ruruuunのブログ

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死にゆくひとはさみしいのか を拝聴して

西 智弘先生の「死にゆくひとはさみしいのか」を拝聴した。
 
私が直面した「死にゆくひと」は父親だが、父親の最後の気持ちを理解できなかった、うまく会話ができなかったことは、今でも心に残る出来事である。
 
西先生の講義から最後のスライドを拝借する。
 
・死にゆくひとはさみしい。だけどさみしいことは悪いことではない:喪失への表現
・喪失を別の何か埋めるだけではなく、喪失そのものに意味があると思えるかどうか
・3種類の死:死に抗うのではなく、うまく延命させて調和を図る
 
この最後の3種類の死とは、次のことを言う
・肉体的な死
・精神的な死
・社会的な死
 
西先生は、精神的な死、社会的な死ということが、ないがしろにされてきたと述べられた。その上で、精神的、社会的な死の時期が、肉体的な死に、少しでも近づくお手伝いができれば良いと仰った。
 
父は物書きであったから、最後に1冊の詩集を編んだのだが、その後、死ぬまでに数編の詩を書いている。
 
その詩は「沁みいる孤独」という題名だ。
父はクリスチャンらしく、最後まで取り乱すことなく目の前の死の向こう側の光にいつも向かっているようだったので、むしろ、私たち家族の方が、途中下車した電車に乗り遅れ、父だけが乗って行ってしまうような寂しさを覚えていた。だが、父の死後、父の最後の詩を見つけ、父もやはり孤独を抱えていたのだと震撼としたのだ。
 
その全文が次である。
 
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敬愛する畠氏は「地域医療ジャーナル」で、「死は終わりではなく、単なる句読点のように思える」と述べた。
私が言うのもおこがましいが、畠氏のお父様も、西先生が言われる「肉体的な死」に「精神的、社会的な死」がぴったりと重なり合った、まるで「。」であったかのような死をご家族と共に迎えられたのだと感じた。
 
畠氏が書かれた文章を読んで、私の父の詩作ノートに、同じようなことが書いてあるのを思い出した。
 
「闘いの中で生きた人生においては、死はむしろ休息である」
 
何かに抗い、不器用に生きたその軌跡の中では、そのように感じる時もあったのだろうか。
 
また次のようなことも書いていた。
 
死は同情を超えている。同情を拒絶する。
痛みと同情の決定的な差異
痛みには、対象がない。即自的なものだ。痛みは反射的(身体的)に意志的に行動することを促す。同情は、同情すべき対象があり自らは安全な場所にあって憐れみをさしむける。
 
とまれ、ここまで書いてきてはたと考えた。
父は、最後まで詩作を続けていた。信仰があり、聖書を片時も離さなかった。
西先生がおっしゃる「肉体的な死」に「精神的、社会的な死」が重なっているいわば、理想的な死を迎えたのかもしれない。
 
それでもなお「沁みいる孤独」のなかに身を置かれるのはやはり、それは仕方のないことなのかもしれない。
孤独の中で、自分の人生に「句読点」を打つように自然に別れを告げ、死という「休息」を謳歌するのも悪くないのかもしれない。
 
何か救われる希望が見えるような気がした、日曜の昼下がりであった。
 
お読みいただきありがとうございます。

高マグネシウム血症のリスク因子を探る

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6373027/

 

本研究では、MgOを処方された患者において高Mg血症を発症する危険因子を遡及的に調査した。

 

[背景]

日本ではMgOは安価で安全な制酸剤及び下剤。

一方、心臓電動障害、死と致命的な症状を含む重篤な高Mg血症が報告されているため、厚労省から、長期服用者、高齢者のMg濃度を定期的に測定するよう勧告がなされている。

 

[patient:]

2015年10月から2017年9月の間に三重大学病院に入院し、処方されたMgOタブレット(Magmitt®Tab。330 mg、日医工株式会社、富山県、日本)の患者(3258人)のうちの320人が登録された。

 

[除外基準:]

・20歳未満

・散剤のMgO

 (ほとんど墓患者が食事性のMgを摂取できなかったため交絡に関連する潜在的なバイアスを軽減するために除外。)

硫酸マグネシウムの処方

・Mgモニタリングなしの患者

 

[患者背景]

患者数

320

女性

176(55)

年齢

42[20-95]

体重(kg)

54.3[26.0~101.2]

eGFR(mL/分)

75.5[3.4~158.4]

BUN(mg/dL)

23.4[6.2-189.8]

投与量(mg/日)

990[330-2970]

投与期間(日)

52[1-348]

PPI

133(46)

H2ブロッカー

19(6)

VD3

23(7)

利尿薬

16(5)

値は[中央値]または(%)

 

[結果]

320例中75例(23%)が高Mg血症を発症した。高Mg血症のグレード1およびグレード3は、それぞれ62人の患者(19%)および13人の患者(4%)で観察された。

多変量解析により、高Mg血症の発症の独立した危険因子は

1.eGFR≤55.4mL / min(OR:3.105、P  = 0.001)

2.BUN≥22.4mg / dL(OR:3.490、P  <0.001)

3.MgO投与量≥1650mg /日(OR:1.914、P  = 0.039)

4.MgO投与期間が36日以上(OR:2.198、P  = 0.012)

 

併用薬については多変量解析に、H2ブロッカーと利尿薬が変数として解析されたが、いずれも有意ではなかった。

 

[考察]

上記4つの因子のうち、2因子で約3割に高マグネシウム血症が発生したので、高齢者で(1のeGFRと年齢には負の相関があるので)4の長期で服用者はまず注意すべき。

明日から実践しよう!

デュフィの線

ある人から教わった。
自分の中のオリジナルなものを大切にして生きていくようにと。
他人が何と言おうと自分のライフスタイルを変えない。
 
 
軽快な線が彼独自のもの。線からはみ出して色を塗るのはセザンヌから学んだものと言われています。
 
 
自分の大切にしているオリジナルなものを、軽視されたり、罵倒されたりして人は生きていかなくてはならない時もあるかもしれない。そんな時にそれを守り通すことはつらいことかもしれない。
でも、守らなければ自分が自分でなくなってしまう。
 
自分をころしてならばここで生きられるというならそれは、たぶん、自分が内側から崩れていくのだから、その時は自分を守らなければならない。
 
そんな局面を人生は何度か与えてくれる。
 
自分の内側にこもって自分のオリジナルなものを、必死に守っていこう。世の中とそれがマッチしなくともそれはそれでいいじゃないか。
 
 
 
 
私は私のことをする。
私はなにもお前の気に入るように
生きているわけではない。
そしてお前も、私の気に入るように
生きているわけではない。
お前はお前。
私は私。
もし、私たちがお互いに出会うなら
それは素晴らしいことだ。
もし出会わなかったら
それは仕方ないことさ。
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ペムブロリズマブによる痒みの症状に対して何ができるのか。

ペムブロリズマブによる痒みの症状に対して何ができるのか。
 
論文の要約は機械的翻訳です。
 
✅uptodateより
管理 — ほとんどのチェックポイント阻害薬発疹は、局所コルチコステロイドクリームで治療できます。掻痒が顕著な症状である場合は、経口鎮痒剤(例、ヒドロキシジンジフェンヒドラミン)が役立ちます重症の発疹(グレード3/4)は経口コルチコステロイドで管理し、確立された管理アルゴリズムに従って、チェックポイント遮断による治療を行う必要があります
 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6439535/

2つのOncodermatologyクリニックで見られた患者における免疫療法関連掻痒の臨床的特徴

患者が評価したかゆみの程度の中央値は、視覚的アナログスケールで100のうち72(四分位範囲、47-82)だった。77人の患者のうち42人が、治療の最初の6サイクル(サイクルの範囲、1〜58)内に現れた。そう痒の最も一般的な部位には体幹が含まれ、最も影響を受けなかった部位には、足底、前頸部、および生殖器人口統計学的特徴、提示前の治療サイクル数、そう痒の重症度、またはQOLに、そう痒症のみの患者と共存する発疹のある患者との間に有意差はなかった。

→痒みのVASの中央値が70と比較的辛い症状なのではないか。主に体幹に現れる。
 

免疫関連の皮膚有害事象の治療結果

ircAEの管理と治療の結果

一般的な治療戦略には、局所コルチコステロイド、全身性鎮痒薬(ガバペンチン/プレガバリン、アプレピタント、抗ヒスタミン薬など)、免疫調節薬(たとえば経口コルチコステロイド、代謝拮抗薬、カルシニューリン阻害剤、免疫経路を標的とするモノクローナル抗体)、単独および組み合わせて。局所薬剤は213人の患者(75%)に処方され、そのうち94人(44%)が局所薬剤のみを受けた。
133人の患者(47%)は、ircAEの全身療法を処方された
 
そう痒症は、局所コルチコステロイドの追加の有無にかかわらず、免疫調節剤を必要とせずに経口鎮痒薬で最も頻繁に管理された(n = 55; 40%)。そのほとんどは、治療後に中等度以上の有意な改善を示した(39 [87%] of 45 )。GABA(γ-アミノ酪酸)アナログのプレガバリンとガバペンチンは、17人の患者のうち17人(100%)で中程度から大幅な改善をもたらしたが、経口抗ヒスタミン薬は16人の患者のうち13人(81%)で効果を示した。
 
論文中より
 
 
→この文献ではそう痒に対して、抗ヒスタミン薬で十分に管理されたとあるが、不十分だった場合、プレガバリンや、ガバペンチンという選択肢もあることを初めて知った。
どのくらいの効果があるんだろう?
 

尿毒症性掻痒の治療:系統的レビュー

こちらの論文では、全体として、ガバペンチンまたはプレガバリンをプラセボと比較すると、積極的な治療に有利な統計的に有意な利益があった。
薬剤の用量が不明だが、痒みのVASの変化は臨床的意義のある差を満たしているものもありそうだった。
 
痒みのVASのMCID 20~30
次のスライドを参考にいたしました。
https://slideshare.net/srws/20170529-76454464痒みに関してはVAS 20-30がMCIDである

協立病院院内勉強会20170529
あまり臨床研究に触れていない方、コメディカル向けの資料になります。

●まとめ●

免疫チェックポイント阻害剤でそう痒の副作用のある患者は、主に体幹、足に多く、痒みのVASで70程度であることがわかった。比較的痒みとしては辛いのではないか。
すでに抗ヒスタミン薬など服用していても治らない場合は、患者の腎機能など背景に応じて、プレガバリン、ガバペンチンという選択肢があるかもしれない。

ロンダニーニのピエタ

ミケランジェロの作品といえばどんなものを思い浮かべるだろうか。
精巧なダヴィデ像や、最後の審判は有名なところである。
 
私は、晩年のロンダニーニのピエタがお気に入りだ。
精巧さとは無縁の、受難のキリストをかき抱くマリアの彫刻である。正面から見ると二人の体が見えるが、側面からは一つなのだ。
半ば母なるものに溶け込んでいるように見える。
 
キリストを嘆くマリアでもなく、マリアに守られるキリストでもない。キリストはマリアをおぶるように、マリアはキリストを優しく背後から抱くように、二人は寄り添い、母子の愛情を超えて人間本来の姿に近づいているのではないか。(ミケランジェロの画集より抜粋)
 
この彫刻を見るたび、次の詩を思い出す。
一部抜粋
 
 
わたしは、担いでいたものに磔される
横木に鴉が止まって鳴き、断雲が飛んでゆく。
陽は項に射し、魂の陰影は深く伸びる
紡錘のように白い言葉が纏いつき
屍衣のような彼らの知の体系が包む
解きほぐせば、わたしの芯は無なのだろうか。
遠巻きに見守るあなたは
思い出のように遠く見える。
母上。あなたと共にした日数は
雨上がりの樹に見つけた巣穴の匂いがする。
わたしの受難は何だったのだろう。
語りえないものよ。春雷のように答えてよ。
このわが苦痛よ。限り無く報われてあれ。
母上、わが亡骸を受けとってたもれ。
これはわたしの唯一の贈り物
あなたの産んだものをあなたに返すのです。
一斉に鳩が飛びたち
緑青が吹いた教会の屋根に鐘が響いている。
 
〜聖母哀傷による六つの変奏〜より抜粋
 
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EGFR阻害剤によるざ瘡様発疹の治療

EGFR阻害剤によるざ瘡様発疹の治療のステップがuptodateにわかりやすく載っていたので訳してみた。
 
 
重篤度CTCAE ver.4                          介入
GEADE 0
予防的なケア:SPF≧15 の日焼け止めを塗る。
       保湿クリームでケアする。
       やさしいスキンケアの仕方を教える。
    ⬇︎
GRADE 1
現在の投与量で抗がん薬を継続する。そして重篤度をモニターする。
・ヒドロコルチゾン2.5%クリームとクリンダマイシン1%ゲル
 
2週間後に再度アセスメント(ヘルスケアのプロフェッショナルな職種と患者本人)
もし悪化、もしくは改善が見られない場合は次のステップへ進む
    ⬇︎
GRADE 2
現在の投与量で抗がん薬を継続する。そして重篤度をモニターする。
・顔 首:ヒドロコルチゾン2.5%クリーム、アルクロメタゾン 0.05%クリーム 胸 背中:フルオシノニド0.05%クリーム
AND
・ドキシサイクリン100mgORミノサイクリン100mg/(1日2回)
 
2週間後に再度アセスメント(ヘルスケアのプロフェッショナルな職種と患者本人)
もし悪化、もしくは改善が見られない場合は次のステップへ進む
    ⬇︎
GRADE 3
感染が疑われるなら、細菌・ウイルスの培養を行う。
そして次のようにケアを続ける。
・顔 首:ヒドロコルチゾン2.5%クリーム、アルクロメタゾン 0.05%クリーム 胸 背中:フルオシノニド0.05%クリーム
AND
・ドキシサイクリン100mgORミノサイクリン100mg/(1日2回)
AND
プレドニゾロン0.5mg/kg (7日間)
・イソトレチノイン(日本では未承認)
 
2週間後に再度アセスメント
もし悪化、もしくは改善が見られない場合は,EGFR阻害剤を休止、または中止する。
患者ごとに判断する。

フルオロメトロン点眼液の眼圧への影響

グルココルチコイド — 局所的なグルココルチコイド製剤は、難治性症状のある患者で検討される。ただし、それらには潜在的に深刻な副作用があり、視力を脅かす可能性がある。
 
【薬理作用】
グルココルチコイドはアレルギー性炎症の後期相反応を抑制するそれらはホスホリパーゼA2を阻害し、その結果、アラキドン酸からの脂質由来メディエーターの形成を減少させる。これにより、白血球の遊走、加水分解酵素の放出、線維芽細胞の成長、血管透過性の変化が防止される。
【使用法】
局所グルココルチコイドは、マスト細胞安定化特性を持つ抗ヒスタミン薬が症状を適切に制御していない患者の短い「パルス療法」(最大2週間)にのみ使用されるべき
グルココルチコイドによる眼の副作用は視力を脅かす可能性があり、白内障の形成、眼圧の上昇(IOP)、緑内障、および二次感染が含まれる。
「ソフト」ステロイドは、角膜に浸透すると急速に不活化されるように処方されているため、IOPの増加のリスクが大幅に低減された局所グルココルチコイドのグループである(フルオロメトロンはソフトに該当する)
「ソフト」ステロイドは、1日2〜4回、約2週間投与される。これは、免疫応答を遅らせるのに役立ち、マスト細胞安定剤、抗ヒスタミン剤、人口涙液の作用を助ける対照的に、これらの薬を6週間以上使用すると、合併症のリスクが大幅に増加する。
フルオロメトロン点眼による眼圧変動
0.1%フルオロメトロン点眼で,128眼中11眼(8.6%)で眼圧が上昇した。眼圧上昇を予見することは不可能であった。フルオロメトロン点眼で眼圧が上昇する可能性が周知されるべきである。
★まとめ
フルオロメトロンは約2週間にとどめるべきで、6週間以上になると合併症のリスクが高まる。
 
以上uptodateよりまとめ