ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

アンとダイアナ

「聞こえる?聞こえてる?」

 

キャスの向こうからかすかな彼女の声が聴こえた。初めて聞いた彼女の声は、とても可愛らしい声だった。そして、二人で涙を流した。

 

私たちはツイッターで知り合った。お互いに似た境遇だったのでとても離れたところに住んでいるが、励ましあったり、お互いの出来事を喜び合ったり。

 

LINEでも交換して、電話でもすれば良いのに、お互いの生活が忙しくまた、ちょうどいい距離感がツイッターだったのだ。

ある時、そうだ!キャスなら声が聞けるかもしれない。と思い立ちはじめてみたのだ。

私たちは遠い将来、温泉に一緒に旅行することを約束している。今や、もう少しあとというわけにはいかないのだ。それを望むことはむしろ、彼女が悲しむことを待ち焦がれることになるかもしれないからだ。

 

だから、温泉旅行に一緒に行こうという約束は、遠い遠い、かなうことのない約束なのかもしれない。

彼女は私なんかよりも数万倍も頑張り屋さんだ。そんな彼女の口元に可愛らしいえくぼが浮かぶのが嬉しいのだ。

 

アンがダイアナの黒髪とその人柄を崇拝しているように、私もまた私のダイアナが、頑張り屋さんで、笑顔の素敵な人であることが嬉しい。

 

温泉旅行はいけなくても、あなたの街に必ず会いに行くよ。

 

「はじめて声聞けたー。そう、こういう声なんよ〜」

彼女の方言と、可愛らしいながらも落ち着いた癒される声だった。

私はいつまでもこの街で待っているよ。

今日もお疲れ様でした。

 

 

症例119 乳がんにおけるパルボシクリブの特性

★症例119からまとめ
 
パルボシクリブはサイクリン依存性キナーゼ4、6阻害作用を有する。
骨髄抑制に関連する事象が高頻度に見られ、初回投与から発現までの期間中央値は15日間。
 
グレード3、4の好中球減少症の発現頻度は90%程度であるのに対し、FNの発現頻度は3%
 
従って、G-CSFの1次予防的投与にあたらない。
 1次予防的投与はFNの発生率が20%以上である場合に推奨されている
 
閉経後のエストロゲンレベルの生理的低下は、骨粗鬆症(低骨ミネラル密度[BMD])および骨折のリスクの増加につながり、このリスクは乳癌およびその治療によって悪化する可能性がある。
 
最近の研究では、一般集団と比較して、乳がん患者の骨折および股関節による入院の骨折発生率比は1.25(95%CI:1.23–1.28)および1.18(95%CI:1.14–1.22)であったことが報告された。これらの比率は10年間にわたって大幅に増加した。
ロマターゼ阻害薬を服用している女性は、タモキシフェンを服用している女性と比較して骨折のリスクが高くなった(HR 1.48; 95%CI:0.98–2.22)
さらに、骨折のために入院した乳癌患者は、骨折していない患者と比較して、死亡リスクが高い。(HR 1.83; 95%CI:1.50–2.22)
 
 
薬剤による予防・治療は、骨折リスクが高いことが予測される患者群に推奨される。骨折リスクの具体的基準は,ほとんどの試験で骨塩量の変化を評価項目としており,T-scoreが-2.0以下をハイリスクと定義する報告が散見される。しかしその投与基準については世界各国のグループがそれぞれにガイドラインを示しており統一された基準はない
 
 
 
 
次の危険因子のいずれか2つでAI療法を開始または受けるすべての患者は、再吸収抑制療法を受ける必要がある。
Tスコア<-1.5、年齢> 65歳、低BMI(<20 kg / m 2)、股関節骨折の家族歴、50歳以降の脆弱性骨折の個人歴、6か月を超える経口コルチコステロイド使用、および喫煙歴または喫煙歴。
 
Tスコアが2.0未満のAI療法を開始または受ける患者は、他の危険因子の有無に関係なく、吸収抑制療法を受ける必要がある。現在のエビデンスに基づいて、皮下デノスマブ(60 mgを年2回)および静脈内ゾレドロネートがAIBLの予防と治療に好ましい。
 
経口ビスホスホネートの場合、リセドロン酸35 mg /週がビスホスホネートであり、AIBL予防のエビデンスがある。経口ビスホスホネート療法を受けているすべての患者では、BMDを監視し、1〜2年ごとにコンプライアンスを評価する必要がある。
コンプライアンスが不十分な場合、または1〜2年後に不満足なBMD変化が生じた場合は、デノスマブまたは静脈内ビスホスホネートへの切り替えが推奨される。
 

経口分子標的抗がん薬のTDMの講義からまとめ

 

経口分子標的抗がん薬のTDMの講義からまとめ
 
 
血中濃度と治療効果が相関している。
イマチニブの優れた効果にもかかわらず、治療の失敗または最適以下の反応の症例が報告されている。
イマチニブの血漿レベルが低すぎると、完全な細胞遺伝学的効果(CCR)または分子遺伝学的効果(MMR)を達成するには不十分である可能性がある。この仮説を検証するために、CML患者のトラフのイマチニブ血漿レベルを測定し、標準用量のイマチニブに対してCCRまたはMMRの達成との関連を調査した研究。
濃度効果のROC曲線から、トラフのイマチニブレベルの効率的な血漿閾値をin vivoで1002 ng / mL以上に設定する必要があることを示唆している。
 
 
✅イマチニブの血中濃度とAEとは関連がある。
Day29のイマチニブのトラフ濃度とAEの頻度との間の関連性は、AEのタイプに依存すると予測。トラフ> 3180 ng / mLでは、治療の最初の3か月以内に観察されるすべてのグレードの好中球減少、貧血、および白血球減少の頻度と関連していた。
グレード3/4の非血液学的AEはまれであり、Day29のイマチニブのトラフ濃度との主要な関連は観察されなかった最初の3ヶ月以内に、すべてのグレードの発疹、すべての原因の浮腫、吐き気、下痢、嘔吐、関節痛、筋肉痛、および四肢の痛みの頻度と関連していた。
 
✅イマチニブはアドヒアランスが悪いとMMRを達成できない可能性がある。
イマチニブで数年間治療されたCML患者では、適切な分子反応が得られない主な理由は、アドヒアランスが低いことである。
遵守は、CMR(分子遺伝学的完全寛解)の唯一の独立した予測因子だった。アドヒアランスが80%以下の場合、分子応答は観察されなかった。イマチニブの投与量を増やした患者のアドヒアランスは不良だった(86.4%)MMRを達成できないという唯一の独立した予測因子がアドヒアランスだった。(RR:17.66; P = .006)
 
✅胃酸抑制薬の同時使用は、EGFR変異を有する進行したNSCLC患者のエルロチニブおよびゲフィチニブの有効性または毒性に影響しなかった。
プロトンポンプ阻害薬ヒスタミン2受容体拮抗薬は、胃のpHを上昇させ、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼ阻害薬であるエルロチニブとゲフィチニブの吸収を低下させる可能性がある。
2008年から2011年まで、EGFR変異を有する進行性非小細胞肺癌130人の連続した患者が、当施設でエルロチニブまたはゲフィチニブで治療された。患者の臨床的特徴をレビューし、エルロチニブとゲフィチニブの有効性と毒性をASを受けている患者と受けていない患者について比較した。
胃酸抑制薬服用グループと非服用グループでは、ORRは64%と63%(P = .92)PFSの中央値はそれぞれ8.7か月と10.7か月(P = .13)
2つのグループ間でORRまたはPFSのいずれにも有意差は認められなかった。毒性に関しては、発疹の頻度(83%対86%; P = .60)と下痢(34%対29%; P = .55)の頻度は両方のグループで類似。多変量解析により、ASの使用はPFSまたはOSの重要な要因ではないことが確認された。
 
✅ダサチニブはファモチジンと服用タイミングをずらすことでAUC減少率への影響を少なくすることができる。
ダサチニブの2時間後にファモチジンを投与する場合、ダサチニブへの曝露はダサチニブの単独投与と同様である。
 
●まとめ●
ゲフィチニブ、エルロチニブ、セリチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、パゾパニブにおいては、血中濃度の変動と、治療効果、副作用発症との関連は明らかではないが、血中濃度低下は治療効果に影響する可能性があるため、影響の少ない投与方法を工夫する必要がある。
[月間薬事 2019.3]より抜粋
 
このような相互作用の影響は、添付文書のみからでは推測できないので、常に自分でまとめておくなりしておいたほうが疑義照会の時間も短縮できるので良いと考える。
 
 

薬トレ症例10〜★ビソプロロールは慢性心不全増悪時は中止し、症状が改善してから再投与すれば良いのか

★ビソプロロールは慢性心不全増悪時は中止し、症状が改善してから再投与すれば良いのか
 
引用文献がなかったので探してみた。
 
ADHF入院患者のベータ遮断薬の中止は、院内死亡率、短期死亡率、および短期再入院または死亡率の複合エンドポイントの有意な増加と関連していた。
 
この研究は、急性非代償性心不全(ADHF)におけるベータ遮断薬の離脱の影響を評価しようとしたもの。
【吟味】
●出版バイアス
 EMBASE, PubMed, and COCHRANE from January 2000 through January 2015. 
英語のみ
reference lists from the identified articles and www.clinicaltrials.gov to identify other articles.
出版されていないのも探している風。
試験の数が少なくてファンネルプロットによる検討は行っていない。
→英語のみであるしないとは言えない
 
●評価者バイアス
データ抽出は4人のレビューアで行い、意見の相違は議論によって解決。
バイアスの評価は二人の独立したレビューアで行っている。
→まずまず問題なし
 
●元論文バイアス
RCT 1つ
観察研究 3つ
バイアスの評価は、Downs and Blackのチェックリストで行っている。
 
●ごちゃ混ぜバイアス
I^2は計算されている。
 
【結果】
院内死亡率
RR:3.72、95%CI:1.51〜9.14
2 = 0%)試験数 2
短期死亡率
60〜180日にわたる追跡調査による短期死亡率
(RR:1.78; 95%CI:1.13〜2.79)
(I 2 = 16.1%)試験数 3件の観察研究
(RR:1.61; 95%CI:1.04 to 2.49)
3件の観察研究と1件のRCT
RCTでは有意差なし。
短期の再入院または死亡率
(RR:1.84; 95%CI:1.08 to 3.1)
(I 2 = 68%)
 
注意すること
ADHFにおけるベータ遮断薬の有益な効果に関する解釈は、ベータ遮断薬を中止した患者が血行動態が不良な末期心不全患者であったことである可能性がある。
入院中に患者が代償を失い、病気の重症度のためにベータ遮断薬が中止された可能性を排除することはできない。
考察:
観察研究を含むメタ分析で、上記の「注意すること」を考えると、この論文のみからは、慢性心不全増悪時にベータ遮断薬を継続することを強く推奨できるか不明だが、傾向はあるかもしれない。
 
急性代償不全中の慢性心不全患者の短期転帰に対するベータ遮断薬治療中止の効果を評価する。
観察研究
スペインのレジストリから
主要エンドポイント:院内死亡率
調整は年齢、性別、左室駆出率、慢性閉塞性肺疾患、心拍数(HR)、およびベータ遮断薬のタイプ(カルベジロール/ビソプロロールによる層別分析)で行われた。
ベータ遮断薬中止で院内死亡率が高く(5.5対3.0%; p  <0.05)30日間死亡率(8.7 vs 4.5%; p  <0.01)も高い。
明確な禁忌がない場合は、すでに自宅でベータ遮断薬を投与されている患者のAHFエピソード中にベータ遮断薬治療を維持する必要がある。
 
傾向は一つ目の論文と同じ。
 
まとめ:
一つ目は観察研究とRCTのメタ分析、二つ目は観察研究からの結果だが、傾向は一貫している。
慢性心不全の急性増悪時にはベータ遮断薬を中止せず、継続投与が望ましい。
 
あけましておめでとうございます。
今年は目標も別にありますが、できる限り論文情報を自分でまとめたいと思います。
薬トレをベースにしていこうかな。他にもがんの勉強もしたいし、やりたいことだらけ。。
効率を重視していきたいと思います。
 
本年もよろしくお願いいたします。
 

目標達成できたかな?

目標は諸々あり、達成できたものもあればできなかったものもあったり、はたまた目標以上にできたものも。。
新たな目標も生まれました!!二兎を追う者は一兎をも得ずと言いますが、平行して進めなければならない時もあるし、リスクを分散するためにもアンテナをたくさんはるためにもあえて的を絞らずに行こうと思います。
 
◉スピーディに情報を検索して活用できるようになったのか
昨年、EBM教育回診を見学させてもらって、様々なツールからサクサク検索する様を勉強いたしました。
そして、頑張って節約して、uptodateを契約してみました。
 
今年後半になってからようやく、薬歴ソフトの裏にuptodate、pubmedを開いておいて情報を得るというのが定番になってきました。
職場で契約しているようなところだと当たり前の環境なのかもしれませんが、私たちにはなかなか難しいです。
uptodateは見ない日がないくらい見ていますし、CQが解決したり、解決の糸口が見つかったり、引用文献にすぐにアクセスできたりと、本当に役立っています。
もちろん、すべて解決できるわけではないのでその時は、pubmedやこれまで他先生からご紹介されていた方法で検索を試みます。
 
最近では
造影剤腎症発症予防に炭酸水素ナトリウム液投与は推奨されるか?
イソトレチノインとうつ病および自殺の関係は?
・化学療法と目の副作用レビュー
・CKDの患者の骨粗鬆症の治療は?
・慢性心不全の患者は、水分量を制限するべきか?
原発性アルドステロン症まとめ
・SVTの患者さんは抗凝固療法を行うべきか?
・がんの部位が消化管である場合のVTE治療は?(薬物動態)
・CHFにトラセミド、フロセミドどちらが良いか?
・SGLT2阻害薬によるフルニエ壊疽のリスク因子は?
 
などなどで活用しましたヨ。
さあ!来年もフルスロットルとは行かないまでも、3歩歩いて2歩下がるまではいかなくとも(え。。)
ナナメウエを見て進んでいこうと思います!
 
それではまた
 

ビジアブ!!

ビジアブで読み解く!
薬剤師の仕事に役立つ臨床論文 50 菅原 鉄矢著
ビジアブで読み解く! 薬剤師の仕事に役立つ臨床論文50 
 
先日、上記の本を購入して楽しみに読み進めています。こちらの著者のブログは以前から拝見していましたが、なかなかに緻密で、とても勉強になりますが読み進めるのがツライ(すみません)時もありました。
 
が!
 
こちらの書籍を発売され、拝見すると、これまで自分でも論文の吟味をえっちらおっちらしていたのですが、ビジアブにすると、とてもわかりやすく、また吟味するポイントがもれなく吟味できることに気づきました。
次にビジアブで、個人的に気に入っているところをご紹介いたします。
 
★主要評価項目が真っ先に書いてある。
 いつも吟味する時はPECOの順番に記録するので、まずアウトカムをバーンと書くのは気持ちいいなと思いました。
 
★Pでは組入れ基準と除外基準が一目でわかる。
 除外基準にはばってんが付いているので、こうして書けばわかりやすいんだなと思います。
 トップジャーナルでもビジュアルアブストラクトは最近使われていますが、この手法はオリジナルなのではないでしょうか。
 
★EとCのところでは観察期間、脱落が記載されているので脱落が多かったのかわかりやすい。
 同じようなフロー図は論文中でも記載されている場合があるが、色彩や文字の反転をしていることでこんなにわかりやすくなるのですね。
 
★引用されている文献、書籍、ガイドラインのラインナップが豊富。
 いかに、幅広く著者が勉強されているかわかりますね。だから、ブログがあんなにも緻密に見えるんですね。
 
・ちょっとした希望ですが、VASなんかのアウトカムで、MCIDの記載もあれば嬉しいかななんて思いました。(自分で勉強しろってことですよねー)
・個人的には、ゾピクロンとエスゾピクロンのところp205,最後の患者さんへのちょっとしたアドバイスが気に入ってるところです。
 
 
ここからはディテール好きな私の感想。。
★本文のフォントがやさしい
本文の文字の大きさはそんなに大きくないのにとても読みやすいフォントだと思います。
段落の間が空いているのもホッとしますね。
 
★PMIDの番号が反転してあるのが素敵!
よく見ると、その前の論文情報の文字の大きさより小さいのに、反転してあるだけでとてもわかりやすいです。
 
★ホッとするイラスト!
点耳薬のところのイラストなんか、シナリオ通り、二人のお子さんが描かれていて、じっとしてくれない感じが伝わってきます。
本のカバーを外すと、文中のイラストが勢ぞろいするところが気に入っています。
 
とまれ、読めば読むほど、自分の不勉強さが際立ってしまいますが、少しでも近づけるように精進したいです。
ありがとうございました。
 
 
 
 

腎機能推測のピットフォール

日頃、腎機能を推測するのに、苦慮するので月間薬事2019 10月号をよーく読んでまとめてみた。
 
●基本
腎機能が安定して正常値の患者では
GFRの最大値は100mL/min
Ccrの最大値は120mL/min
 
★Cr値が正常、高値でも筋肉量の低下の影響はある
60-100mL/minの間と推測されたなら
→筋肉量が低下していることが明らかに疑われるなら、腎機能が低い方向に少し幅をもたせて評価
→患者個々の腎機能の上限を見積もる
 
★推算式の弱点からヒントを得る
たとえCKD患者であっても基本的には個別化eGFR<eCCr (Crは尿細管分泌されるため)
もし個別化eGFRの方が高かったなら、すでに腎機能評価の上で、スペシャルポピュレーションと言える。
なのでそのように乖離があり、かつ、目的とする腎排泄型薬剤の過量投与がどれほどハイリスクなのかにもよるが、一般的に言われる
「腎排泄型薬剤の添付文書におけるCCrを個別化eGFRに置き換えて投与設計する」
と言うやり方は、場合によっては当てはめられないということになる。
 
メモ:
eGFR(個別化)≒cCCr(酵素法)x0.789 (若者のみ)
                         ≒cCCr(ヤッフェ法)
腎機能低下時は変換しなくても近い値になる
 
 
★腎クリアランス以外の患者背景からヒントを探る
腎機能障害の進行とともにさまざまな合併症が現れる。
腎性貧血、代謝性アシドーシスなど
代謝性アシドーシスの鑑別を目的とした静脈血ガス分析の追加は、CKDステージ4から定期的に行うことが推奨
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン
→CKD進行に伴う、代謝性アシドーシスを合併している場合はCKDステージG4,つまりGFR 30ml/minまで低下している可能性を考慮
 
添付文書の腎機能表記のピットフォール
⭕️事例1
80歳 女性
【身体所見】身長147cm 体重 39Kg
【血液検査】血清Cr値 1.0mg/dL
3年前に脳梗塞から車椅子生活→胸部不快感、動悸→入院精査後、心房細動→ダビガトラン処方に。
 
ダビガトランの添付文書から
軽度:50<CCr(mL/min)<80        1回150mg1日 2回
中等度:30<CCr(mL/min)<50  1回110mg1日 2回
高度:<30mL/min                  禁忌
 
解説
ダビガトランの添付文書の腎機能別投与設計がヤッフェ法なのか酵素法なのか明記されていない
そこで、次の2パターンで考える
1.eCCr(ヤッフェ法)
個別化eGFRで評価:29.9mL/min
2.eCCr(酵素法)
そのまま評価:27.6mL/min
 
→禁忌を考慮する値であった。
  
✅添付文書の腎機能別投与量がeCCrなら、まずは両方で(ヤッフェ法=個別化eGFR、酵素法によるeCCr)算出し評価するのがより安全!
 
 
添付文書の腎機能別投与量表記
 
 
標準化eGFR
mL/min/1.73㎡
eCCr(ヤッフェ法 mL/min
eCCr(酵素法) mL/min
標準化eGFR
mL/min/1.73㎡
そのまま適応※
個別化eGFR
eCCr(酵素法)
そのまま適応
※体格が極端に標準から外れていれば体格補正を考慮
 
✅添付文書の腎機能別投与量がeGFR(mL/min/1.73㎡)で表示されているが、極端に標準から外れている体格の患者に使用するときは、基本的に、標準化、個別化両方の値を考慮した上で判断。
 
→ここ大事。実際に日本人の体表面積の範囲では(1.2-2.2㎡)では、標準化eGFRと個別化eGFRの差の範囲は0.7-1.3倍であることも忘れない。
 
 
✅極端に過量投与、過少投与にならないこと。ただしハイリスク薬や標準体型から極端に外れている患者では厳密に管理
 
例)投与量変更付近の場合
→重症感染症など生命に関わる病態などの治療薬なら投与量を多い方に
→慢性疾患、病状が安定した疾患の治療薬で副作用の危険性が高いなら投与量を少ない方に。
 
⭕️事例2(肥満)
肥満とはBMI>25kg/㎡
CG式における体重は、体内でCrを産生する臓器である筋肉量の指標を意味する。
肥満患者は非肥満患者に比べ相対的に筋肉量が少ないため、実体重を用いると過大に見積もることになる。
ただし、明らかに過体重でもその前にチェック
✅高度な浮腫状態ではないか
浮腫の鑑別の勉強は以前勉強したので割愛。 
血清アルブミン値やナトリウム値を確認する。
 
70歳 男性
【身体所見】身長160cm 体重 76Kg
【血液検査】血清Cr値 1.07mg/dL
10年以上前から2型糖尿病 メトホルミン服用中。普通の生活を行っている。自立。
メトホルミンは標準化eGFRで規定されている。
標準化eGFR 53.22mL/min/1.73㎡
 
患者の体表面積は1.79㎡なのでそのまま解釈してメトホルミンの最大用量をチェックする。
 
⭕️事例3
80歳 女性
【身体所見】身長140cm 体重 60Kg
【血液検査】血清Cr値 0.61mg/dL
胃がん S-1術後化学療法 自立 通常の生活を送っている
BMI 30の肥満に該当するので補正体重で計算
ヤッフェ法 CCr  51.75mL/min
酵素法       38.97mL/min
S-1の発売年からヤッフェ法でのCCrで規定されていると判断。
上記表からヤッフェ法での時は個別化eGFRで置き換えても良いとのことから二つの値を比較する。
eGFR 59.58mL/min
50-60の間ではないかと推測、他副作用や、患者の状態も合わせて考えるが腎機能からは1段階の減量で良い。
 
 
ラウンドアップ法のピットフォール
・基本
腎排泄性薬物の過量投与を避けるために日本だけでなく国際的に行われる手法だが有効性について、科学的根拠はない。
ラウンドアップ法は安全性を重視していて有効性は軽視されている。
 
✅血清クレアチニン値が低値の時に推奨されるのは、
 24時間蓄尿による実測クレアチニンリアランス、または、血清シスタチンC値による推算糸球体濾過量を使った腎機能評価である。
 
✅腎排泄性ハイリスク薬を投与する時に上記二つが使用できない時にラウンドアップ法が用いられることがある。
✅CG式は加齢に伴って血清Cr値が上がらなくても(低値であっても)腎機能が過大評価されにくい式である。
 CG式を作成するための対象者に加齢に伴って、腎機能が低下しサルコペニアも進行した患者が多く含まれていたから。p63より
 
ラウンドアップ法を使う時にまず!!
筋肉量減少の影響を見積もる。
バーセルインデックスや、FIM(機能的自立評価法)で身体機能評価を見積もる。
薬局ではサルコペニアの診断基準よりバーセルインデックスが使いやすいかも。
閾値は60点(完全自立と部分自立の境目)60点以下だと、身体活動度の低下に伴った筋肉量減少を考える。
 
バーセルインデックス
 
✅eGFRは血清クレアチニン値が正常、または高値の人の推算には優れるが、低値(サルコペニア)の腎機能推算には適さない。
 
どうしてこんなに複雑に絡み合っちゃったのかと思いますが少しはすこーしは整理できたかな。
間違いあればご指摘ください。