI)
2未満
378
0.3(0.2-0.3)
2〜4
313
0.7(0.6-0.9)
4〜10
1302
1.0(0.9-1.0)
10〜20
421
1.5(1.2-1.8)
20より多
206
6.3(4.6-8.7)
 
カットオフ値は4μg/Lくらいが適当なのかもしれないが10μg/Lあたりはかなり曖昧で(尤度比1.0なので)20μg/Lを超えるとかなり腫瘍の存在の可能性が高くなることを示している。
 
尤度比を上手に用いると、血圧や体温、白血球数などのデータの高低や組み合わせを、有力な臨床判断の手がかりにすることができる。
 
例3)
インフルエンザのRIDTの診断価値について
ウイルス培養あるいはRT-PCRをゴールド・スタンダードとして吟味したメタ分析によると、統合解析による推定特異度は98.2%と高かったが、感度は62.3%と低かった。
陽性尤度比(LR+)は34.5
陰性尤度比(LR-)は0.38
であり、検査陰性時の有用性は大きくないということになる
検査前確率
検査後確率
陽性
検査後確率
陰性
10
79.3
4.1
50
97.2
27.5
70
98.8
47.0
90
99.7
77.4
 
表から、検査前確率が低い場合、検査陽性時には比較的高い検査後確率を持ちつつ偽陰性のリスクも高くない。
検査前確率が高いと陽性時の検査後確率に寄与するところは大きくないにもかかわらず偽陰性のリスクは大きくなっている。
本意思決定モデルを検査前確率が50%より上か下かに二分割して診療シナリオを考察して実地診療にしようするという試みも報告されている。
 
以上!!!
尤度比に親しめたかなー
おやすみなさい

胃の手術後、再VTE予防のためのDOACは?

CQ.以前、がん患者でのVTE予防のためのDOACはすすめられるのかと言うテーマでまとめたが、胃がんで消化管を切除、バイパス術など行っている場合はどうか。
 
胃腸摘出、切除術後の薬物動態学的注意点
薬物は主に小腸で吸収されるため、胃と小腸の状態変化の影響を受ける。小規模であれば影響は少ないが、切除範囲が広範囲だったり、消化、吸収、腸管運動において重要な機能を担う部位だったりすると影響は大きくなる。
 
消化管切除による薬物吸収への影響についての大規模な試験の報告はほとんどない。種々の症例報告があるのみ。
 
幽門を含む胃切除により胃内容排出は促進される。
★胃の全切除または部分切除→胃内容積の減少、胃内pHの上昇、胃内容排出の促進
 
ルーワイ胃バイパス術では遅延する。
★胃の大部分、十二指腸、および空腸の近位50cmをバイパスし、残った小腸は下部に再接続→
胃内容積の減少、胃内pHの上昇、胃内容排出の遅延、吸収部位表面積の減少、消化管滞留時間の短縮、初回通過代謝の減少などなど。
※薬局:2017 8月号より(臓器摘出・切除の晩期合併症)
f:id:ruruuun:20180107164045j:image
 
 
そこで次の文献を読んでみる。
 
 
アブストラクトのみ
【論文の目的】
消化管の外科的切除またはバイパスを有する患者におけるDOACの使用に関する臨床データを検討することである。
 
 
非弁膜症性の心房細動および静脈血栓塞栓症の治療で、脳卒中予防のためのワルファリンの代替物として、DOACが導入されている。
大規模な胃腸切除またはバイパスを受けている多くの患者は、手術の血栓性合併症の処置および内臓血管イベント再発の予防を含む、様々な適応症のために抗凝固剤を受ける。DOACは、通常の吸収能力を有する健康な被験者で行われた研究に基づいて決定された固定用量を許容する広い治療範囲を有する。
有意に変化した胃腸管を有する患者は、DOACの有効性および安全性を評価する第II相および第III相試験に含まれなかった。
MEDLINEおよびEMBASEを検索して、この集団におけるDOAC使用の研究および症例報告を同定した。承認された4つのDOACの処方情報もレビューされた。同定された利用可能な文献の唯一の種類は、症例シリーズであった。

Roux-en-Y胃バイパス後に抗凝固が必要な患者におけるリバロキサバンおよびダビガトランの有効性については不確実性がある。

胃切除術を受けている患者におけるリバロキサバン療法の回避が推奨される。

主要な消化器切除術またはバイパスの患者にapixabanおよびedoxabanを用いた抗凝固療法に関するデータが欠けている。臨床医は、このグループの患者でDOACを使用する際に、これらの制限に注意する必要がある。

 
症例報告
Roux-en-Y胃バイパス術の歴史を持つ66歳の男性で、新たに発症した心房細動のためにdabigatranを開始したことを報告している。5週間の治療後、電気心臓電気変換前の彼の経食道心エコー図は、重度の自発的なエコーコントラストを示した。カーディオバージョンは延期され、抗凝固療法が継続された。翌日、彼は血栓塞栓性脳卒中を患った。術後の吸収不良が治療効果の低い抗凝固を引き起こした可能性が懸念された。Roux-en-Y胃バイパス手術後のダビガトランの吸収障害を最初に報告する。
 
 
それならばWFの方をすすめられるのかと言えば、そうとばかりは言えない。
・相互作用の問題。(抗がん薬も含む)
静脈血栓症を有するがん患者は,がんでない患者と比較して抗凝固療法中に再発性血栓塞栓症および大出血を発症する確率が高いと報告されている
 
以前、まとめたメタ分析でも
「がん患者のみのLMWHとの直接比較の欠如のためDOACは、がん患者におけるVTEの第一線治療としてまだ推奨することはできない」
との結論を見た。
WFの抗がん薬との相互作用について
 
ところがつい最近次の文献をTwitterから次の文献を。。。
P:がん関連VTEの既往を持つ患者
E:エドキサバン
C:ダルテパリン
O:再発性静脈血栓塞栓症または大出血
 
この論文の吟味についてはまた次回!!!
 
今回はここで力つき。。
ちょいちょいグーグル翻訳こんにゃく先生にお世話になりまとめてみました。
また、ぎどら先生にも教えていただきありがとうございます。
 
今年も気持ちばかりはフルスロットルでいきます!!

Forget me not.

認知症の人々のための緩和ケアとはどんなものですか?

 

forget me not

この言葉で始まる論文を見て。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2600060/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20675657

認知症患者の最期の時間に思いを馳せながら気になった論文を読みながら、どんな問題があるか考えてみようと思います。

世界保健機関(WHO)は、緩和ケアを次のように定義している

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、 心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、 苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。

このレビューでは、MeSHの「認知症」および「緩和ケア」を使用したPubMed検索が行われた。これにより199件の関連記事が得られた。これらの46の記事のレビューだった。

法的・倫理的な議論(21件)、抗生物質の使用と「発熱管理戦略」(12件)、経管栄養(11件)、事前ケア計画と代理決定(10件)人生の終わりに経験した症状(9件)と職員教育プログラム(9件)。アウトカム測定には6件の論文しかなく、介入とケアプログラムについて4件の論文しかなかった。

この分野の研究には複雑な倫理問題がある。進行した認知症の人はインフォームドコンセントに参加することができず、参加に同意できる親族はいない可能性がある。

自分は認知症患者の終末期を本当にわかっているか。

進行性認知症患者は、がんの終末期段階で見られるものと同様の、例えば、疼痛、呼吸困難などの様々な症状を患う。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19828530

米国の22ヶ所の養護老人ホームで18ヶ月間、高齢認知症患者323名と医療機関の看護師を追跡調査した前向き研究

年齢、性別、および病気の期間を調整した後、肺炎を有する住民の6ヶ月の死亡率は46.7%であった。熱性エピソード、44.5%; 摂食の問題は38.6%であった。

呼吸困難(46.0%)痛み(39.1%)を含む苦痛を伴う症状がよくみられた。

痛み

進行性の認知症の人々は、痛みを感じていることを伝えるのが難しく、しばしば動揺、苦痛、社会的撤退または抵抗行動などの行動変化として現れる。

コミュニケーションが困難な人々の苦痛を理解するためのツールが必要となるかもしれない。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/(SICI)1099-1166(199703)12:3<404::aid-gps529>3.0.CO;2-2/abstract

認知症で死亡した患者は、癌患者に匹敵する症状および健康管理ニーズを有する。

食事と嚥下

進行性の認知症の人は、しばしば嚥下困難になります。経鼻胃管(鼻および胃を通過する管)または経皮内視鏡胃瘻造設術(PEG)を介する経管供給の2つの方法が使用される。進行性の認知症の人々にこれらの介入の無作為化比較試験はなかった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19370678

7つの観察対照研究を含む。コクランレビュー。主なアウトカムは、生存とQOL(Quality of Life)

しかし、いずれの研究もQOLを精査しておらず、栄養状態または褥瘡の有病率の点で有益であるという証拠はなかった。非常に多数の患者がこの介入を受けているにもかかわらず、腸管栄養補給が進行性痴呆の患者に有益であることを示唆するエビデンスは不十分である。この介入の悪影響についてのデータは不足している。

BPSD

BPSDは一般的であり、病気の経過中のある時点で90%の人々に影響を与える。

認知症とその家族と介護者のために非常に困難さを与える。

ケアに対する抵抗性などの困難な行動は、過小検出または治療不足の痛み、せん妄または感染症などの満たされていないニーズの指標となる可能性がある。

したがって、患者は十分な評価が必要であり、これは、口頭によるコミュニケーションが限られている場合、進行性の認知症では困難。眼鏡や補聴器の提供などのパーソナルケアの基本的な側面をまず考慮する必要がある。

環境の改変は、激動を軽減することができる。

https://ninchisho-online.com/archives/12505/

 

感染症

進行性の認知症では、肺炎やその他の感染症、特に尿路が一般的である。18ヶ月以上に渡って、高齢の痴呆患者の53%が発熱性のエピソードを示し、41%が肺炎に罹患する。

Fabiszewski らにより抗生物質を受けている人と「緩和的」ケアしか受けていない人の死亡率に差はないことが示された。

 

現在の課題

1.人生の終わりに不適切な介入と治療があること。

患者のケアに緩和的または支持的なアプローチを採用しないことを示唆している。これは、医療従事者の間で認知症の病態生理学の理解が不十分なことが原因である可能性がある。

ACPは認知症の初期段階で試みるべき。進行性の認知症の人が前向きなケアプランを持つことは稀である。

2.介護者を支援する。

進行性の認知症を患っている人々の介護者と、終わりの世話をした経験についての研究はほとんどない。認知症の人々の介護者および家族は、しばしば、相当なレベルの苦痛および負担を被る。

進行型または末期の認知症を有する人々は決定を下す能力がない可能性が高いため、介護者は「代理人」として行動することが期待されている。

彼らは、例えば胃瘻挿入または蘇生に関して、困難で感情的に厳しい選択をしなければならないかもしれない。進行した病気の臨床的特徴および影響に関する認知症の人々の介護者を教育することは、彼らが積極的な医療介入ではなく相対的に「快適ケア」を選択する可能性を高める。

 

3.認知症患者の緩和ケアの改善

死の管理のためのゴールドスタンダードフレームワークリバプールケアパスウェイの使用が勧められる。

GSF:人生の終わりに向けて緩和的または支援的ケアを必要とする患者を特定するためにスタッフを支援し、訓練する多次元プログラムです。それは、人生の最後の一年がいつ始まったのかを認識し、患者のニーズ、症状、嗜好を評価し、これらを中心にケアを計画する構造化アプローチを使用します。

リバプールケアパスウェイ:

リバプールケアパスウェイはもともと、死まで48時間の癌患者の病院でのケアを改善するために開発されました。それは、ホスピスや養護施設を含む他の診断や異なる環境で死ぬ人々に使用するために修正されています。この経路は、患者の初期評価、進行中の評価および死後のケアの3段階を有する。不適切な介入や投薬の中止、口腔ケアなどの快適な処置の提供などの医療ニーズにも関わらず、患者の状況、心理的精神的ニーズに対する患者の洞察を評価すること。

https://www.jspm.ne.jp/newsletter/nl_53/nl530801.html

 

研究の面では、臨床的に意味のあるアウトカムツールを定義する作業が必要である。終末期ケアの苦しみや質の尺度は、さまざまな設定や人口で試験する必要がある。

私たちは、命の終わりに近づいている高齢認知症患者をよりよく特定する必要があり、そうすることで彼らとその介護者は緩和ケアの恩恵を受けることができる。

 

まとめ

認知症の進行に伴ってがん患者と同じような、疼痛、呼吸困難、嚥下障害が起こってくることをあらためて認識しました。

認知症の終末期には、患者はそれを言葉で訴えることができないために、こちら側(医療者、家族)の判断で望まない、苦しみを受けるかもしれない。

最期の生きられる期間を予測するのが難しいことと、BPSDの発現により、ホスピスへのアプローチが閉ざされている状況なのではないかと考えます。

ACPを実施することもがん患者以上に難しく、そのため、いざという時に家族が決断する時、多大なる罪の意識を伴うのではないかと懸念されます。

介護者や家族への情報提供は、彼らが物事を決定していく上でとても大切なことだと思います。

認知症患者は、疎通が取れなくなってくるので、彼らの大切にしているものごとを知らないうちにないがしろにしてはいないか。

このくらいはいいだろうと自分勝手に判断してはいないか。

これからは、認知症ケアマッピングについても勉強していきたいな。

 

forget me not

介護者が、「自分のことを忘れないで」と思う気持ちと、患者が、疎通が取れなくなる前の「自分を忘れないで」という気持ち。

大切にしていきたい。そして忘れないよ。ぜったい。

f:id:ruruuun:20171203190828j:image 

 

 

 

 

 

 

製薬会社の製品説明パンフの見方、使い方WSに参加して

たちつてとに気をつけろ!
 
鵜呑みにしてはいけないもの
・権威者や有名人を起用しているもの。
動物実験やvitroの試験
・薬理学的、病態生理のみの情報
・疫学研究では有効性はわからない
・比較対照があるかをチェック
 
 
1.たてじくマジック
印象を操作していること。
カプランマイヤー曲線のたてじくが○○率で100%の所,縦軸のMAX3%におさえて示し、相対評価でのみ表していないか(RR,RRR)
例えば、追跡期間5.3年でRRR30%減だとして、その後も相似形だとすると追跡期間2倍の10.6年でもRRRは変わりないが、絶対評価(ARR,NNT)は大きくなる。
相対評価は誰にでも言えることだが、絶対評価は患者個々で変わってくる。
 
 
2.ちっぽけな効果ではないか
1.でも述べたように絶対評価が臨床的に意味をなすか。
 
 
3.追跡できてる?
カプランマイヤー曲線を見るときは必ず、No.at riskを確認すること。
最初の人数の約半分までは見てもよいが、その後は当初の患者背景とは異なってくるので参考にはできない。
 
4.手つなぎで見てはいけない
複合アウトカムは、それを構成しているアウトカム一つ一つを見なければならない。
 
5.true outcomeか
結果が大事なものなのか。
CAST研究のアウトカムのように不整脈は減るが突然死は増えるという場合、どちらが大切なのか。
 
ここで、題材となったARISTOTLE試験を読んでみる。
 
 
P:patients with atrial fibrillation and at least one additional risk factor forstroke.
E:apixaban (at a dose of 5 mgtwice daily)
C:warfarin (target international normalized ratio, 2.0 to 3.0)
O:The primary outcome was ischemic or hemorrhagic stroke or systemic embolism.
 
The trial was designed to test for noninferiority, with key secondary objectives of testing for superiority with respect to the primary outcome and to the ratesof major bleeding and death from any cause.
 
The median duration of follow-up was 1.8 years
 
結果
The rate of the primary outcome was1.27% per year in the apixaban group, as compared with 1.60% per year in the war-farin group (hazard ratio with apixaban, 0.79; 95% confidence interval [CI], 0.66 to0.95; P<0.001 for noninferiority; P=0.01 for superiority).
 
1.ランダム割付されているか
 
In this randomized, double-blind trial,
 
適格基準
・割付前の12か月に、2週間の間隔をあけて2回かそれ以上、心房細動、粗動のエピソードがある
・次の脳卒中のリスクファクターが少なくても一つある
 75歳以上
 脳卒中の既往
 TIA
 全身性塞栓症
 症候性の心不全(直近3か月以内)
 左室駆出率 40%以下
 DM
 薬物療法が必要な高血圧
 
除外基準
 可逆的な理由の心房細動
 重篤な僧帽弁狭窄症
 抗凝固(例えば人工心臓弁)を必要とする心房細動以外の症状
(165mgのアスピリンアスピリンとクロピトグレルを必要とする)
 過去7日間の脳卒中
 重篤な腎障害
 
 
 
割付方法は
中央割付と考えてよい
 
マージン1.44の非劣性試験
 
2.結果は有意か
有意である。
サンプルサイズは計算されている。18000人。
割付は18201人。
 
3.研究資金のスポンサーは誰
Supported by Bristol-Myers Squibb and Pfizer.
 
4.研究者は製薬会社から利益を供与されているか
No other potential conflict of interest relevant to thisarticle was reported.
という記載あるが、その前の著者たちの供与されたリスト見てるとそう言い切れるかわからない。
 
5.マスキングされているか
患者、介入実施者もマスキングされている。
 
6.ITT解析か
ITT解析である。
 
7.追跡率はどれくらいか
Data on vital status at the end of the trial weremissing for 380 patients (2.1%).
問題となる脱落率ではない。
なので非劣性試験でもITT解析で特に問題はないと思われる。
 
8.プライマリエンドポイントの結果を見る
プライマリエンドポイントは複合アウトカムで次のいずれかから構成されている。
・虚血性脳卒中
・出血性脳卒中
・全身性塞栓症
 
複合アウトカム全体では
HR 0.79(0.66-0.95)
RRR=0.21
NNT=167(1.8年)
 
一つ一つ見ていくと
ischemic or uncertain type of stroke 0.92(0.74-1.13)
hemorrhagic stroke 0.51(0.35-0.75)
systemic embolism 0.87(0.44-1.75)
 
hemorrhagic strokeのみ有意差が見られる。
出血性脳卒中のみ、減らす可能性があるということしか言えない
 
実際のところ論文にはどのように書かれているか
 
result とdiscussionに
 
出血性脳卒中の発生率はアピキサバン群ではワルファリン群よりも49%低かったが、虚血性または不確定な脳卒中率はアピキサバン群でワルファリン群より8%低かった
 
In patients with atrial fibrillation and at least oneadditional risk factor for stroke, the use of apixa-ban, as compared with warfarin, significantlyreduced the risk of stroke or systemic embolismby 21%, major bleeding by 31%, and death by 11%.
 
いずれも相対的指標の記載である。
 
またカプランマイヤー曲線からわかるようにNo. at riskが半分になるところは追跡期間である約1.8年であるがそこではプライマリアウトカムは両群の絶対差は1%と違わない。
 
WSの中で虚血性脳卒中と、出血性脳卒中がプライマリアウトカムの複合アウトカムの中で構成されていることが問題であるという指摘があった。
ただ他のDOACの試験でも同じようなアウトカムになっている場合もありそんなに問題になるのかと今でもわからない部分である。
WFとの試験となると、出血性脳卒中では有意差が生まれるだろうが、虚血性ではでないかもしれない。それを複合にすることで、結局は有意差ありという結果を得ることができるのかも。
 
トップジャーナルだと、権威もあるだろうし鵜呑みにしてしまいがちだが、そんなこともない。やはり、曇りなきまなこを手に入れなければとフカヒレをいただきながら思いました。。。
 
ここからは旅行記
三鉄乗車、楽しかったです。気仙沼からBRTで盛(さかり)駅まで行き、三鉄の特別車両に乗って釜石まで。そこで折り返しました。
釜石の新日鉄から立ち上る煙が力強かったです。
鐡な方々のうんちくを楽しく聞きながら三陸の幸のお弁当をいただきました。
EBMクイズの最多正答者には自称、車掌さんから素敵なプレゼントが。。
 
皆さんも一度お越しあれ。
レトロ車両36R3
f:id:ruruuun:20171115013549j:imagef:id:ruruuun:20171115013625j:imagef:id:ruruuun:20171115013718j:image
最後の写真、 三鉄の運転士さんが「以前はこんなに集落あったんですよ〜」と写真を車窓に並べてみせてくれました。
ところどころみえる海に、養殖筏がたくさん。
リアス式海岸の豊かな幸ですね!
 
お読みいただきありがとうございます。
おやすみなさい。