ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

原発性アルドステロン症まとめ

高血圧治療ガイドライン2019、uptodateを参考にまとめ。
 
1.二次性高血圧
【疫学】
二次性高血圧の頻度は、少なくとも全高血圧患者の10%以上にのぼる。
特に原発性アルドステロン症は高血圧患者の5-10%をしめるとされる。
 
【特徴】
本態性高血圧症では家族歴が濃厚。血圧は20-30歳代から高め。加齢に伴って高くなる。
二次性の疑い:
・若年発症の重症高血圧、50歳を過ぎてからの高血圧
・それまで良好だった血圧の管理が難しくなった
・急速に発症した高血圧
・血圧値に比較して臓器障害が強い
・血圧の日内リズムの異常を伴う
 
2.原発性アルドステロン症(primary aldosteronism)
【特徴】
有病率:5-15%
アルドステロンの自律的分泌と血漿レニン活性(PRA)低値
カリウム血症は典型例のみで認める。
脳血管障害、冠動脈障害、心房細動などの不整脈、末梢動脈疾患などの心血管合併症が本態性高血圧患者より3-5倍多い。
 
本文より
meta-analysis of prospective and retrospective observational studies
We aimed to assess the association between primary aldosteronism and adverse cardiac and cerebrovascular events, target organ damage, diabetes, and metabolic syndrome, compared with the association of essential hypertension and these cardiovascular and end organ events, by integrating results of previous studies.
 31 studies including 3838 patients with primary aldosteronism and 9284 patients with essential hypertension. 
平均8.8年の観察で原発性アルドステロン症の患者は次のリスクが増加したことが認められた。
stroke (odds ratio [OR] 2·58, 95% CI 1·93-3·45)
coronary artery disease (1·77, 1·10-2·83)
atrial fibrillation (3·52, 2·06-5·99)
heart failure (2·05, 1·11-3·78)
 
【薬物治療】
治療方針の決定には疾患の特徴(高血圧、低カリウム血症の重症度、性別や年齢)、患者の希望(副腎摘出術への希望、治療方針に対する納得、医療費)などから決定する。
そのうち、薬物治療について。
薬物治療により、血圧、血清カリウム濃度のコントロールとPRA非抑制を目安にMRAの用量調整を行えば、本態性高血圧の脳心血管リスクと同等であることが後ろ向きコホートで示された。
 
ファーストラインの薬物療法を確認する。
 
uptodateより抜粋
First line: Mineralocorticoid receptor antagonists 
Spironolactone has long been the drug of choice; eplerenone represents a newer, more expensive alternative with fewer side effects.
 
Efficacy — One open-label study suggested that spironolactone and eplerenone have a similar effect on blood pressure in patients with primary aldosteronism . However, a randomized, clinical trial in patients with primary aldosteronism reported that spironolactone was more effective for hypertension than eplerenone .
 
本文より
A double-blind, randomized study comparing the antihypertensive effect of eplerenone and spironolactone in patients with hypertension and evidence of primary aldosteronism.
spironolactone (75-225 mg once daily) or eplerenone (100-300 mg once daily)
Changes from baseline in DBP:
eplerenone (-5.6±1.3 SE mmHg) 
spironolactone (-12.5±1.3 SE mmHg) [difference, -6.9 mmHg (-10.6, -3.3); P<0.001]. 
Although there were no significant differences between eplerenone and spironolactone in the overall incidence of adverse events, more patients randomized to spironolactone developed male gynaecomastia (21.2 versus 4.5%; P=0.033) and female mastodynia (21.1 versus 0.0%; P=0.026).
 
アルゴリズムでもまず、スピロノラクトンを投与してそれに忍容できなければエプレレノンとある。
コストの問題もあるからだ。
 
ここの部分は日本の高血圧治療ガイドライン2019とニュアンスが違う部分だ。
日本のガイドラインp188からは、コストの問題や、まずスピロノラクトンで、という部分は汲み取れなかった。
 
高血圧が持続するなら、チアジド系利尿薬や、ACEiを追加する。
 
●結び●
今回は原発性アルドステロン症の疫学、特徴、ファーストラインの薬物療法のみまとめた。
 
今日は風が強く、雨がこれから降ってくる模様です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

フルニエ壊疽のリスク因子、初期症状は?

先日、SGLT2阻害薬にフルニエ壊疽の副作用が追記になりました。
そこでフルニエ壊疽のリスク因子を把握し、患者さんに伝えることができる初期症状を勉強してみたいと思います。
 
ポイント
フルニエ壊疽は壊死性筋膜炎の特異的な形態で致死率が高い。
✅男女比では男に多い。
糖尿病、肥満、および悪性新生物を伴う免疫無防備状態の患者において一般的に発症する。
✅患部の潰瘍。数時間以内に、性器充血が増加し、組織壊死が起こる排尿は痛みを伴い困難になる。
 
 
pubmedで検索
 

Fournier's Gangrene:文献レビューと臨床例

【フルニエ壊疽とは】
フルニエ壊疽は壊死性筋膜炎の特異的な形態であり、外性器および肛門周囲領域に限局しており、動脈の血栓症を伴い、重度の中毒および多発性の症状を伴う皮膚および皮下組織の壊疽を引き起こす。
この病気の希少性にもかかわらず、。敗血症性ショックの発症とそれに伴う合併症のために、治療の遅れは高い致死率を伴い、90%に達する。
 
【疫学】
年間100,000人の男性につき1.6症例で発生する極めてまれな疾患であり、外科病院への総入院の0.02〜0.09%に達する。患者の平均年齢は50.9歳で、男性と女性の比率は10:1。季節性はない。
 
【原因】
この疾患は通常、泌尿生殖路、直腸肛門部、または生殖器の皮膚の感染過程が原因で発生する。フルニエ壊疽は、糖尿病、肥満、および悪性新生物を伴う免疫無防備状態の患者において一般的に発症する。
 
もっとも合併しているのは糖尿病である。
 
【兆候】
肛門部、包皮、陰茎の皮膚、または陰嚢の潰瘍。数時間以内に、性器充血が増加し、組織壊死が起こります。排尿は痛みを伴い困難になる。5〜8日症状は続く。
症状は、敗血症の発症を伴う皮膚、皮下組織、筋肉の一般的な壊死、多臓器不全を特徴とし、死に至る。
 
 
●まとめ●
フルニエ壊疽は稀ではあるが、致死性が高く、糖尿病罹患者に多い。
糖尿病罹患者のうちSGLT2阻害薬の服用中に、フルニエ壊疽の報告がなされたとFDAから警告が発せられた。
因果関係または罹患率、報告の質の変動、過少報告の可能性、および適応症による交絡を確立できない。としながらも初期の段階でそれを疑う、または患者から兆候を聞き取ることが大切であるとしている。
ただし、時間的に急速に進むことが考えられることもよく頭に入れておかねばならない。
 

CQ:慢性心不全に、トラセミド、フロセミドどちらのループ利尿薬が良いですか?

 
早速pubmedで検索してみた。次の二つのメタアナリシスのアブストを読んでみる。
いずれもアブストのみで吟味できず。
 
 
目的
ループ利尿薬は慢性心不全管理の主力である。フロセミドとトラセミドは2つの最も一般的なループ利尿薬。それにもかかわらず、臨床転帰に関してループ利尿薬の最適な選択に関して不明なことがある。
 
P:慢性心不全患者が
I:フロセミドを服用するのと
C:トラセミドを服用するのとでは
O:死亡率
 心不全再入院率
 NYHA分類の改善
 
メタアナリシス 10件のRCTと4件の観察研究
観察期間(5ヶ月〜12か月)
MedlineとCochrane Databasesから
 
結果
死亡率:OR1.01、CI 0.64-1.59、2  = 65.8%
心不全再入院率:OR 2.16、CI 1.28-2.64、2  = 0.0%
NYHAリスクの改善:OR 0.73、CI 0.58-0.93、2  = 19.6%
 
トラセミドはフロセミドと比較して中期心不全再入院の減少およびNYHAクラスの改善と関連しているが、死亡リスクの減少とは関連していない。
 
 
 
目的
心不全(HF)患者におけるトルセミドとフロセミドの有効性と安全性を比較すること。
P:駆出率を低下させたまたは保存したHF患者が
I:トラセミドを服用するのと
C:フロセミドを服用するのとでは
O:死亡率
 心不全による再入院率、CVDの再入院率
 NYHA分類の改善
 安全性では低カリウム血症
 
Medline、Cochrane Library、Web of Science、およびGoogle Scholarのデータベース検索
5件のコホート研究またはRCTのメタアナリシス
 
結果
死亡率:OR 1.00、95%CI 0.58-1.72; P = 0.99; I 2  = 79%
HFによる再入院率:OR 0.79、95%CI 0.57-1.09; P = 0.15; I 2  = 64%
CVDによる再入院率:OR 0.83、95%CI 0.62-1.12; P = 0.22; 2= 40%
NYHA機能クラスの改善:OR 1.44、95%CI 1.18-1.76; P = 0.0004; I 2  = 0%
カリウム血症についてはアブストでは言及なし。
 
トラセミドがフロセミドと比較してHF患者のNYHA機能クラスの統計的に有意な改善と関連していることを示した。しかしながら、トラセミドはフロセミドと比較してHFまたはCVDの死亡率または再入院率の低下において有意な改善を示さなかった。
 
 
[まとめ]
アブストのみで、詳細がわからず吟味できないが、傾向は似ている。いずれも死亡率に差はなさそう。
NYHAクラスの改善はトラセミドでありそうだが、このアウトカムや再入院率のアウトカムはソフトエンドポイントとなるなら益があるとは言い難い。作用機序から低カリウム血症の発現に差があるなら、トラセミドを考慮する価値はありそうな。
ただ、もし、フロセミドからトラセミドに処方が変更になった患者が、なぜ変更になったのか思う時、上記の益の可能性があるかもしれないと心密かに納得するかな。。
 
ちなみに日本の診療ガイドラインでは次の記載あり。一部抜粋
慢性心不全におけるループ利尿薬のエビデンスはほとんど存在しない.この現象は,ループ利尿薬が EBMの時代が到来 するより前に日常診療に浸透してしまった経緯による.一 部のメタ解析の結果では心不全の予後改善に寄与するとの 報告もあるが ,大規模臨床試験のデータベースを用いた 後ろ向きの解析結果では,フロセミドを中心とするループ 利尿薬は生命予後悪化につながるとの結果であったその機序として,ループ利尿薬は低カリウム血症を惹起することにより,致死的心室不整脈ジギタリス中毒を伴うことや,交感神経,RAA 系を活性化するということが あげられる.
 
ちょっと疑問
先ほどの2件の論文はPICOのIとCが逆なのかな。NYHA分類のオッズのところでそう思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 

がんと感染症(発熱性好中球減少症)

もし、固形がんで化学療法を受けている患者さんから、38℃の熱が出たと電話連絡を受けたらどうしますか?
 
目標:
固形がんで化学療法を受けている患者の、低下する免疫について学ぶ。
発熱性好中球減少症のリスク分類について学ぶ。
低リスクに該当し、外来で経口抗菌薬治療となった場合の治療について学ぶ。
自分のやるべきことをまとめる。
 
次のサイトを参考に勉強してまとめます。
また、日頃経験することの多い固形がんについての感染症のリスクについて学んでみようと思います。
 
免疫不全の状態を4つ(バリア・好中球・液性免疫・細胞性免疫)のカテゴリーに分けて考える
 
原疾患(がん種)によって,または化学療法の方法などによって,低下する免疫が異なってくる。今回はどのような場合にどの免疫が低下するのか,すなわち「免疫の壁」が崩れてしまうのかについてのまとめ。
 
1.バリアの破綻
バリアとは,皮膚や消化管・呼吸器・泌尿器などの粘膜による防御システム。がんそのものによる浸潤や閉塞,手術,放射線療法,化学療法,カテーテル挿入などにより,そのバリアが破綻すると,本来,自分の体表面や管腔内にいる微生物が体内に侵入し,感染を引き起こすケースがある。
 
例として、中心静脈カテーテルにより皮膚のバリアが破綻し,皮膚に常在していた黄色ブドウ球菌カンジダカテーテル関連血流感染症を起こす。または,化学療法によって腸管粘膜のバリアが破綻して,腸管内に常在していた腸内細菌やカンジダがbacterial translocationを引き起こす。
 
症例(サイトから)
 58歳女性。腹膜播種を伴う進行性胃がんに対して積極的な治療は行わず,3週間前に中心静脈カテーテル(左鎖骨下静脈)を挿入し全身管理を行っている。今回,悪寒を伴う37.8℃の発熱あり。頭頸部,胸腹部,背部,四肢に明らかな異常なし。カテーテル刺入部にも発赤や疼痛は見られない。カテーテルと末梢から同時に採取された血液培養からはいずれもコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(Coagulase-negative staphylococci;CNS)が検出されたが,血液培養陽性時刻はカテーテルでは13時,末梢では17時であった。
CRBSIの診断 
①血液の定量培養:必ずカテーテルと末梢から同時に同量の血液培養を採取 
DTPカテーテルの血流培養は末梢よりも早く陽性(DTPが2時間以上)
2.好中球減少症
 
まず、
発熱性好中球減少症(FN)の定義は
●末梢血好中球数 
 500/μL未満,もしくは 
 48時間以内に500/μL未満となることが予  
 想される
●発熱 
 口腔温が38.3℃以上,もしくは 
 口腔温が38.0℃以上が1時間以上持続 
 (日本では腋窩温が37.5℃以上,もしくは口腔温が38.0℃以上)
MASCCスコアについて
 
 
★FNはリスク分類をして考える
 
 
好中球減少
MASCCスコア
がん種
起因微生物
低リスク群
500/μL未満<7日
21点以上
固形腫瘍
細菌感染症、バリアの破綻があればカンジタも。
中リスク群
7日<500/μL未満<10日
 
悪性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫
細菌感染症に加えて、HSV/VZV,
真菌感染症ではカンジタがメイン
高リスク群
500/μL未満が遷延する
21点未満
急性白血病、骨髄異形性症候群、同種造血幹細胞移植
細菌感染症、ウイルス感染症に」加えて、真菌感染症が増える。カンジタ、アスペルギルス、ムコール
 
症例(サイトから)
 58歳男性。胸部食道がんに対して抗がん剤フルオロウラシルとシスプラチンで外来治療中であり12日目。他に基礎疾患はない。本日38.6℃の発熱があり受診。全身倦怠感,軽度の嘔気と食欲低下があるものの,その他の症状はなし。ややぐったりしている。意識清明,血圧 118/68 mmHg,脈拍数 102/分,呼吸数 20/分,SpO299%。口腔粘膜やや乾燥しているが粘膜障害なし。その他,頭頸部,胸部聴診,背部,腹部,四肢,皮膚に明らかな異常なし。好中球250/μL。肝機能障害,腎機能障害は見られない。
 
 症例1は好中球減少が7日以内と想定される低リスク群の発熱性好中球減少症(FN)
 MASCCスコアは21点(中等症と脱水)。FNではReview of System(ROS)と緻密な身体所見が非常に重要だが,明らかな感染源がわからないことは往々にしてある。その多くが管腔や皮膚などバリアが破綻した場所からのbacterial translocationだと考えられている。今回も消化器症状があり,消化管に常在する微生物が関与している可能性がありそう。
 
 
CQ:重症化するリスクが低いFN患者に対して、経口抗菌薬による治療は可能か?
 
1)FN発症時に低リスクである確認が必須←ここ特に大事
次の論文を読んでみる。

癌化学療法と関連した熱性好中球減少症の外来患者管理:リスク層別化と治療レビュー

MASCCスコア、Talcott’s rulesで低リスクで、かつ、心血管、呼吸器、肝臓、腎臓、消化管などにリスク因子のない症例が対象となる。MASCCリスク指数は、感度および陰性適中率の点で優れていたが、特異性は劣っていた。誤分類率はTalcott分類の2倍だが、使用は簡単。
 
 
感度
特異度
LR+
LR-
タルコット分類
0.32
0.92
4.0
0.74
MASCCスコア
0.80
0.71
1.1
0.28
 
 
 
上記の論文では、MASCCスコア≧21で低リスクと分類された患者の最大11%、およびタルコットのグループ4の患者の7%で重篤な合併症が発症したことを示した。
これらの要素のいずれかが当てはまる場合、FNEに対する経験的療法の入院患者管理を推奨するとのこと。
 
いずれにしても、スコアだけでは、低リスク患者が重症化する恐れがある一定の割合であることを念頭において経過を見る、または、危険の少ない選択肢を取ることが肝要と思われる。
 
2)治療
経験的経口抗菌薬治療としては、シプロフロキサシン+アモキシシリン/クラブラン酸併用療法である。
用量;シプロフロキサシン 200mg  1日3回
   アモキシシリン/クラブラン酸 250mg/125mg  1日3〜4回
 
フルオロキノロンは単剤では推奨されないのか
・シプロフロキサシンはグラム陽性菌に対する抗菌活性が弱い。
・モキシフロキサシンは緑膿菌に対しての抗菌活性がやや弱く微生物学的な治療失敗率は2剤併用療法より高かった。(日本のガイドラインでは下記の論文をこのように記載)
上記論文ではMASCCスコア21点以上の低リスク群FNに対して,モキシフロキサシン単剤投与群と従来のシプロフロキサシン,アモキシシリン・クラブラン酸の併用群による前向きのランダム化比較試験が行われ,治療成功率や死亡率に差はないものの,モキシフロキサシン群で消化器症状が有意に少ないことが明らかに。(医学書院のサイトより)
台湾のコホート研究
アモキシシリン - クラブラン酸塩治療と比較して、アジスロマイシンおよびモキシフロキサシンの使用は、心室不整脈および心血管死のリスクの有意な増加と関連していた。 心室不整脈に対する調整ORは、アジスロマイシンが4.32(95%CI、2.95-6.33)、モキシフロキサシンが3.30(95%CI、2.07-5.25)、レボフロキサシンが1.41(95%CI、0.91-2.18)
 
再度この論文より
 
薬剤師の役割
FNの経験的治療が開始されると、薬剤師は患者の教育において重要な役割を果たすことができます。教育には、適切な保管、投与、および経口抗菌薬の一般的な有害作用だけでなく、治療を遵守することの重要性も含めるべきです。さらに、患者はフォローアップ計画を理解する必要があります。それには電話による連絡と診療所への訪問の両方を含み、医療施設への患者の即時帰宅を必要とする徴候と症状に対処する必要があります。
外来FN治療のフォローアップ段階では、薬剤師は集学的チームと協力して患者を監視するか、または共同診療契約を通じて独自に作業することができます。モニタリングには、治療反応、毒性、および順守に関する評価を含める必要があります。さらに、(培養結果に基づいて必要に応じて治療法を変更して)あらゆる培養の結果を監視することは、追跡調査ケアの重要な部分です。
 
[まとめ]
もし、固形がんで化学療法を受けている患者さんから、38℃の熱が出たと電話連絡を受けたらどうしますか?
・リスクを考察しながらも医師にその旨を伝える。なぜなら、リスク判定後、FNは内科的緊急疾患の一つであるため,診断から60分以内の広域抗菌薬投与が求められるからである。
・低リスクで外来での経口抗菌薬治療開始となったら、適切な時にフォローアップして確実な服薬の確認と、医師へのフィードバックをルーチンワークとして行う
 
今後に生かそう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
 
 
 
 
 

Oral toxicity associated with chemotherapy

CQ:化学療法に伴う口腔粘膜炎の痛みにはどうするのが良いでしょうか。
 
[日常のケア]
日常の口腔ケア - 確立された粘膜炎の患者のための、義歯の除去、非外傷性クレンジングを4時間ごとに実行する必要があります。口腔は食後にすすぎ、拭き取り、歯垢を取り除くために義歯を頻繁に清掃し、ブラッシングする必要があります。
 
[Analgesia:鎮痛]
次の論文を読む
癌患者における口腔粘膜炎管理のための基本的口腔ケアの系統的レビュー
 
次の7つの介入の比較: オーラルケプロトコル、デンタルケア、通常の食塩水、炭酸水素ナトリウム、混合投薬うがい薬ジフェンヒドラミンとリドカイン)、クロルヘキシジン、およびリン酸カルシウム
化学療法または放射線誘発粘膜炎の治療のための混合薬洗口剤の使用を支持する証拠はないと結論付けた。患者はジフェンヒドラミンとリドカインに関連した有害作用を持つかもしれない。
としているが、上記の論文のアウトカムがよくわからず、疼痛に対して、予防に対して、どの程度効果があるものなのか読んでもわからなかった。
 
アズノールキシロカイン混合のうがい液を使う場合が多いように思うが、痛みが強い場合のエビデンスのある方法はなんだろう。
 

✅頭頸部癌のための併用化学放射線療法後の粘膜炎関連疼痛に対する局所モルヒネの効果

→おそらく盲検化はされていないが無作為に割り付けられた試験
 
P:18歳以上の頭頸部癌患者
I:硫酸モルヒネの局所投与(水中0.2%、2 mg / mL、2分間15 mL、吐き出す)
C:粘性リドカイン、ジフェンヒドラミン、水酸化マグネシウムアルミニウムの混合物
O:重度の機能障害の期間、激痛の期間、痛みのスコア
モルヒネうがい薬のほうが重度の機能障害の期間が5.8日有意に短い。
激痛の期間が3.5日短い。
 
日本ではモルヒネのうがいは認められていないが、例えばオプソ内服液をブクブクしてから飲み込むというので激痛は取れるのではないか。
 
どうやら海外ではドキセピンリンスを使用できるらしい。
局所的なドキセピンリンス(0.5%)は、さまざまな癌治療による粘膜障害のある患者に臨床的に有意な疼痛軽減。
という論文もあれば
頭頸部放射線療法を受けている患者のうち、ドキセピンうがい薬またはジフェンヒドラミン - リドカイン - 制酸剤うがい薬対プラセボの使用は、投与後最初の4時間の間に口腔粘膜炎の痛みを有意に減少させた。しかし、効果の大きさは臨床的に重要な最小の違いよりも小さかった。
という論文も。何れにしてもこれは日本では使用できない
 
癌治療に続発する粘膜炎の管理のためのMASCC / ISOO診療ガイドライン
疼痛は全身性の経口または非経口の麻薬を必要とするほどかもしれない。モルヒネは、患者による鎮痛のための最初の選択のオピオイドとして推奨されている。患者が飲み込むことができるならば、経口経路が好ましい。飲み込めない患者に適しているもう一つの選択肢は、経皮フェンタニルである。
 
 
口腔ケアや、疼痛治療についてのエビデンス
静岡がんセンターの口腔粘膜炎ケアの冊子
EOCC口腔ケアガイダンス
消化器癌治療の広場
 
[まとめ]
痛みが強く、抗がん剤治療を継続できないことのないように、日常のケアのやり方を早期に伝えることが大切。
口腔粘膜炎が発症した場合、主科の他に歯科口腔外科を受診されている場合が多い。歯科口腔外科から麻薬が処方されることはほとんど見たことがない。(私は。ということです。)
主科から疼痛緩和のために麻薬が処方されることはあるが、こういった複数科を受診されている場合、口腔の痛みがうまくコントロールされないケースもあるように思う。
今、学んだことを生かしたい。そういえばエピシル口腔用液はどれくらいの効果あるのかな。
 
いずれ調べよう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
 
 
 
 
 
 

CCBによる末梢浮腫

実は、仮想症例から臨床推論!!という題名でキャス勉強会をしてみたのだが、それをまとめきれずに、各論に分けていくことにしたのである!!
 
仮想症例では、両側性の下肢の浮腫をきたした患者について、浮腫の鑑別から行ったのだが、今回は個別の疑問に分けたパート1として、CCBによる末梢浮腫について調べることにする。
 
★CCBで末梢浮腫はどのくらいの割合で発生するか
★CCBによる浮腫は服用後いつ頃起きるのか。
★CCBとACEi,ARB併用で浮腫はどの程度減少するのか。
 
 
カルシウムチャネル遮断薬に関連した末梢浮腫は、血管腔から間質への体液の再分布に関連している。理論的には、カルシウムチャネル遮断薬を介した血管拡張の増大は、毛細血管循環における圧力の増大およびそれに続く透過性をもたらす。
 
 
★CCBで末梢浮腫はどのくらいの割合で発生するか
 
プラセボに比べ、4週間で10%程度発生。
6か月継続で24%に増加
高用量のCCBで低用量より2.8倍高かった。
 
高血圧症患者におけるCCBを伴う末梢浮腫を報告する無作為臨床試験について、1980年から2011年1月までPubMed、EMBASEおよびCENTRALで系統的な検索が行われた。
高血圧症患者におけるCCBを伴う末梢浮腫を報告しているランダム化臨床試験のための1980年から2011年1月まで。CCB群の少なくとも100人の患者を登録し、少なくとも4週間持続する試験を分析に含めた。
対照/プラセボと比較した場合、CCB群で有意に高かった(10.7対3.2%、P <0.0001)
同様に、浮腫による離脱率は、対照/プラセボと比較してCCB患者において高かった(2.1対0.5%、P <0.0001)
浮腫の発生率および浮腫による患者の離脱率は、6ヵ月後にCCBがそれぞれ24%および5%に達する治療期間とともに増加した。
DHP患者の末梢浮腫の発生率は3と比較して12.3%であった
非DHPでは1%(P <0.0001)
高用量CCBの浮腫(通常の最大用量の半分以上と定義される)は、低用量CCBの浮腫より2.8倍高かった(16.1対5.7%、P <0.0001)
 
 
★CCBによる浮腫は服用後いつ頃起きるのか。
 
起こるとすれば服用後から起こる可能性があると推察する。
 
12人の健康なのボランティアにおいて、浮腫形成およびナトリウム排泄に対する20 mgのニフェジピン、150 mgのジアゾキシド、25 mgのカプトプリルおよびプラセボの効果を3時間研究した。
足容積は、ニフェジピンのみ有意に増加した。
 
 
★CCBとACEi,ARB併用で浮腫はどの程度減少するのか。
 
→CCB単独よりRAS系阻害薬併用の方が末梢浮腫は約38%低い発生率となる可能性。
 
17,206人の患者(平均年齢56歳、55%が男性)および平均期間9.2週間の25件のランダム化比較試験を分析した。カルシウムチャネル遮断薬/レニン - アンジオテンシン系遮断薬併用による末梢浮腫の発生率は、カルシウムチャネル遮断薬単独療法によるそれより38%低かった([RR] 0.62; 95%信頼区間[CI]、0.53-0.74)。
個別に、浮腫のリスクは、
CCB vs CCB+ACEi            54%低い(RR 0.46; 95%CI、0.37-0.58; P < 0.00001)
 CCB vs CCB+ARB              21%低い(RR 0.79; 95%CI、0.64-0.97;P =.02)
 
 
take home message
★CCBで末梢浮腫はどのくらいの割合で発生するか
プラセボに比べ、4週間で10%程度発生。
6か月継続で24%に増加
高用量のCCBで低用量より2.8倍高かった。
 
★CCBによる浮腫は服用後いつ頃起きるのか。
起こるとすれば服用後から起こる可能性があると推察する。
 
★CCBとACEi,ARB併用で浮腫はどの程度減少するのか。
→CCB単独よりRAS系阻害薬併用の方が末梢浮腫は約38%低い発生率となる可能性。
 
ところで、平成最後の日ということですが、私の毎日は特に変わらずです。淡々と過ぎていきます。これからも快進撃と行きたいところ。。
斜め上を目指していきましょう!

抗凝固療法にPPIを併用したほうが良いか

 
CQ:抗凝固療法にPPIを併用したほうがいいか。
 
 
抗凝固療法を受けている患者にPPIを併用したほうが良いかのコホート研究から
 
[デザイン]レトロスペクティブコホート研究
 
P:抗凝固療法を受けている患者(アブストのみで詳細の背景は不明)
 Apixaban, dabigatran, rivaroxaban, or warfarin 
E:PPI服用
C:PPI服用なし
O:上部消化管出血での入院
 
コホートThere were 1643123 patients with 1713183 new episodes of oral anticoagulant treatment included in the cohort 
年齢: 76.4 [2.4] years, 
性別:女性は56.1%
 病名:74.9%が心房細動
交絡因子:アブストには記載なし
 
結果:それぞれの薬物での結果の」記載あるが、全体的に
   incidence rate ratio [IRR], 0.66; 95% CI 0.62-0.69
 
★抗凝固療法では、PPIを服用したほうが上部消化管出血による入院を減らすかもしれない。
→ソフトエンドポイントであることと、患者背景の詳細がわからない、交絡因子がわからないので(読めない)断定はできない。
→初めからセットで併用というのもどうだろう。
→もう少し、リスク因子ありげな患者は併用などのデータないだろうか。
 
急性VTEの連続患者の進行中の登録であるRIETEからのデータを使用して、全患者の致命的出血の危険因子を評価した。
 
24395人の患者のうち、546人(2.24%)が重大な出血を有し、135人(0.55%)が致命的な出血を有していた。
消化管が最も一般的な部位(致命的出血の40%)であり、続いて頭蓋内出血(25%)が続いた。
致命的出血は、VTE診断時に以下の要因と独立して関連していた
年齢> 75歳(OR 2.16)
転移癌(OR 3.80)
寝たきり≧4日(OR 1.99)
過去30日間の内出血(OR 2.64)
異常プロトロンビン時間(OR 2.09)
血小板数<100 x 10(9)/L(OR 2.23)
クレアチニンリアランス<30 mL /min (OR 2.27)
貧血(OR 1.54)
遠位深部静脈血栓症(OR 0.39)
 
★消化管出血に特有のその他の危険因子には以下のものがあります。
 
●消化管腫瘍
●胃静脈瘤または食道静脈瘤
●胃炎
●アルコール過剰
●抗血小板薬、特にアスピリン
●消化管上皮に影響を及ぼす化学療法剤
●消化管出血の既往
 
癌患者の静脈血栓塞栓症に対する予防のためにDOACを試験した試験のいくつかでは、消化管出血のリスク増加は少なくとも消化管腫瘍の存在によるもの。
 
 
こちらの論文は以前ブログでも勉強した。
Apixaban to Prevent Venous Thromboembolism in Patients with Cancer.
CQへの考察
→日本の深部静脈血栓ガイドラインでは、上部消化管出血のリスクに対してのPPI併用についての記述はなかった。
→上記の7つの危険因子が考えられる場合、PPIの併用を考慮してもいいかもしれない。
 
さあ、明日からまた月曜日!ぼちぼちいきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
 
→例えばDAPT、抗凝固療法併用の場合はPPIの選択を間違わないようにしなければいけない。
 
最後までお読みいただきありがとうございます。
明日からまたぼちぼちいきまっしょい