ruruuunのブログ

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非劣性試験:仮想プラセボという考え方

非劣性試験の目的には
「被験薬が実対照薬に比べてあまり劣っていないことの検証」のほか
「仮想プラセボに対する有効性の検証」
の2通りがある。
被験薬がプラセボに対して劣っていないことを保証し、被験薬の最低限の有効性を担保しようとするもの。
 
過去に行われた実対照薬🆚プラセボの優越試験の差をM1とする。
M1を超えて劣っていないというだけでは被験薬が被験薬が臨床的に意味のある効果を有するとは言えない場合もあるため
 
「M1の何割が維持されていれば被験薬が受け入れ可能か」
 
という臨床的判断を反映する値としてM2を設定することが一般的。例えばM1の50%とするなど。
M2を超えて劣っていなければ実対照薬に対する非劣性が示されたと言える。
このように仮想プラセボの考え方を取り入れた非劣性試験では2種類の非劣性マージンM1、M2を設定する。
M2を設定するM1の何%を維持しているべきかを表す維持率(retention rate)の値を決める必要があり維持率の決定には曖昧な要素が入る。
 
 
★解析集団について
非劣性試験では必ずしもITT(FAS)での解析が適しているわけではない。ITT(FAS)での解析は差が薄まる傾向にある。非劣性ではプロトコールに適合した解析集団PPSでの解析も重要になる。
 
◉仮想プラセボの考えに基づく非劣性試験を読もう
 
 
プライマリアウトカムであるOSのみ、今回は見てみよう!
 
試験デザイン:randomized phase 3 non-inferiority study 
 
ASPECCT was the first head-to-head, randomised, phase 3 study to evaluate efficacy and safety of panitumumab versus cetuximab for treatment of chemotherapy-refractory wild-type KRAS exon 2 mCRC.
 
P:Patients with wild-type KRAS exon 2 mCRC who progressed on or were intolerant to irinotecan- or oxaliplatin-based chemotherapy
 
I,C: panitumumab 6 mg/kg once every 2 weeks or cetuximab (400 mg/m2) followed by 250 mg/m2 weekly. 
 
O:The primary end-point was OS assessed for non-inferiority. 
 
 
This non-inferiority study was designed to demonstrate that panitumumab retained ≥50% of the OS treatment effect of cetuximab versus BSC 
 
セツキシマブのBSCに対する優越試験の差をM1、パニツムマブがM1の50%以上を維持しているかを検証することを目的としたデザインである。
 
??fig1より、各群のdiscontinued the studyとdiscontinued panitumumab または cetuximabの違い、記載されているlost to follow-upの違いがわからない。
 
999名がパニツムマブ499名、セツキシマブに500名に割り付けられている。(2010 2月〜2012 7月)
 
2群に割り付けられた患者背景に偏りは見られない。
解析は脱落も含めた解析でITTと考えられる。
 
??lost to follow-upも含め、割り付けられた人数と同じ人数がefficacy analysis setとなっている。
ITT解析なのか?
 
非劣性試験ではITT解析でないほうがいいと思っていたが、ITTとPPSの結果に乖離が見られた時は、両集団が大きく異なっていることを示すため、そもそも試験の質に疑念が生じるということ。そこでいずれの解析集団でも非劣性を示す必要があるとの意見も。
 
 
results
2014.9.15 final analysis
 
Median OS times with panitumumab and cetuximab treatment were 10.2 months and 9.9 months, respectively (HR = 0.94; 95% CI = 0.82–1.07; P = 0.0002; Fig. 2A ). The retention rate was 1.11, indicating that panitumumab treatment preserved 111% of the cetuximab OS benefit. The non-inferiority test was positive (Z-score = −3.58; P = 0.0002), 
 
M1の維持率は111%(95%CI 88%-133%)fig2より
信頼区間の下限も50%を超えている。
よって、パニツムマブのBSCに対するOSの有効性が示され、併せてセツキシマブに対する非劣性が示されている。
 
ASPECCT試験では非劣性マージンが設定されていない。
より高い検出力が得られる統合法が用いられている。
大腸癌領域では、仮想プラセボの考え方かつ、統合法を用いたのはASPECCT試験が初めて。
 
統合法についてはまたいつか。
 
消化器癌治療の広場よりまとめました。