ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

偽アルドステロン症を疑ったら。。

偽アルドステロン症を疑ったら。。
重篤疾患別副作用対応マニュアルより整理してまとめた。
 
●副作用の判別基準(判別方法)
医薬品の服用に伴い、低レニン低アルドステロン血症とともに血圧上昇や血カリウム低下が生じ、これらが原因医薬品の中止により正常化した場合に、 医薬品の副作用としての偽アルドステロン症と診断される原因医薬品中止 後も数週間は、症状と臨床検査値異常が残存することに留意すべきである。な お、血圧上昇は必発ではない
●判別が必要な疾患と判別方法
カリウム血症を伴う高血圧症を呈する疾患との判別が必要である。
✅ カリウム血症の鑑別診断としては、まず、尿中カリウム排泄量を測定する。
1)尿中カリウム排泄量<30 mEq/日
食事摂取量低下、下痢などによる腎外性カリウム喪失、以前の利尿薬使用などによるカリウムの欠乏、あるいは、インスリン甲状腺ホルモン、β刺激薬、アルカローシスによ るカリウムの細胞内移行などが原因と考えられる。
2)尿中カリウム排泄量>30 mEq/日
腎性のカリウム喪失を意味する。
→2)なら次に
✅PRA,PAC の測定を行う

 

PAC:アルドステロン基準値:臥位 29〜159 pg/mL、立位 38〜307 pg/mL
PRA:レニン活性基準値:早朝臥位 0.5〜2.0 ng/mL/hr

 

 1)高 PRA 高 PAC 
利尿薬の使用、腎血管性高血圧症、悪性高血圧症、 塩分喪失性腎疾患、エストロゲン治療などが原因と考えられる。
2)低 PRA 高 PAC 
副腎腺腫あるいは副腎過形成による原発性アルドステロン症、グルココルチコイド奏効性アルドステロン症などが考えられる。
3)低 PRA 低 PAC
広義の偽アルドステロン症と考えられ、原因となりうる医薬品の使用の有無を確認する。クッシング症候群の除外も必要である。更なる判別のためには、血漿 DOC 測定が有用である。
 
血漿 DOC 測定
血漿DOCとは:
昇圧作用をもつ鉱質コルチコイド。コルチコステロンやアルドステロン過程の中間産物である。
M 0.08~0.28 /F 0.03~0.33 ng/mL
1)血漿 DOC 正常
薬剤性の偽アルドステロン症、Liddle 症候群、 AME 症候群などを疑う。
 
2)血漿 DOC が高値
先天性副腎皮質過形成(11 β-hydroxylase 欠損症では尿中 17-ketosteroid (KS)排泄量上昇、17α -hydroxylase 欠損症では尿中 17-KS 排泄量低下)や DOC 産生腫瘍(尿中17-KS 排泄量正常)が疑われる。
 
●まとめ
薬剤性の偽アルドステロン症を疑った時の判別の手順をまとめてみた。
尿中カリウム排泄量が30meq/日より多かったら、PRA,PACを測定。いずれも低値なら血漿DOCを測定して確定する。

勉強メモ・・甲状腺機能低下症の症状、診断について

【背景】
甲状腺の薬を処方されている患者は、検査数値だけで診断するものなのか。他症候があるとしたらその、感度、特異度はどの程度なのか調べてみる。
 
uptodateの甲状腺機能低下の診断の項よりサマリ
 
甲状腺機能低下症の診断は、基本的にラボデータから。
甲状腺機能低下症の症状のある患者は、TSHをまず測定するべきです。
TSHの値が上がったなら、診断のためにTSHとT4の値を測定します。
 
If the repeat serum TSH value is still high and the serum free T4 is low, suggesting primary hypothyroidism,replacement therapy with T4 should be initiated. 
 
甲状腺機能低下症を疑う症状
finding
感度
特異度
LR+
LR-
冷たく乾いた肌
16%
97%
4.7
0.9
徐脈
29-43%
89-98%
4.2
0.7
甲状腺の拡大
46%
84%
2.8
0.6
深部腱反射の遅れ
48%
 
86%
3.4
0.6
hypothyroid speech
37%
93%
5.4
0.7
evidence-based physical diagnosis より抜粋
 
他、Billewicz スコアについても理解しておくべき(割愛)
 
【まとめ】
特異度が高い症状が多いと感じました。
処方せんを持参された時にはもう診断がついていますが、診断方法、症状とその感度、特異度を理解しておくことは大切と思います。

CQ.SVTの患者さんは抗凝固療法を行うべきか。及び継続するべきか。

 
まずは、SVTの種類、発生頻度、予後を把握することで、その後の治療が必要なことなのか調べていくことにする。
uptodateから次のレビュー論文を見つけたので読んでまとめた。
 

How I treat splanchnic vein thrombosis

 
 
●SVT(内臓血栓症)の発生頻度
PVT、MVT、脾静脈血栓症、およびBudd-Chiari症候群(BCS)が含まれます。
BCSは最も頻度が低い。
推定発生率は1年間に100万人あたり0.5-1。
PVTおよびMVTの発生率は、0.7-2.7 / 10万人年の範囲と報告されている。
 
●問題となっていること
内臓静脈血栓症(SVT)の抗血栓治療は臨床課題です。血栓症の部位に応じて、患者は肝不全、門脈圧亢進症、または腸梗塞を発症する危険性があり、内臓静脈および他の静脈の両方で再発を経験する可能性がある。再発を防ぐために、抗凝固療法は診断後できるだけ早く始めるべきであり、しばしば無期限に続けられます。しかしながら、活発な出血はSVT診断の時点ではまれではなく、食道静脈瘤または低血小板数などの出血の主な危険因子がこれらの患者に頻繁に見られます実際の臨床診療では、抗凝固療法に伴うリスクがその恩恵を上回ると考えられるため、SVT患者の一部は未治療のままにされています。しかしながら、患者の大多数は、開始、薬物の選択、および投与の時期が異なる、抗凝固薬を投与されています。これらの患者では無作為化対照試験が実施されていないため、治療の決定を推進する証拠は限られています。
 
●危険因子
BCS(バッドキアリ症候群):血液疾患、自己免疫疾患、およびホルモン療法の使用はBCSの最も一般的な危険因子.
経口避妊薬、ホルモン補充療法、妊娠、および産褥として性別固有の危険因子は、BCSの病因に特に関連している。
 
PVT(門脈血栓症) / MVT(腸間膜静脈血栓症):肝硬変、腹部癌、腹腔内炎症状態、および手術はPVT / MVTの最も一般的な危険因子です。
 
 
●SVTの予後
主に疾患の部位と拡大、そして根本的な疾患の存在にかかっています。
SVT:
In a single-center inception cohort study of 832 patientswith SVT at any anatomic site, the 10-year survival rate was 60%(95% CI not reported), and older age, active cancer, and MPN were independent predictors of mortality.5 Patients with isolated PVT had the lowest survival rate, whereas patients with isolated hepatic vein thrombosis had the highest rate. 
 The cumulative incidence of recurrence at 10 years was 24%, and the annual incidence of major bleeding events was 6.9/100 patient-years. Gastroesophageal varices and warfarin were independent predictors of bleeding.
上記論文より
・単施設の報告だがSVT患者の10年生存率は、60%。
・PVTで短く、肝静脈血栓症で生存率長い。
・年齢、がんの活動性、MPN(骨髄増殖性腫瘍)が死亡率の独立予測因子。
10年での再発の累積発生率は24%であり、主要出血事象の年間発生率は6.9 / 100人年。
・出血の独立した予測因子は、胃食道静脈瘤とワルファリンである。
 
●BCSの予後
Two large studies have reported mortality rates in patients with BCS. In a multicenter chart review of 237 patients with BCS, overall survival at 1, 5, and 10 years was 82% (95% CI, 77%-87%), 69% (95% CI, 62%-76%), and 62% (95% CI, 54%-70%), respectively. Encephalopathy, ascites, prolongation of the prothrombin time, and elevated bilirubin were independently associated with poor prognosis.In a multicenter study of 163 consecutive cases of patients with BCS, the survival rate was 87% (95% CI, 82%-93%) at 1 year and 82% (95% CI, 75%-88%) at 2 years.7 The frequency of recurrent thrombosis or major bleeding was not reported in these studies.
上記論文より


●PVT予後
3つのコホート試験の結果より
1)In a retrospective cohort studyof 173 patients with PVT followed-up for a median of 2.5 years,
 the overall survival was 69% (95% CI, 61%-76%) at 1 year and 54% (95% CI, 46%-62%) at 5 years.These rates were 92% (95% CI, 86%-98%) and 76% (95% CI, 66%-86%), respectively, after the exclusion of patients with cancer or cirrhosis.
Age, bilirubin, cirrhosis, and malignancy were significant predictors of mortality in multivariate analysis.
2)In a retrospective cohort study of 136 patients with nonmalignant, noncirrhotic PVT, 84 of whom received some form of anticoagulant therapy, theincidence of thrombotic events was 5.5/100 patient-years (95% CI, 3.8-7.2), 
 the incidence of any gastrointestinal bleeding was 12.5/100 patient-years (95% CI, 10-15). 
Large varices predicted bleeding events,whereas the presence of an underlying prothrombotic state as well as the absence of anticoagulant therapy were associated with an elevated risk for recurrence.
・ In a prospective cohort study of 102 patients with PVT without cirrhosis or solid cancer, 95 of whom were receiving anticoagulant therapy, 
the 1-year recanalization rate of the portal vein was achieved in 38% of patients, and all recanalizations occurred in the first 6 months of treatment.
3)In a retrospective cohort of 120 patients with PVT who had neither cirrhosis nor solid malignancy, of whom about half received anticoagulation,the overall risk for recurrent thrombosis was 3% (95% CI, 0%-7%) at 1 year, 8% (95% CI, 3%-14%) at 5 years, and 24% (95% CI, 13%-36%) at 10 years.
Of the 22 recurrent events, 16 occurred outside the abdomen, including the pulmonary arteries, cerebral veins or arteries, or the limbs. The overall risk for gastrointestinal bleeding was 33% (95% CI, 24%-41%) at 1 year, 43% (95% CI, 33%-53%) at 5 years, and 46% (95% CI, 36%-56%) at 10 years, with the majority of bleeds being vatical.
上記論文より
●SVTの治療
✅SVTの治療を導くエビデンスの質は、観察研究の結果のみに基づいているため低い
✅抗凝固療法は、SVTの部位と程度に関係なく、再発リスクを軽減するのに効果的であるとしている。
●まとめ
例えばPVTであれば、がん、肝硬変を除外した患者の場合、生存率は5年で76%と比較的良好だと思われる。
もし、SVTで、抗凝固療法をすでに行っているが、途中で中止した場合、VKAで治療されたMVT患者77人の後ろ向きコホートでは、抗凝固治療を中止した患者の約40%で年平均4.6%人年の再発リスクが報告されていることからも抗凝固療法を行った方が良さそうである。
次の論文も同じような結論となっている。
ただそれがDOACの方がWFよりも推奨されるかということは今の所わからないことである。
 Long-term Clinical Outcomes of Splanchnic Vein Thrombosis: Results of an International Registry.

EGFR阻害薬による眼の症状は可逆的なのか。

EGFR阻害薬による眼の症状は可逆的なのか。
 
uptodateよりサマリ
翻訳を自分なりにまとめた。
化学療法を受けている患者が特定の眼の徴候または症状を呈する場合、その訴えが悪性腫瘍自体によるものか、関連する効果(例えば、腫瘍随伴症候群)によるものか、または抗がん治療によるものかを明確にすることが重要です。
 
 
●角膜と前眼部 
セツキシマブで複数の異なる眼毒性が報告されており、そのほとんどが前眼部に影響を与えます。これらには、角膜のびらん、まつ毛の異常、角膜炎(角膜の炎症)結膜炎、まぶた性皮膚炎、および眼瞼炎が含まれます。
パニツムマブ関連の眼毒性には、結膜炎、結膜充血、流涙、およびまぶたの刺激が含まれます。
エルロチニブで治療された患者の眼の毒性には、結膜炎や、眼瞼内反症、眼瞼外反症、毛状突起腫などのまぶたの変化が含まれますが、初期の上膜炎および関連する感染性角膜炎を伴う角膜上皮欠損が報告されています。
ゲフィチニブを用いた臨床試験では、主にドライアイ、眼瞼炎、結膜炎、および片側視、ぼやけ、羞明などの視覚障害が報告されていますが、角膜びらん、白斑、点状角膜症も報告されています。
 
角膜の最も外側の上皮層の治癒不良はすべてのEGFR阻害剤で報告されており、ドライアイならびに持続的な角膜上皮欠損およびびらんにつながっています。これは視界を著しくぼやけさせる可能性があり、細菌性角膜炎のリスクを増大させる可能性があります。
 
上皮欠損は治療の中止で元に戻すことができます。リスクと代替治療の有用性を考慮して、治療を継続するという決定は個別化されなければなりません。症状を管理し、重感染の兆候を監視するために、患者がEGFR阻害薬を継続する場合は、眼科医による一貫した追跡調査が推奨されます。
 
角膜の菲薄化や融解は、この種の薬剤ではよりまれです(そしてエルロチニブで最も頻繁に報告されます)が、角膜穿孔が起こる可能性があるのでそれらは潜在的により深刻です。
重度の視力喪失の可能性を考慮して、抗EGFR薬を服用している間に眼症状(かすみ目、ドライアイ、灼熱感または目の刺痛)を発症した患者には、眼科医による定期的なフォローアップを確立することをお勧めします。
 
重症の前部ぶどう膜炎のまれな症例がエルロチニブとの関連で報告されています。局所用コルチコステロイドによる薬の中止と管理は通常効果的です。 1人の患者で、エルロチニブによる再投与がブドウ膜炎の再発を引き起こしました。
代替の抗がん剤が利用できない場合、リスクは患者、腫瘍医、眼科医を含む議論において継続的治療の利益と比較検討されなければなりません。 
 
●眼窩および眼窩周囲組織 
すべてのEGFR阻害剤は、多毛症または脱毛症につながる調節不全の毛周期に関連しています。髪の色、成長速度、そして質感の変化と毛状突起腫。
セツキシマブまたはエルロチニブを投与されている30人の患者を対象としたプロスペクティブ研究では、毛状突起腫の発生率は17〜23%でした。角膜に向けたまつげを伴う毛瘡症が報告されており場合によっては角膜潰瘍を引き起こし、これは視力を脅かし、即時治療が必要である。
 
眼周囲の皮膚の変化も(浮腫、紅斑、および眼瞼炎を含む)比較的コモンです。
これらの副作用は一般的に軽度で、治療を中止すると元に戻すことができます。対症療法は通常成功しており、抗EGFR薬による継続的な治療を可能にします。ただし、角膜が損なわれていないことを確認するために眼科的評価が推奨されます。 
 
症例

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=19512896

1)エルロチニブ治療と関連した持続性角膜上皮欠損
彼女は肺がんと診断され、可逆性上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤であるエルロチニブで治療されていた。
角膜炎はStaphylococcus epidermidis角膜炎の診断を確定するために生検を必要とした。感染性角膜炎は治療されたが彼女の痛みと上皮の欠陥は持続した。彼女はエルロチニブ治療を中止した。2週間以内に、擦過傷は治癒し、そして再発はなかった。
 

2)エルロチニブによる肺癌治療後の角膜障害の一例

59歳の男性は、かすみ眼と痛みを呈しました。細隙灯検査では、重度の角膜上皮欠陥と眼の炎症が見られました。18ヵ月前、彼は肺がんと診断され、6ヵ月間エルロチニブによる治療を受けていた。彼は眼科手術、外傷または糖尿病の病歴がなかった。局所抗生物質療法を開始し、エルロチニブ治療を1週間中止した後、角膜所見は完全に消滅。視力は8週間後に回復した。
●まとめ
調べてみるとEGFR阻害薬は、まつ毛の多毛や、ドライアイで角膜に炎症が起きて視力低下する場合あるが、眼科医に診てもらうことによってそれは可逆的な症状となりうる。
早期に患者に、その可能性を伝え異常あれば主科医師にまずは相談されるよう伝えていくべきと考える。

血液ガスを学ぼう!〜②酸ー塩基平衡!

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分より自己学習!
 
●血液ガスで大切な4項目は?
血液ガスの4項目・・・・赤字が酸ー塩基平衡を見る項目
pH                    ・・・・  が呼吸を見る項目
PaCO2
PaO2
HCO3-
 
酸ー塩基平衡を見る3つの方法のうち今回は、生理学的方法で勉強する。
 
・酸ー塩基平衡とは?
ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式はもちろんのことだが今回はすっ飛ばし、
pH PaCO2 HCO3-の関係を知る。次の平衡式が体内で常に起こっている。
 
 
              腎臓で再吸収
 酸             ⬇︎
CO2 + H2O  ⇄  H+ + HCO3-
 ⬇︎            アルカリ
肺から出て行く
 
酸であるCO2とアルカリであるHCO3-が丁度いい感じで釣り合いを保っている。
 
ここで基準値をざっくり。あとの計算でも使います!
pH   7.4
PaCO2   40mmHg
HCO3-   24mEq/L
 
✅pHはPaCO2とHCO3-のバランス
 
✅言葉の整理
・アシデミア/アルカレミア
 〜emiaというのは「血液」という意味。血液が酸性、もしくはアルカリ性になっていますということ。
 
・アシドーシス/アルカローシス
酸性、アルカリ性に偏らせる原因のこと。
 
●4種の酸ー塩基平衡異常
 
腎臓
酸性
呼吸性アシドーシス
 
代謝性アシドーシス
 
呼吸性アルカローシス
代謝性アルカローシス
 
✅代償とは?
代償というのはpHをなるべく正常の7.4に近づけるための防御システム。
 
・PaCO2とHCO3-の秤のバランスを考えるとわかるように、両者は
 同じ向きに動く。
・pHは正常に近づくが、完全に正常化しない。
・肺による代償は早く、腎は遅い
 
例)糖尿病ケトアシドーシスでHCO3-下がる
        ⬇︎
  ハアハアと速くて深い呼吸「クスマウル呼吸」
  肺が悪いのではなくHCO3-が減ってpHが酸性に傾いているのを代償して、戻そうとして呼吸している。
 
●代償の目安
1)代謝性異常の場合
 
HCO3-→
PaCO2
代謝性アシドーシス
1mEq/L⬇
1.2mmHg↓
代謝性アルカローシス
1mEq/L⬆
0.7mmHg↑
 
 
2)呼吸性異常の場合
 
PaCO2→
HCO3-
呼吸性アシドーシス
急性 10mmHg⬆
1mEq/L↑
 
慢性 10mmHg⬆
3.5mEq/L↑
呼吸性アルカローシス
急性 10mmHg⬇
2mEq/L↓
 
慢性 10mmHg⬇
4mEq/L↓
 
いずれも血液ガス白熱講義の書籍より抜粋
 
4ステップで読む酸ー塩基平衡
 
1.アシデミアアルカレミアか →pH
2.呼吸性代謝か→PaCO2とHCO3-
3.代謝は適切か→代謝の計算
4.代償が適切でなければ他の異常は?
 
計算してみよう
症例1)
竜馬先生の本から、アフリカ土産の吹き矢で・・の症例から(この後は本を購入されてください)
pH 7.08, PaCO2 80mmHg,PaO2 40mmHg,HCO3- 26mEq/L
 
ステップに沿って考える
1.アシデミア
2.呼吸性アシドーシス
3.予想される代償
   (80-40)×1/10=4
 予想されるHCO3-の値
   24+4=28 HCO3- 26mEq/L(±2)なので適切な代償。
4.適切な代償なのでなし。
 
✅ちょうどいい代償の目安の範囲は?
±2ぐらいがいいかな(本より)
ただし!血液ガスは患者さんの臨床経過と泡sて読むことが重要。代償がちょうどいいか判断するのは、「この一つの病気だけ考えていいかな。他にはないかな」というところに立ち返って考える事!
 
症例2)
副作用の見方、考え方の本のcase14の症例を考える。
詳しくはそちらをご覧になってください。
pH 7.55, PCO2 47mmHg,PO2 67mmHg,HCO3- 41.1mEq/L
 
ステップに沿って考える
1.アルカレミア
2.代謝性あるカローシス
3.予想される代償
      (41-24)×0.7=12
予想されるPCO2の値
     40+12=52  (+)5なので適切でない?!
他の酸-塩基平衡異常があるのではないか!?
 
むむ。ここで今回は一旦終了。この後を解き明かせ!
 
 

小児にラメルテオンは?

不眠のある小児へのラメルテオンについて調べてみました。
 
uptodateからサマリ
薬物療法が子供の睡眠障害の治療のために正当化される臨床シナリオは限られている。これは、小児および青年における睡眠障害の大部分が行動療法のみで適切に管理されるため。さらに、子供の睡眠障害に対する薬物療法の安全性または有効性に関する経験的データはほとんどない。
私たちの臨床経験では、睡眠障害のある健康な子供に薬物療法が必要または適切であることはめったにない。薬物療法は、複雑な内科的、精神医学的、および神経発達的併存症の子供たちにとって有益である可能性が高い。
 
薬物療法のアプローチ
・子供の年齢
重大な介護者の身体的または精神的健康問題、または子供の虐待のリスクなどの異常な状況を除き、薬物療法が小児に適していることはめったにない。
この年齢層では安全性と有効性のデータが不足しているためである。
・Children with underlying medical, psychiatric, or neurodevelopmental conditionsは、健康な子供たちに比べて、睡眠問題の解決に長期的に服用することが考えられるため、長期的な副作用を引き起こす可能性が低いものを選択しなければならない。
薬物療法に着手する前に、家族や患者と共同で、明確で現実的な治療目標を設定してください。
治療の最も現実的な当面の目標は、睡眠障害を排除するのではなく改善することです。
目標を定義することは現実的な期待を設定し、欲求不満を避けるのに役立ちます。さらに、目標は、投薬の中止を検討する際のマイルストーンとして役立ちます。
 
→ここで、個々の薬剤の中のラメルテオンの部分を見てみる。
moderate efficacy in reducing sleep latency and is approved for sleep onset insomnia in adults. It is absorbed rapidly (0.5 to 1.5 hours) and has a short half-life (1.0 to 2.6 hours). In clinical trials in adults the effect size is small and may not be clinically significant [8];
 
→引用文献8をみる

Clinical Practice Guideline for the Pharmacologic Treatment of Chronic Insomnia in Adults: An American Academy of Sleep Medicine Clinical Practice Guideline.

P:Adult patients diagnosed with primary chronic insomnia
I:不眠症の治療のためにFDA承認されている薬物、ならびにこの状態に対するFDAの適応なしに不眠症を治療するために一般的に使用されるいくつかの薬物
O:次の指標の改善
Sleep latency (SL)
Total sleep time (TST)
Wake after sleep onset (WASO) Quality of sleep (QOS)
Sleep ef ciency (SE)
Number of awakenings (NOA)
 
論文の吟味
1.元論文バイアス:なし/RCTを集めている。
2.評価者バイアス:2名で評価→概ね良さそう
Searches were performed on April 26, 2011 (search 1), May 12, 2014 (search 2), October 15, 2014 (search 3), and January 25, 2016 (search 4).
Abstracts from all retrieved articles were individually as- sessed by two task force members to determine whether the publication should be included or excluded from further consid- eration in the project.
3.出版バイアス→なさそう
If outcomedata were not presented in the format necessary for statistical analysis (i.e., mean, standard deviation, and sample size), the authors were contacted in an attempt to obtain the necessary data. Finally, clinicaltrials.govwas used as a  nal resourcefor attempting to obtain data necessary for completing statis- tical analyses.
ラメルテオンに関しては4つの試験。
4.異質性バイアス→I2の記載がある。
 
グレードシステムを用いてバイアスの評価をしている。
 
結果
推奨文:
Recommendation 7: We suggest that clinicians use ramelteon as a treatment for sleep onset insomnia (versus no treatment) in adults. [WEAK]
Remarks: This recommendation is based on trials of 8 mg doses of ramelteon.
 
 
じ論文のtable3にClinical signi dance thresholdの記載あり。
Sofとフォレストプロットは次を参照。
結果をまとめると
 
 
臨床的意義のある差
効果推定値
信頼区間
I2
PSG-determined SL
10min
-9.57
-12.75,-6.38
96%
PSG-determined TST
20min
6.58
1.36,11.8
98%
PSG-determined WASO
20min
3.50
2.77,4.23
0%
Sleep efficiency
5%
1.93
1.00,2.87
93%
頭痛の発生率
 
0.01
-0.02,0.04
0%
 
ラメルテオンの用量は8mg/
統合された試験は2つないし3つ。異質性も高く、そのまま鵜呑みにすることはできないかもしれない。
 
考察
これらのことから、小児における不眠症への薬物療法は、内科的、精神医学的、神経発達的な併存疾患がある場合の慢性不眠に限られるが、その中でのラメルテオンは、成人からのデータから外挿するしか今の所ない。
【有益性】
成人でのデータでは、睡眠までの時間や、総睡眠時間は異質性の高いメタ分析で、プラセボに比べて改善される傾向にあるが、臨床的意義のある閾値を超えることはできなかった。
【有害性】
有害作用に関するメタアナリシスデータは、全体として比較的頻度は低く、プラセボと有意に異なるものはなかった。この分析には、頭痛、悪心、上気道感染症および鼻咽頭炎が含まれた。
 
睡眠開始に対するその有効性とその比較的良性の副作用プロファイルに照らして、無治療と比較してラメルテオンを内科的、精神医学的、神経発達的な併存疾患がある小児が服用しても良いかもしれない。と考える。
 
今日は節分です。明日は立春ですね。季節をかみしめて過ごしましょう。

あう、あわない推論〜自己学習その1

月刊薬事12月号
「この急性腎障害はアシクロビルが原因ですか?」
を読んで自己学習する。
 
 
特に自分は、被疑薬以外が原因である「もっともらしさ」を考えるのが苦手なので自分の考察、ネット、成書から学んだことを次回につなげられるようにまとめたい。
AKIと診断された時、まず、腎後性、腎性、腎前性かを鑑別する。
DKIも、腎後性、腎性、腎前性が存在するがまずは、上記のうちまず腎後性を除外する。
 
★腎後性の除外
・この例では腎後性DKIの原因となる薬剤は服用していない。
例での入院前併用薬は(用量省略)
エナラプリル、フルニトラゼパムトリアゾラム、ミルタザピン
他、詳細は薬事を参照。
→超音波検査で両側水腎症でないことを確認することで除外。
※腎後性AKI:腎盂以降の尿流障害。泌尿器疾患、悪性腫瘍などにより尿路の狭窄、あるいは閉塞をきたす。
 
★腎前性か、腎性か
腎前性は
腎臓の灌流血流量が減っている状態で、腎臓に器質的変化なし。
生理的な反応である。尿中Na排泄量、排泄率は著名に低下。
原因
・循環血液量の絶対的減少:脱水(イレウス、熱傷)、出血
・有効循環血漿量の減少:心不全、非代償性肝硬変、ネフローゼ
・腎血行動態の異常:RAS系抑制薬、NSAIDS,造影剤
・腎血管閉塞:血栓、塞栓、動脈解離
 
鑑別は次の二つのアプローチ
1)診断的治療:十分量の輸液を投与し(循環血漿量、血圧の維持、改善)2、3日以内に腎機能が回復すれば腎前性と推測。
2)腎前性の診断と尿生化学
 
 
感度
特異度
LR+
LR-
FENa<1%
77%
96%
19.3
0.24
  利尿薬(+)
48%
 
 
 
  利尿薬(ー)
92%
 
23
0.08
FEUN<35%
90%
96%
22.5
0.1
  利尿薬(+)
89%
 
 
 
  利尿薬(ー)
90%
 
 
 
※利尿薬の影響を受けにくいのは尿中UN
※尿中Cl:利尿薬なしでは、尿Cl<20mEq/L以下は循環血漿量低下を強く示唆。
 
例では、FENa 4.7% FEUN 42% 利尿薬服用なしなのでFENaを参考にする。
 
→FENa 4.7% なので FENa >1%となる。
上記の表よりLR+ 23 LR- 0.08 なので腎前性である確率は低いと言える。
 
ここで、あう、あわない推論の三つ目について考察
・輸液負荷や尿所見より腎前性ではないことから脱水によるAKIはあわない
腎前性ではないとされてから、それを推論にあげて、再考するものなのだろうか。念には念を入れるということか。
とりあえず、脱水の鑑別について調べてみた。
 
脱水(hypovolemia)
 
感度
特異度
LR+
LR-
Dry axilla(脇の下)
40-50
82-93
3.0
0.6
Dry mouth
49-85
58-88
3.1
0.4
Longitudinal furrows on tongue
85
58
NS
0.3
Sunken eyes
33-62
82-93
3.7
0.6
Abnormal skin turgor
73
79
3.5
0.3
                               ※evident-based physical diagnosisより
皮膚のツルゴールの低下なければ脱水ではない可能性が高い。
 
●まとめ●
あう、あわない推論をする場合、尤度比を必ず考察に入れるようにしよう!
 
次回は、不確かさもそのままにを自己学習します。
最後までおよみいただきありがとうございます。