ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

EGFR-TKI投与中の皮膚毒性をいかにコントロールするか。rash trial Phase 3

最近、尊敬する皆さんがブログを始められて私の勉強になり嬉しい限りです!!
そんな中、私のえっちらおっちらブログは相も変わらず続けます。
 
Pan Canadian Rash Trial: A Randomized Phase III Trial Evaluating the Impact of a Prophylactic Skin Treatment Regimen on Epidermal Growth Factor Receptor-Tyrosine Kinase Inhibitor-Induced Skin Toxicities in Patients With Metastatic Lung Cancer.
 
 
EGFR-TKI投与中の皮疹で難渋している方を見かけます。
エルロチニブ誘発性皮疹に対するミノサイクリンによる予防的投与の効果を検討したランダム化第3相試験の結果が公表されたので吟味してみよう!!
 
P:進行性のNSCLC,2次、3次療法でエルロチニブを服用している患者さん。
 
E: arm1. ミノサイクリンを予防的投与(100mgを1日2回4週間投与)
 arm2.対症療法群(皮疹出現後に皮疹のグレードごとに投与)
  
C:arm3. 重篤(グレード3)以外は無治療群とする。
 
O:co-primary end points.
・エルロチニブによるrashの発生率(どんなグレードでも)
 他エルロチニブによるrashは自然治癒するかどうか
 
セカンダリ
エルロチニブ誘発性の皮疹の重篤度を1グレード下がるまでの時間
エルロチニブ誘発性の最重篤度
皮疹が一番初めに発現するまでの時間
皮疹の発生率と重篤度の関係
エルロチニブに対する反応性とOS
DLQIスコアによるQOL
 
皮疹のアセスメント
3ヶ月までは4週間ごとに、その後は2ヶ月ごとに評価。
皮疹を様々な角度から評価。顔、頭皮のざ瘡様発疹、体の皮疹、乾燥肌、搔痒、爪の変化。

Based on the National Cancer Institute Common Toxicity Criteria grading scaleを用いて。

 

[スタディデザイン]
multicenter, open-label, randomized, three-arm phase III trial
1:1:1に割り付け
 
[rash treatment]
 
arm1.エルロチニブの治療開始から4週間、ミノサイクリン100mgを1日2回。
終了後、または、その期間に皮疹が発現したらarm2を開始。
この場合、ミノサイクリンはのちに再投与。
arm2.次のような処置を行う。
f:id:ruruuun:20170103011533j:image
本文から引用
arm3:グレード3の重篤な皮疹が発生したら、もしくは、症状が耐え難いものなら、arm2の処置を行う。
 
◎吟味◎
1.ランダム割り付けされているか→されている。封筒法
 
2.ベースラインは同等か→PSに少しばらつきがあるようだが層別化されていないとの記載がdiscussionにあり。
 
3.ITT解析か→そうである。記載は見当たらないがfig1より確認。
 
4.結果に影響を及ぼすほどの脱落があるか→ない。
 
5.症例数は充分か→サンプルサイズが計算されている。
 
6.結果の評価
プライマリアウトカム
・皮疹の発生率(すべてのグレード):E vs Cに有意差なし。治療群と関係なく皮膚障害の発生率は84%
・グレード3の皮疹の発生率:arm1,2とも有意に発生が少なかった。
 ミノサイクリン予防投与群:無治療群(arm3)=12%:28% p=0.0455
    対症療法群(arm2):無治療群(arm3)=8%:28% p=0.0092
   NNTを計算してみると、
    arm1 ミノマイシンの予防的投与群 NNT=6.3
    arm2 対症療法群         NNT=5.0
  また皮疹は自然軽快することはなかった。
セカンダリアウトカム
・ミノサイクリンの予防投与により最も重篤な皮疹出現までの期間は延長。
 無治療群ではグレード3の皮疹が有意に多かった。
・OSは治療群間で有意差はなかった。
→少しはしょりました。
 
◎まとめと考察◎
 
STEPP試験との比較の考察
STEPP試験は、転移性の大腸、結腸癌患者でパニツムマブ投与中の皮膚毒性のグレード2以上の発生率を、予防的投与群(抗生剤、外用)と対症療法群の比較で行った初めての第2相試験。
 
→以前、こちらのブログでも勉強しました。
 
 結果は予防的投与群が対症療法群に比べ、有意に皮膚毒性の発生を抑えた。(NNT=3)
 
今回は、予防的投与群がミノサイクリンのみになり、他対症療法群と無治療群の3アームの試験である。
 
無治療群が設定されたことは、ミノマイシンの予防的投与の効果をより追求したい目的があったのだろうか。ただ皮膚毒性が現れる可能性が極めて高いと推測されるのに無治療群(イベントが現れたらアーム2を開始するにしても)を設定するのはどんなもんだろうと考える。
 
 NNTがいずれも一桁であることと、グレード3以上の皮疹が予防的投与群と対症療法群で有意に少なかったことと、STEPP試験の結果を踏まえて、予防的投与と対症療法を併用して行うのがいいのではないかと思う。
 
実際のところ、ミノサイクリンの内服と保湿のための外用薬、ステロイドの軟膏がともに処方されているのを拝見する。
 
皮膚毒性の副作用をマネジメントすることが、EGFR-TKIのドーズを保ち、QOLを維持するために大切なことであるのはSTEPP試験の考察でも述べた通り。
 
解釈間違っているかもしれません。ご指摘お願いします。
おやすみなさい。

総体エビデンスの質評価の「不精確さ」について考えてみよう!

「不精確さ」について考えてみよう!!
 
なんだか不精確さにとりつかれ、調べてみました。
ソースは次の通りです。

 

内科医のエビデンスに基づく医療情報 » Blog Archive » GRADE CPG作成の基本ー3.9:[SR]エビデンスの確実性-⑥:Imprecision-(1)

赤字は自分で考えた事。間違っているかもなので悪しからず。

まず、概念図。

不精確さは総体エビデンスの質評価のGRADE ダウンの項目の一つです。

f:id:ruruuun:20161221230322j:plain


 

ステマティックレビューにおける2値アウトカムの不精確さを評価する際の基準が以下で、最適情報量(optimal information size: OIS)と信頼区間(confidential interval: CI)による閾値を利用します(GRADE2版の4.4-4.4.4.2章)。

 
■不精確さに関する評価基準(SR)
1 OIS の基準が満たされていない場合は,不精確さを理由にグレードダウンする。
2 OIS基準が満たされ,なおかつ95% CIが“ 効果なし” を含まない(すなわち,RRの信頼区間が1を含まない)ならば,不精確さを理由としたグレードダウンは行わない。
3 OIS 基準は満たされているが,95% CIが“ 効果なし” を含み(すなわちRRの信頼区間が1を含む),かつ信頼区間が重要な利益または重要な害を含むならば,不精確さを理由としたグレードダウンを行う。
 
 
1.から順に
1.OIS の基準が満たされていない場合は,不精確さを理由にグレードダウンする。
 
→私の頭の中
不精確さを評価するためにOIS基準がわからなければいけないんだな。
OIS基準って何?
 
OISとは?最適情報量
 単一試験のためのサンプルサイズ計算により算出される患者数
 
→じゃあ実際どうすればOISわかるの?

・2値アウトカムに対するOISを計算するには、以下を明確にすることが求められる:

  • 偽の効果を検出する確率:タイプ I エラー(α; 通常 0.05)
  • 真の効果を検出する確率:検出力(通常80% [検出力 = 1- タイプ II エラー; β; 通常 0.20]) (図は、β = 0.10)
  • 現実的な相対リスク減少(RRR;規定値としては 25%がよいだろう)
  • 対照群イベント発生率(CER)(入手可能な試験の中央値、または重要な試験からの発生率を利用する)
 

・連続変数に対するOISを計算する際には、以下を明確にすることが求められる:

  • 偽の効果を検出する確率:タイプ I エラー(α; 通常 0.05)
  • 真の効果を検出する確率:検出力(通常80% [検出力 = 1 - タイプ II エラー; β; 通常 0.20]) 
  • 現実的な平均値の差(Δ)
  • 関連する研究の1つから導いた適切な標準偏差(SD)(もしあるならば、利用可能な試験の中央値、または重要な試験からの発生率を利用する)
 
 

最適情報量 OIS (Optimal information size)

 

 左図は、対照群でのイベント発生率が異なる中で、20%、25%、30% の相対リスク減少(RRR)を達成するのに必要なサンプルサイズ (αエラー 0.05、βエラー 0.2と仮定) を示したものである。検出力は、サンプルサイズよりは事象発生件数 イベント数) と大きな関わりを持ち、左図 は、右図と同様の関連性について示したものだが、患者数の代わりにイベント数を用いている。イベント数はある程度任意に選択可能だが、下図は、不精確さを理由に評価を下げるべき閾値としては、300 件のイベント数 (赤点線) が合理的であることを示している。
 
→またこのほかOISを求める式も記載あったが省略。
上スライドのグラフから推測するに、例えばCER=0.2ならばRRR=25%でOIS≒2000ということでよいのかな。
 
2.OIS基準が満たされ,なおかつ95% CIが“ 効果なし” を含まない(すなわち,RRの信頼区間が1を含まない)ならば,不精確さを理由としたグレードダウンは行わない。
 
→ここは素直に理解できた。
 
3.OIS 基準は満たされているが,95% CIが“ 効果なし” を含み(すなわちRRの信頼区間が1を含む),かつ信頼区間が重要な利益または重要な害を含むならば,不精確さを理由としたグレードダウンを行う。
→次に考えるのは95%CI

 

GRADEでは、相当な利益や相当な害に関して、RRR=25%を使うことを推奨しています(ただし、SRチームが説得力のある根拠をもとに、より低いあるいはより高い閾値を設定することも可能です)。この基準を使って不精確さを評価すると、下図のようなパターンとなります(GRADE2版の図4.4-20を改変)。

エビデンスの精確さと不精確さ(SR)

imprecision_0816

 →RRR=25%とすると

 相当な益=0.75

   相当な害=1.25

ということになる。95%CIがそのどちらもにかかるとエビデンスの精確さは非常に深刻(−2)

95%CIが1を含みかつ上の益か害のいずれかにかかるとエビデンスの精確さは深刻(−1)

と判断する。らしい。

 
 

 ◎まとめ◎

深いところで理解は到底及ばないが、ここまで調べただけでも親しみを持って眺める事が出来そう。。(あくまで希望です)

YouTubeの解説もなかなか親切丁寧でした。

これからも少しづつ調べたいと思います。ありがとうございます。おやすみなさい。

 

 

 

 

 

summary of findingsの重要性−2

summary of findingsの成り立ち
 
 標準的なSoFテーブルは次の7項目から成る。
(アウトカム、 対照群リスクあるいは想定リスク、介入群リスクあるいは対応リスク、効果の相対的な大きさ、参加者数と研究件数、アウトカムごとの全体的なエビデンスの質、コメント: 列順は左から重要度を反映し、重要な列から表示)
 
(黄色でマーカーしたところ)f:id:ruruuun:20161215225911j:image
 
★Corresponding risk(対応リスク)とは何か?
介入を受けた人におけるアウトカムのリスクを示す指標のこと。
 
★対照群リスクとは何か?
メタアナリシスに組み込まれた研究におけるコントロール群でのリスク。
ベースラインリスク。
→私の頭の中
ここちょっとよくわからない
 
対照群リスクからの対応リスクの計算
 f:id:ruruuun:20161215233559j:image
 
 
上の図では対照群リスクは 
594/1066=0.557
 
この値をもとにソフトから想定リスク(assumed risk)が計算される。
研究から、低、中、高の想定リスクを計算できるらしい。
 
上図のソフトの画面を見ると「中」の想定リスクは64.5%=645 per 1000 
これをもとに対応リスクを計算できる。
RR 0.93 (0.85 to 1.02)なので
対応リスクを計算すると
 
645x0.93=600
lower  CI:645x0.85=548
upper CI:645x1.02=658
f:id:ruruuun:20161215233231j:image
 
→私の頭の中
要するに、メタアナリシスの対照群リスクから、想定リスク(プラセボ群のアウトカム発現リスク)が計算されて、想定リスクから対応リスク(介入群のアウトカム発現リスク)が求められるってことでいいのかな。
 
当たり前のような気もするし、素晴らしいことのような気もするのはなぜ?
 
http://www.grade-jpn.com/grade_gl_flow_aihara.pdf 参照、抜粋しました。
 
続く
 

summary of findingsの重要性−1

最近まで自分には理解することができないのだとほぼ諦めていたメールがある。
それを整理しようとめくっていたら「お?なになに?」と、もっと知りたい欲求にかられ、ほんのすこしづつ自分なりにまとめてみようと考えた。
 
ことの発端はある質問を目にしたことから。
 
 
CQ:ある疾患においてA治療は有効か?
RCTのエビデンスが得られたとする。
 
簡単なデータ提示あり、最後に
 
あなたはこのimprecisionをどのように考えますか?
GRADE基準を適用して答える。というもの。
 
★ここから今年参加させていただいたあるWSでのGRADE基準の説明を思い出し、見直してみることにした。
その時にはコクランレビューのメタアナリシスを資料としていたが、WS内で読み進めていくうちに幾度もsummary of findingsに立ち返って見ていたことは初学の私でもわかった。
 f:id:ruruuun:20161211224012j:image
→私の頭の中
ここにはとても重要なことが書いてあるんだな。
 
 
★summary of findingsの左上にはPICOが整然と記載されている。outcomesがいくつか併記されているがそのアウトカムの中でどれが患者さんにとって重要なことなのかをその時に話し合った。その時の論文が歯科領域のだったので同じグループ内の歯科医の先生に病態を聞いて判断するというようなものだった。
 
→私の頭の中
病態の理解がないと重要さが判断できないんだな。
 
 
患者にとって重要なアウトカムとは、次のような質問に「はい」という答えが出るようなアウトカムと定 義される。 「患者が、この治療によって変化する唯一のアウトカムがこのアウトカムであると知った場合、それ に副作用やコストを伴うのだとしても患者はその治療を受けることを考慮するだろうか。
 
 
1.通常、どのアウトカムが重要なのかについては、システマティック・レビューやガイドライン作成に 着手する前の、研究計画書作成の段階で決定する必要がある。その一方で、ガイドラインパネル は、研究計画書の作成後または分析の実施後になってアウトカムの重要度を再評価すべきである。 (GRADE 教科書 p32 参照)
 
 
★チューターさんがsummary of findingsのillustrative comparative risksのところで
「per 1000の表記になってるのすごいと思いませんか?」
とおっしゃっていた。その時はそんなにすごいことなのかな、まあ確かに見やすいけどと思うだけだったが、「臨床ではRRRよりはARRの方がより現場に適用しやすい」との記載を発見。ARRは「1000人を治療した時にイベント発生を減らせる効果が○人と期待できる」
 
→私の頭の中
per 1000の表記はとにもかくにもイメージしやすいんだな
 
※薬剤師のための医学論文活用ガイドp95より抜粋
 
 
そしてさらに今回、OIS基準、RRのCIなどなどはてな満載となってきたので今後すこしづつ。
 ほんとうに少しずつです。
to be continued
 
 
 

30<eGFR<50mL/min/1.73㎡の腎機能でのハーボニーの投与量は。。

 

30<eGFR<50mL/min/1.73㎡の腎機能では、ハーボニーは慎重投与となっている。
どのように投与量を調整するのか考えてみよう。
 
ハーボニーは言わずと知れたレジパスビル+ソホスブビルの配合剤である。
 
それぞれの薬物動態をIFから見てみる。
 
 
レジパスビル 
 
レジパスビルは未変化体として主に糞中に排泄される。
 
14C 標識レジパスビル 90 mg を健康成人男性被験者に単回経口投与したところ、24 時間後までの 循環血漿放射能のほとんど(98%超)は未変化体のレジパスビルであり、未知代謝物 M1M12 がそれぞれ投与量の 1.1%0.75%検出された。投与から 24 時間後までに、投与量の約 1%が尿か ら回収された。尿中排泄された放射能には、9 種類の未知代謝物が含まれ、M26(0.63%)と M27 (0.16%)を除き、各代謝物の割合はいずれも投与量の 0.1%未満であった。未変化体は尿から検出されなかった。
 
ソホスブビル 
 
ソホスブビルは GS-331007 に代謝された後、主に尿中に排泄される(投与量の約 80%)。
 
血漿中での主要な全身循環代謝物は GS-331007 であり(90%超)、未変化体であるソホスブビル の占める割合は約 4%であった 40)。ソホスブビルは速やかに GS-566500(ヌクレオシド誘導体一 リン酸アラニン)に、引き続いて GS-331007(ヌクレオシド誘導体)に代謝され、主にこれらの 代謝物がソホスブビル投与後の血中に存在した。
ソホスブビルはヌクレオチドプロドラッグであり、肝細胞内で加水分解及びヌクレオチドリン酸 化反応を受けて、活性代謝物であるヌクレオシド誘導体三リン酸である活性代謝物 GS-461203 へ代謝されると考えられる。
S-606965 の脱リン酸化によって GS-331007 が生成されるが、この GS-331007 は効率的に再リン酸化されず、in vitro において抗 HCV 活性はみられない
 
 
 
レジパスビルは尿中にほとんど排泄されない。腎機能障害でも動態は変わりない。
なので、ソホスブビルにより用量の調整が必要となる。
 
用量の調整は
投与補正係数
G=1−fe(1−eGFR/100)
 
ソホスブビルの尿中排泄率を80%とし(と解釈して良いか若干不安)eGFR=40mL/minと仮定する。Gの式に当てはめるとG=0.52
 
通常は24時間ごとに服用なので24/0.52=46.1
よって約48時間ごとに服用とするか、毎日0.5Tづつ服用するという調整になると予想。
 
この場合は48時間ごとに服用。だが、ソホスブビルはそれで良いが、レジパスビルは少なくなると考えられないかな。でも総合的に考えて副作用を回避するのが先決。
文献あたってみたが見つけられずでした。
 
もう一点問題あり、ソホスブビルのfeは0.8として良いのかという問題。
強引に解釈してしまいました。
実際に1日おきの処方を見かけたので気になって調べました。
 
 
 

トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセル

トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセル
HER2陽性で進行再発乳がんの標準治療おさらい
 
治療目的は延命とQOLの改善・維持
 
そのため原則として副作用の少ないものから順番に、基本的には単剤で治療を行う。しかし、抗HER2抗体薬については早期から化学療法と併用することで生存期間の延長が認められるため、一般的には進行再発乳がんであっても併用療法で開始する。
 
一定の病勢コントロールができた場合、副作用が問題となる場合には化学療法の投与を中止して抗体薬のみで継続する。
 
従来のトラスツズマブ+ドセタキセルと トラスツズマブ+ドセタキセル+ペルツズマブ(3剤併用)では3剤の方がPFSを有意に延長した。
ASCOの治療GLでは、心不全や過敏反応で抗HER2抗体薬が禁忌とならない限り、ペルツズマブのトラスツズマブ+ドセタキセル療法への上乗せ効果を証明したCLEOPATRA試験を受けて、一次治療にトラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサン系抗がん薬を推奨。
二次治療に、T-DM1(カドサイラ)を推奨している。
 
22149875
 
 
◎投与スケジュール 
初回:ペルツズマブ  840mg 60分
   トラスツズマブ 8mg/kg 90分
   ドセタキセル  60mg/m2 60分
 
2回目以降
  :ペルツズマブ  420mg 30分
   トラスツズマブ 6mg/kg 30分
   ドセタキセル  75mg/m2 60分  3剤とも腎機能低下による用量調節は必要ない。
                                                                          肝機能低下ではドセタキセルのみ用量調節必要?
   ★腎機能別薬剤投与量ポケットブックより
   ★Chemotherapy Dosing in Organ Dysfunctionより
 
Docetaxel  Dose reduction is also recommended for docetaxel in patients with liver dysfunction because of the higher risk for neutropenia, mucositis, and treatment-related death [32, 33]. Some authors have recommended omitting the drug for patients with serum bilirubin 1 ULN or AST/ALT 1.5 ULN concomitant with ALP 2.5 ULN [34]. Dose adjustment has not been studied in docetaxel given on a weekly basis as compared with the traditional every-3- weeks regimen.
 
◎副作用
ドセタキセル:骨髄抑制、食思不振、倦怠感、脱毛、浮腫や胸腹水といった体液貯留、手足症候群、爪障害、末梢神経障害、過敏症
ドセタキセルに特徴的な副作用として体液貯留が挙げられる。末梢性浮腫のほか胸水、腹水、心囊水といった体腔液の貯留であり、ドセタキセルによる毛細血管透過性の亢進が原因の一つと考えられている。
 
・抗HER2抗体薬の副作用:心毒性。3ヶ月ごとに心エコー検査を実施。
 
・3剤併用療法の副作用まとめ:血液毒性、それに伴う感染症、悪心、嘔吐、便秘、下痢などの消化器症状、浮腫、流涙、結膜炎
 
_φ(・_・ 乳がん治療における心毒性の原因とその対策
 
乳がんの化学療法ではアントラサイクリンがキードラッグとして使用されてきた。
アントラサイクリンの心毒性は用量依存的、それはまた年齢による影響も大きい。
65歳以上の乳がん患者さんではアントラサイクリンの増量により心不全の発症率が大幅に上昇する。
 
トラスツズマブが標的とするHER2受容体はがん細胞だけでなく心筋細胞の生存経路にも発現。このため化学療法にトラスツズマブを併用すると心不全の発症率が高くなる。
 
トラスツズマブによる心機能障害は治療開始後数週間から数カ月に発現し、可逆性。用量とは無関係。
ドキソルビシンによる心筋障害は不可逆性。用量依存性。
PMID: 15860848
 
_φ(・_・肝転移による肝機能障害あればドセタキセルの副作用が発現する可能性がある。
ドセタキセル以外のタキサン系抗がん薬の選択肢としてパクリタキセル。ただしパクリタキセルもまた肝機能障害の場合、減量が必要かも。
 
Paclitaxel
Venook et al. [31] prospectively studied the PKs of both the 24-hour and 3-hour infusions of paclitaxel in patients with hepatic dysfunction, and found that dose reductions were necessary in patients with elevated AST or bilirubin (co- horts: (a) AST 2ULN and bilirubin 1.5 mg/dl, (b) bil- irubin 1.6 –3 mg/dl with any level of AST, and (c) bilirubin 3 mg/dl with any level of AST) to prevent myelosuppres- sion and neutropenic sepsis–related deaths. Investigators found that, for a 24-hour infusion of paclitaxel, doses 50–75 mg/m2 were not tolerated by patients with liver dysfunction. For the 3-hour infusion, doses of 100 mg/m2 could be given to patients with moderate liver dysfunction, but for patients with severe liver impairment (bilirubin 3 mg/dl), doses had to be reduced to 50 mg/m2 [31].
 
★全体的に外来化学療法室がん薬物療法カンファレンスを参考にしました。

感染症疫学WS 解析疫学をマスターしようまとめ

感染症疫学WS
解析疫学をマスターしようの講義の自分用_φ(・_・
 
解析疫学〜仮説を検証する方法
 
コホート研究
・危険因子への曝露群と非曝露群について疾患の発生リスクを比較。
・指標:相対リスク
 
○症例対照研究
・症例群と対照群について危険因子への曝露のオッズを比較。
・指標:オッズ比
 
            ↓
        関連の強さを定量化する
 
1.コホート研究
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相対リスクの解釈=曝露群における疾患の発生リスク/非曝露群における疾患の発生リスク
 
・相対リスク>1 曝露と疾患発生に正の相関がある。
・相対リスク=1 曝露と疾患発生に関連なし。
・相対リスク<1 曝露と疾患発生に負の関連がある。
 
★関連の強さが強いか弱いかさらなる証拠が必要。
 
 
2.症例対照研究
f:id:ruruuun:20161113230544j:imagef:id:ruruuun:20161113230134j:image
 
オッズ比の解釈=症例の曝露のオッズ/対照の曝露のオッズ
 
・オッズ比>1  曝露と発症に正の相関がある。
・オッズ比=1  曝露と発症に関連がない。
・オッズ比<1  曝露と発症に負の関連がある。
 
症例対照研究の対照の選び方←大切!!
原則:
・症例と同じ疾患に罹患するリスクがあるが、罹患していない人。
・年齢、性別、生活環境などの背景ができるだけ症例と類似している人。
・曝露歴に基づいて対照を選んではいけない。
 
 
まとめ
・仮説を検証する。
・関連性を数値で表す。
  →後ろ向きコホート研究:相対リスク
  →症例対照研究:オッズ比(オッズ比しかとれない)
 
追跡研究→→
観察開始時点では疾病のない人を対象にするため、統計的に意味のあるだけの罹患者数などが得られるまでに長い期間と多くの予算、労力が必要なことである。
特に非常に稀な疾病では効率が非常に悪い。
後ろ向きコホート研究の場合にはすでにある資料を用いて短い期間、少ない予算と人員で研究できることがある。
 
症例対照研究→→
対照は通常、患者1人につき1人から5人程度とすることが多い。なおマッチングに用いる変数は交絡因子である。追跡研究ではマッチングによってその交絡因子の影響を制御することができるのに対し、症例対照研究では、マッチング自体では、その交絡因子の影響は制御できない。
ただ、症例対照研究は追跡研究に比べて、非常に効率の良い研究デザイン。
例えば、10万人の集団を追跡して、そのうち200人が発病したとする。追跡研究では10万人分の情報を得なければならないが、症例対照研究では患者一人に4人の対照を得たとしても
合計1000人、すなわち追跡研究全体の1%のデータを収集するだけで済む。
 
 
 
参考資料
感染症疫学ws資料