ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

ROO製剤開始にあたって留意すること

突出痛とレスキュー薬についてまとめ
引用:月間薬事 2015.4より
 
治療が必要な突出痛の3つの条件
次の質問が全て「はい」
 
1.持続痛がありますか?
2.持続痛は適切にコントロールされていますか?
3.一過性の痛みの増悪がありますか?
 
発生メカニズムと臨床的特徴
 
1日あたりの突出痛の発生回数の中央値は3回、痛みの発生からピークに達するまでの時間の中央値は10分。持続時間の中央値は60分。
 
◯3つのサブタイプに分類
1.誘因が明らかで発生予測が可能な突出痛
 →→対策:予防的にレスキュー薬を使用。
      経口オピオイドレスキュー:誘因が起こる30分前
      注射剤:5〜10分前
2.誘因が明らかだが発生が予測できない突出痛
 →→対策:例)咳による痛みの誘発に対する鎮咳剤。
3.誘因の不明な突出痛
 →→対策:迅速にレスキュー薬を使用できるようにレスキュー薬の自己管理を検討する。
 
突出痛評価のポイント
痛みのためにどのようなことができなくなったのか。といった評価は治療効果の評価、治療目標の設定の上で不可欠。
 
1.治療介入の必要な突出痛であることを確認する。
 持続痛が十分にコントロールされた後に残存する突出痛であることを再確認する必要。
 突出痛の1日あたりの発生回数は3回以内の場合が多くこれ以上突出痛が発生している場合は「コントロールされていない持続痛」と判断し、定時オピオイド鎮痛薬の増量や鎮痛補助薬の開始を検討する必要がある。
 
2.突出痛の特徴を評価する。
1)突出痛の原因、誘因を探る
2)痛みの特徴
・ケアに関わること→ケアのタイミング、ライフスタイルの変更を考慮
・レスキュー薬など治療薬の選択に関わること
  1.発生予測の可否
       2.痛みの時間経過がレスキュー薬の薬物動態とあっているか
   →→レスキュー薬の適正化
通常レスキュー薬は定時オピオイドと同じ種類の1/6に設定される。しかし、突出痛の痛みの程度はそれぞれの患者で異なり、定時オピオイド鎮痛薬1日量とレスキュー薬1回量には相関がないことが示されている。したがって、副作用が許容できる場合、レスキュー薬1回量を増量する必要がある。
 
 
★ROO製剤開始にあたって留意すること
 ・口腔内の異常の有無の確認。口腔内が乾燥したり口内炎ができていないか。
  口腔内を湿らせるための飲水は可能かなど。
 ・プロトコールは患者は理解できるか。
 ・自己投与可能か
   →バッカル部位への挿入、舌下での保持。
 ・患者日誌の記載は可能か
   →患者自身あるいは家族が記載可能か確認する。
 
 
 
おやすみなさい。 
 
 
 

プライマリアウトカムの設定について・RCTの吟味について

★抗悪性腫瘍薬のプライマリアウトカムの設定について
患者報告アウトカムとは?:真のエンドポイントの一つとして注目されすでに多くの治験で使用されている。
問題点:評価法の妥当性や再現性、感度のほか、民族間の価値観の相違の問題など様々。
 
・抗悪性腫瘍薬の評価
第3相試験ではプライマリアウトカムは、OS、生存期間とし、他、妥当性の評価された方法による症状緩和効果、QOLに関する評価を行う。
 
QOLだけをエンドポイントにして延命効果をエンドポイントにしないのは不可である。
標準治療と新治療の比較では、毒性が強い新治療では優越性試験により、標準治療よりも高い有効性を証明する必要がある。
一方、毒性が少ない新治療では、有効性が同程度でも標準治療と比較しリスクが下回っていれば新治療が優れているという結論になる。
 
こういった点から毒性が少ない新治療の比較では、非劣性試験が行われることもある。
以下を参考にさせていただきました。
 
★RCTが異なる結果を出すのはなぜか。
RCTは有意差の得られやすい条件でないか考察することが大切。その三要素は、
1.subgroup analysis
2.single center open label study
3.early termination
 
1.subgroup analysis
ある臨床研究をいくつもの群に分けて検討すること。
→→統計的な有意差が偶然に得られる確率を増やすことが知られている。
 
◎そのため結果の解釈には慎重でなければならず結果が有意であった場合、そのサブグループを対象とした研究を再度行う必要がある。
研究全体の結果が陰性で、サブグループの一つのみに有意差を認めた場合は注意が必要。
 
→→確認項目
⚫️multiplicity(多重性)
解析を行う数が増えるほど、偶然に有意差を見出す確率が増える。
そのためより低い有意基準を設定する必要がある。
(例:Pocock法、OBrien-Fleming法、Lan-DeMets法)
サブグループ解析を行うとサンプル数は減少するため、偽陽性偽陰性が発生する確率が増える。
 
⚫️Post-hoc
サブグループ解析の解析項目の設定を研究開始後に行うことを言う。
この場合、たくさんのサブグループ解析を行い、有意差を見出したものだけ報告している可能性が否定できない。
解析項目の設定を事前に行ったものはprespecifiedといい、post-hocと比較して信ぴょう性は高い。
 
2.single center study
臨床研究が一つの施設で行われること。
→副作用はより少なく、治療効果はより高く現れる。非盲検RCTでは治療群に対し、無意識に集中的治療が行われ結果として患者予後が改善される傾向にある(ホーソン効果
 
一方、複数の施設で行われることをmulticenter study
multi center studyの重要性:研究のgeneralizability(一般化能)を高めること。
 
3.early termination
予定したサンプル数に届かないうちに研究を終了すること。
大きく分けて2種類ある。
1)治療群がコントロール群に比べて利点がない。あるいは不利益である。
2)研究の途中で新しい治療法が明らかに優れていると判断された場合。
 
early termination for benefitを行い結果を出している論文を読む際には
・中間解析の回数、時期は研究計画に組み込まれていたか。
・early terminationの明確な基準があらかじめ定められていたか。
・中間解析は独立した機関によって施行されたか。
・多重性を調節する手段としての統計学的手法を用いているか。
 Pocock法、OBrien-Fleming法、Lan-DeMets法
 
以上の4点を確認しその信ぴょう性を確認する必要がある。
 
以下を参考にさせていただきました。

血液ガスを学ぼう〜①呼吸を見る編

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分より自分用まとめ
引用は全て上記の書籍より
 
★血液ガスで重要な4項目
pH
PaCO2
PaO2
HCO3-
 
上記3つが実測。HCO3-はpHとPaCO2から、
pH=6.1 + log([HCO3-]/0.03xPaCO2) (Henderson-Hasselbalchの式)
を使って算出されている。
 
上のうち
●呼吸を見るのは
→PaCO2
 PaO2
 
●酸-塩基平衡を見るのは
→pH
 PaCO2
 HCO3-
 
今回は呼吸を見てみよう。
 
★PaCO2、PaO2を見ることで呼吸の何がわかるのか!!!
 
その前に血液ガス表記の決まりごとを覚えよう
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??最終的に肺胞にたどり着いた時の酸素分圧ってどれくらいになってるのか??
 
→要するにPAO2を求めるには??
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肺というのはガス交換するところ。
肺毛細血管は肺胞に接するように走っていて、体の中で唯一空気と血液が接していてガス交換が行われるところ。
その交換比率は、普通の食生活をしている場合、O2 10こにつきCO2 8こ→→呼吸商(RQ)=0.8
 
CO2は拡散されやすいので次が成り立っている。
 
PACO2=PaCO2
 
よって
PAO2=(760-47)x0.21-PaCO2/0.8  (肺胞気式)
 
前半は「大気圧から水蒸気の分を引いたうちの21%が酸素分圧ですよ」
後半合わせて「その中からガス交換で使った分を引いたのが肺胞の中に残っている酸素分圧ですよ」
 
!!PaCO2さえわかれば、肺胞の中に酸素がどれだけあるか計算でわかる!!
 
→正常なPAO2は?
 まず正常なPaCO2が40mmHgとする。
 肺胞気式からPAO2=100mmHg
 
症例1)PaCO2=80mmHgだったらどう考える??
22歳 男性
呼吸回数 32回/分
室内気でのSpO2 75%
pH 7.08 PaCO2 80mmHg PaO2 40mmHg HCO3- 26mEq/L
 
肺胞気式よりPAO2=50mmHg
 
PAO2が下がるということはPaO2はさらに下がるということ
 
??PaCO2が上がるとPaO2は必ず下がる!!ということはどういうことか。??
 
🌷呼吸のメカニズム
呼吸不全は肺だけとは限らない。
1.呼吸を調節する部分:コントロール系(中枢)
2.筋肉を動かす、空気の通り道になる部分:駆動系(脊髄、末梢神経、呼吸筋、気道など)
3.ガス交換をする部分:ガス交換系(肺)
 
PaCO2上昇→空気の出入り少ない→コントロール系、駆動系の問題(肺以外)→肺胞低換気
 
ポイント!!
PaCO2上昇なら肺以外が悪い!!
 
症例2)PaCO2 36mmHg (正常)PaO2 50mmHgならどう考える??
年齢36歳 女性
体温 39℃ 
呼吸回数 36回/分
室内気でのSpO2 80%
pH 7.43 PaCO2 36mmHg PaO2 50mmHg HCO3- 24mEq/L
 
 
肺胞気式よりPAO2は105mmHg。だけどPaO2は50mmHgしかありませんということ。
 
🌷A-aDO2の考え方(肺胞気ー動脈血酸素分圧較差)
A:肺胞とa:動脈血での酸素分圧の差という意味になる。
 
基準値は10mmHg.年齢が上がるにつれて較差も上がる。
⚠️21%の酸素を吸っている場合
 
A-aDO2の基準値<年齢x0.3
 
症例2では肺胞気ー動脈血較差が55mmHgだから年齢かかわらず高いということが言える。
 
ポイント!!
A-aDO2上昇によるPaO2の低下の原因は肺が悪い!!
 
肺が悪いとは?→次回に。
 
まとめ:
PaCO2上昇なら肺以外の原因
A-aDO2上昇なら肺の原因
 
間違っていたらご指摘を。

糖尿病患者では冠動脈イベントの一次予防に。。。

 
前回に引き続きGノートから
 
糖尿病患者では、上記の論文からの6件のMAにより冠動脈イベントの一次予防が、RR0.79(95%CI 0.7〜0.89)と有意に減ることが示されているので脂質異常症薬物療法を行った方が良いでしょう。
 
とある。
前回のMEGA studyでは複合アウトカムの中の幾つかに有意差がなかったことから、解釈を慎重にすることを学んだ。今回はどうだろう。同じように複合アウトカムである。
複合アウトカムの見方をおさらいしたので上の論文を読んでみよう。
 
 
Efficacy of lipid lowering drug treatment for diabetic and non-diabetic patients: meta-analysis of randomised controlled trials
 
 
【背景】
糖尿病、糖尿病でない患者の脂質異常薬物療法の効果は?
meta-analysis of randomised controlled trials
 
P:patients with and without diabetes mellitus
E:lipid lowering drug treatment
O:主要評価項目
major coronary events defined as coronary heart disease death, non-fatal myocardial infarction, or myocardial revascularisation procedures.
主要な冠動脈イベントの複合アウトカム
(冠動脈疾患死、非致死性心筋梗塞、心筋血行再建術)
 
副次評価項目
Secondary outcomes were coronary artery disease death or non-fatal myocardial infarction, coronary artery disease death, non-fatal myocardial infarction, revascularisation proce- dures, stroke, and blood lipid concentration changes: total cholesterol, LDL cholesterol, HDL cholesterol, and triglycerides.
 
T:12のダブルブラインドのRCTのメタアナリシス
 12のRCTは全てハダッドスコアで3点以上であった。
 
【結果】
主要評価項目
糖尿病患者を対象とした6件のメタアナリシスでは冠動脈イベントの一次予防:0.79(95%CI 0.7-0.89)
非糖尿病患者を対象とした6件のメタアナリシスでは冠動脈イベントの一次予防:0.77(95%CI0.67-0.88)
 f:id:ruruuun:20170418001603p:image
副次評価項目
・非致死的心筋梗塞
糖尿病患者:0.61(95%CI 0.38-0.96)
非糖尿病患者:0.71(95%CI0.61-0.82)
・冠動脈疾患死
糖尿病患者:0.70(95%CI 0.53-0.92)
非糖尿病患者:0.79(95%CI0.65-0.95)
・心筋血行再建術
糖尿病患者:0.70(95%CI 0.53-0.92)
非糖尿病患者:0.79(95%CI0.65-0.95)
 
→→MEGA studyとは異なり、主要評価項目である複合アウトカムも、その一つ一つである副次評価項目も、糖尿病患者、非糖尿病患者ともに有意に同じ傾向を持つ。
 
→→この文献のみからであれば、糖尿病患者も非糖尿病患者も、一次予防でスタチンのような脂質を低下させる薬を服用したほうが心血管イベントの発生を抑制すると言えるかもしれないが、次の二つの文献を持って、
一次予防では薬物療法の効果は小さい。だが例外として、糖尿病患者では薬物療法を行ったほうが良い。
と結論づけている。
 
 
というように自分なりに考察したが良いのかなぁ。
 
 
いつものごとく穴だらけだと思うが、間違っていたらご指摘を。
おやすみなさい。
 
 
 
 

MEGA study-複合アウトカムの解釈のしかた

脳卒中や冠動脈疾患の既往がない脂質異常症患者での薬物療法による一次予防効果はどのくらいなのか。
 
 脂質異常症エビデンスをGノートを見ながらまとめていたが、その中でおなじみのスタディで、複合アウトカムの解釈のしかたを理解していなかったことに気づきました。すべてGノートからの出典となります。
 
MEGA studyでは低〜中リスクの日本人患者において、食事療法を対照としてプラバスタチンの心血管イベント一次予防効果を検証した。
 
主要評価項目】
冠動脈疾患はHR  0.67(95%CI 0.49〜0.91)倍に有意に減少した。
→しかし、有意差があったとはいえ、5,3年間の冠動脈疾患の発症率が
    食事療法単独群:2.5%
    プラバスタチン併用群:1.7%
    その差は非常に小さい。NNTは5年間で119人。
 
 
The incidence of coronary heart disease was significantly lower in the diet plus pravastatin group than in the diet group (hazard ratio 0·67, 95% CI 0·49–0·91; p=0·01). The number needed to treat (NNT) to prevent one coronary heart disease event was 119 during the average 5·3 years follow-up.
 
【冠動脈疾患という複合アウトカム】
複合アウトカムとは、複数のアウトカムを組み合わせてそのどれかが最初に起こったら主要評価項目が発症したとみなすもの。
MEGA studyでは「心筋梗塞」「心血管死/突然死」「狭心症」「冠動脈血行再建術」
 
→研究の結果「冠動脈疾患」という複合アウトカム全体では33%有意に減少するという結果だが、実際に有意に減ったのは「心筋梗塞」と「冠動脈血行再建術」の二つだけ。
→4つのアウトカムのうち発症数が最も多いのは「冠動脈血行再建術」
→つまり主要評価項目である「冠動脈疾患」が有意に減ったのは「冠動脈血行再建術」の有意な減少が大きく影響していると解釈できる。
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◎大切!!
このように複合アウトカムに含まれる個々のアウトカムによって効果の有無が異なる場合には、個々のアウトカムの結果の方を重視するべき!
 
仮に心筋梗塞の予防を期待してプラバスタチンを用いるとしたら、有意差がありHRも0.52と一見大きな効果があるように見えるが、実際は発症率が複合アウトカムの時よりもさらに低くなるためNNTは5.3年間で255人。
 
The frequency of myocardial infarction was also significantly lower in the diet plus pravastatin group than in the diet group (0·52, 0·29–0·94; p=0·03; NNT 255).
 
よって、一次予防におけるスタチン療法は心血管イベントを有意に減らすとしてもその効果は非常に小さいと言える。
NNTが大きいため、目の前の患者さん個人のレベルでは効果を実感することができない。
 
 上記のメタアナリシスに含まれた27件のRCTの5年予測心血管イベント発症率は2.7〜38.2%.
MEGA studyはそのうちで最も低い2.7%
→それだけ日本人の心血管イベントの発症率は低く、薬による治療効果は大きくないと言える。
 
まとめ
今後、複合アウトカムが主要評価項目に設定されているものは、学んだことに着目しながら読んでみようと思います。
 
 
 
 
 

waterfall plot を理解する

これまで抗がん薬の論文で何気なく眺めてきたwater fall plotを理解するために読んでみました。
 
【背景】
何十年もの間、全生存率は臨床試験を解釈するための「ゴールドスタンダード」だった。同様の方法で、カプラン・マイヤー曲線は、臨床試験やその他の生存期間の統計的評価のための生存分析を説明するために長く使用されてきまた。
 
より最近では、腫瘍学の臨床試験への応答の結果および生存のタイプを視覚的に描写する手段として、ウォーターフォールプロットと呼ばれる異なるタイプのグラフが見られる。
 
腫瘍学では、例えば、腫瘍負荷などのパラメータに基づいて特定の薬物に対する個々の患者の応答を提示するために、ウォーターフォールプロットを使用することができる。
 
【プロットの意味】
 
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●プロットを横切る水平(x)軸はベースラインの尺度。
各患者について、ベースラインの上または下のいずれかに垂直バーが描かれる。
垂直バーの一本一本は、一人ひとりの患者を表す。
 
●垂直(y)軸は、ベースラインからの最大パーセント変化。
例えば、放射線測定による腫瘍の成長のパーセントまたは減少を測定するために使用され得る。線の上にある垂直バーは、非応答者または進行性疾患を表す。
ベースライン(x)軸より下の垂直バーは、ある程度の腫瘍縮小を達成した各患者について描かれ、しばしば陰性率として示される。
 
→また個々のバーは患者の他の特徴を別の色で表すことができる。例えばレスポンスのタイプなど(stable or partial)や、喫煙者かそうでないかなど。
 
→客観的な応答などの主要アウトカムだけでなく、どのタイプの患者がその結果を達成しているかに関する追加の関連情報に関するデータも提供する。
 
★waterfall platとKM推定の違い
パネルAおよびBをそれぞれ参照。
 
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→→Aからわかること。
●横軸は治療期間。82人の患者すべてが、水平バーによって表されている。
19人の患者が黄色で示され、カットオフ時に治療を中止した19人の被験者を示し、図のテキストに記載されている中止理由が示されている。この特定のウォーターフォールプロットでは、前のプロットに示されているように、左から右に増加するのではなく、グラフの下端(最小治療期間)から上端(最長期間)まで、治療期間の長さの増加が示されている。
 
 
→→AとBからわかること。
11人の患者が40週でクリゾチニブを服用し続けているようであり、これはパネルBの10ヶ月間のKaplan-Meier PFS推定値で示された約9人の患者に類似している。すべての患者はその時点より前に中止しているように示されている。
Bでは、全82人の患者がPFSのKM推定値で表される。死亡した各患者は、約10ヶ月でPFSが起こる確率は50%であると推定され、KM曲線の低下をもたらす。危険にさらされている患者数は、10ヶ月時点で82人から9人に、15ヶ月に2人の確率で推計された。
 
 
★waterfall plotの利点
 1)各患者の腫瘍負荷の減少を提示する点で、細胞毒性剤および生物学的または細胞増殖抑制剤の両方について、新規の有効性尺度として役立ち得ることである。
2)第2の利点は、RECIST基準で評価される安定した疾患の解釈に関連する可能性がある。
安定している疾患では、腫瘍の増殖や減少が控えめだったりして、客観的なレスポンスや病気の進行具合を評価するのに難渋する。
 
★waterfall plotの欠点
1)それぞれ水平線に沿った個々の患者を表しているので、患者のより小さな集団で最も効果的。より大きな集団については、より大きな患者群に適応するためにグラフが最適な視覚を超えて伸びる必要があるため、ウォーターフォールプロットの提示は扱いにくくなる可能性がある。
2)1:1以外のランダム化スキームを使用した研究は、滝のプロット技術にも役立たない。前述のように、各垂直プロットは単一の患者を表すので、ウォーターフォールプロットは、容易に図示され明確に理解されるが、異なるランダム化スキーム、例えば2:1または3:1を描写するには限界がある。
 
◎まとめ◎
waterfall plotは、特定の患者にとってはうまくいくが他の患者にとってはうまくいかない治療についての情報を示す。
特定の患者が特定の治療法に反応するかどうかについてデータがより明確になるにつれて、プロットの表示の右端と左端の患者を見ることの重要性がますます高まる。
右側の被験者が示したより応答性のある、またはより長い応答時間と、左端(または下)に示されたバーに描かれた個体におけるそのような反応の欠如の根本的な理由を決定する臨床試験の将来の研究と設計に焦点を当てるのに役立つかもしれない。
 
◎感想◎
ここ最近読んでいた、免疫チェックポイント阻害剤についての論文で、以前参加させていただいたWSで
「waterfall plotが「キモ」です!!」
という解説があり、まずその読み方がわからなかったので大まかに理解できたと思います。
間違って解釈していたらご指摘を。
 
→疑問
免疫チェックポイント阻害剤は例えば、分子標的薬などに比べると、waterfall plotのy軸が、腫瘍のベースラインからの変化率の場合では、バーがベースラインより上(腫瘍がむしろ増加している)になる患者の割合が多いのではないか。
ただ、今は適切なバイオマーカーがわからない場合もあるからそうなっているだけで、適格な患者集団での試験ならばそうはならないのではないかと考える。
 
それではよい週はじめを!
 

進行性尿路上皮癌におけるペムブロリズマブの効果

免疫チェックポイント阻害剤の文献を、ニボルマブに引き続いて読んでみて同じ傾向をたどるものか調べてみたくて読みました!
知識不足も多々あるので間違いあると思います。
 
 
【要約】
・背景
プラチナベースの化学療法後に進行する進行性尿路上皮癌を有する患者は予後不良であり、治療選択肢が限られている。
・方法
P:白金ベースの化学療法後に再発または進行した進行性尿路上皮癌患者542人
E:pembrolizumab(高度に選択されたヒト化モノクローナルIgG4κアイソタイプの[ PD-1])を3週間ごとに200mgの用量で投与。
C:研究者がパクリタキセルドセタキセルまたはビンフルニンのいずれかの化学療法を選択。
O:全生存率および無増悪生存率
 
・結果
OSの中央値
ペムブロリズマブ群 10.3ヵ月(95%CI、8.0〜11.8)
化学療法群    7.4ヵ月(95%CI、6.1〜8.3)
死亡についてはハザード比 0.73; 95%CI、0.59~0.91; P = 0.002
 
10%かそれ以上のPD-L1陽性スコアを持つ患者のOSの中央値
ペムブロリズマブ群 8.0か月(95%CI、5.0〜12.3)
化学療法群     5.2か月(95%CI、4.0〜7.4)
ハザード比                  0.57;  95%CI 0.37〜0.88; P = 0.005
 
PFS:2群間に重要な差はなかった。
全患者集団における死亡、または疾患進行のハザード比(0.98; 95%CI、0.81〜1.19; P = 0.42)
10%かそれ以上のPD-L1陽性スコアを持つ患者においてもPFSに有意差はなかった。
(ハザード比0.89; 95%CI 0.61〜1.28; P = 0.24)。
 
化学療法群よりもpembrolizumab群ではいずれのグレードの治療関連有害事象も少なかった(60.9%対90.2%)。化学療法群よりもpembrolizumab群で報告された重篤度3、4、または5の事象も少なかった(15.0%対49.4%)。
 
結論
Pembrolizumabはプラチナ不応性進行性尿路上皮癌の2次治療として化学療法より有意に長い全生存期間(約3ヶ月)および治療関連有害事象の発生率が低かった。 (Merckから資金提供; KEYNOTE-045 ClinicalTrials.gov番号、NCT02256436)。
 
適格基準
・18才以上の患者
・組織学的検査で移行上皮癌であり、腎盂、尿管、膀胱または尿道の尿路上皮癌
・プラチナベースの化学療法後に進行した。
・局所的な筋肉浸潤性疾患のためのプラチナベースのアジュバントまたはネオアジュバント治療後、12ヵ月以内に再発
・病気の進行のために2、3の計画的な化学療法を受けていた。
・PS 0 1 2
 
除外基準
・次の予後不良因子のうちの1つまたは複数を有していた場合
ヘモグロビン濃度が10g / dL未満、肝転移の存在、および最も最近の化学療法の最後の投与を3ヶ月前に受けた場合。
・以前に抗PD-1、抗PD-L1または抗CTLA-4療法を受けていた。
 
批判的吟味チェック項目
・ランダム割り付けか。→ランダム
  we randomly assigned 542 patients
  割り付け方法:IVRS(プロトコルより)→中央割り付けであり隠蔽化されている。
・ITT解析か→ITT解析である。
 
 
・脱落あるか→なし。lost to follow-upなし。
・マスキングされているか。
 open labelであるため、患者、介入評価者はマスキングされていない。
 アウトカム評価者は、今回プライマリアウトカムがOSであるためさほど問題でない?
 データ解析者はマスキングされている。プロトコルより。
・サンプルサイズは計算されているか→計算されている風。→プロトコルより
 
・患者背景に特に大きい違いは認められない。
 
【結果】
・全生存期間12ヶ月目から計算すると、NNT 8人
・有害事象では化学療法群では見られなかったグレード3〜5の副作用は次の通り
  肺臓炎(2.3%)
  腎炎   (1.1%)
  大腸炎(0.8%)
  腎機能不全(0.4%)
 
【考察】
・OS、PFSでのKM曲線に交差が見られる。
・OSは有意差があるとはいえ、2群の信頼区間の重なりがある。
・サブグループ解析から、これまでの他の免疫チェックポイント阻害剤と同じようにPD-L1の発現により効果が異なることが示唆された。
・喫煙とペムブロリズマブの利益との相関は、他の進行癌の免疫チェックポイント阻害剤の治療でも見られる。
・PFSでは6か月まで反転していることから、(またニボルマブなど他の免疫チェックポイント阻害剤でも同じような動向をたどることから)代用のアウトカムとしてこれまで化学療法のエンドポイントとして使われてきたが、免疫チェックポイント阻害剤ではなりえないのではないか。
 
 
CM057ではニボルマブのPFS曲線の交差について次のように考察している。
→免疫チェックポイント阻害剤では典型的な効果の遅れの発現による。
 
実際のところOSのKM曲線でも交差は見られる。
 
 
上記の文献では次のような記述がある。
 
「KM曲線の交差は割り付けされたpopulationの異質性による。PD-L1陽性の患者ならOSのKM曲線は早期に2群が分かれてくるはずである。」
今回の文献ではPD-L1の発現率別によるOS,PFSのKM曲線の記述はsupplementary appendixにもなかったがCM057では、その通り2群が早期に乖離してきていた。
 
 
Of note, there appeared to be a delayed benefit for nivolumab, as seen by the KM curves in which the population of patients allocated to nivolumab appeared to have more deaths before the 6-month time point.The most likely explanation for this observation is that the population enrolled was heterogeneous, and not selected based on PD-L1 status. When looking only at PD-L1-positive patients, the KM OS curves separate early. The OS results were supported by a modest but statistically significant difference in ORR (19% vs. 12%; p 5 .025) and a notable difference in duration
 
考えるに、KM曲線の交差は割り付けされたpopulationの異質性によるということはあっても効果が遅れて出てくるからという理由ではないのではないか。
 
最後に気がついたのだが、CM057ではニボルマブはPD-L1の発現率10%以上ではもちろんOS中央値は全体のOS中央値に比べて長いのだが、ペムブロリズマブでは逆に短いのはどうしたことだろう??謎です。
 
臨床に応用するということは難しいことだと再認識しました。
次のサイトも参考にしました。
 
様々な要素が絡み合って、もう少しこの分野の文献を読み続けないと考察もぼんやりしたものになるなと思っています。
 
おつきあいいただきありがとうございます。
良い週初めを!!