ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

EGFR-TKI投与中の皮膚毒性をいかにコントロールするか。rash trial Phase 3

最近、尊敬する皆さんがブログを始められて私の勉強になり嬉しい限りです!!
そんな中、私のえっちらおっちらブログは相も変わらず続けます。
 
Pan Canadian Rash Trial: A Randomized Phase III Trial Evaluating the Impact of a Prophylactic Skin Treatment Regimen on Epidermal Growth Factor Receptor-Tyrosine Kinase Inhibitor-Induced Skin Toxicities in Patients With Metastatic Lung Cancer.
 
 
EGFR-TKI投与中の皮疹で難渋している方を見かけます。
エルロチニブ誘発性皮疹に対するミノサイクリンによる予防的投与の効果を検討したランダム化第3相試験の結果が公表されたので吟味してみよう!!
 
P:進行性のNSCLC,2次、3次療法でエルロチニブを服用している患者さん。
 
E: arm1. ミノサイクリンを予防的投与(100mgを1日2回4週間投与)
 arm2.対症療法群(皮疹出現後に皮疹のグレードごとに投与)
  
C:arm3. 重篤(グレード3)以外は無治療群とする。
 
O:co-primary end points.
・エルロチニブによるrashの発生率(どんなグレードでも)
 他エルロチニブによるrashは自然治癒するかどうか
 
セカンダリ
エルロチニブ誘発性の皮疹の重篤度を1グレード下がるまでの時間
エルロチニブ誘発性の最重篤度
皮疹が一番初めに発現するまでの時間
皮疹の発生率と重篤度の関係
エルロチニブに対する反応性とOS
DLQIスコアによるQOL
 
皮疹のアセスメント
3ヶ月までは4週間ごとに、その後は2ヶ月ごとに評価。
皮疹を様々な角度から評価。顔、頭皮のざ瘡様発疹、体の皮疹、乾燥肌、搔痒、爪の変化。

Based on the National Cancer Institute Common Toxicity Criteria grading scaleを用いて。

 

[スタディデザイン]
multicenter, open-label, randomized, three-arm phase III trial
1:1:1に割り付け
 
[rash treatment]
 
arm1.エルロチニブの治療開始から4週間、ミノサイクリン100mgを1日2回。
終了後、または、その期間に皮疹が発現したらarm2を開始。
この場合、ミノサイクリンはのちに再投与。
arm2.次のような処置を行う。
f:id:ruruuun:20170103011533j:image
本文から引用
arm3:グレード3の重篤な皮疹が発生したら、もしくは、症状が耐え難いものなら、arm2の処置を行う。
 
◎吟味◎
1.ランダム割り付けされているか→されている。封筒法
 
2.ベースラインは同等か→PSに少しばらつきがあるようだが層別化されていないとの記載がdiscussionにあり。
 
3.ITT解析か→そうである。記載は見当たらないがfig1より確認。
 
4.結果に影響を及ぼすほどの脱落があるか→ない。
 
5.症例数は充分か→サンプルサイズが計算されている。
 
6.結果の評価
プライマリアウトカム
・皮疹の発生率(すべてのグレード):E vs Cに有意差なし。治療群と関係なく皮膚障害の発生率は84%
・グレード3の皮疹の発生率:arm1,2とも有意に発生が少なかった。
 ミノサイクリン予防投与群:無治療群(arm3)=12%:28% p=0.0455
    対症療法群(arm2):無治療群(arm3)=8%:28% p=0.0092
   NNTを計算してみると、
    arm1 ミノマイシンの予防的投与群 NNT=6.3
    arm2 対症療法群         NNT=5.0
  また皮疹は自然軽快することはなかった。
セカンダリアウトカム
・ミノサイクリンの予防投与により最も重篤な皮疹出現までの期間は延長。
 無治療群ではグレード3の皮疹が有意に多かった。
・OSは治療群間で有意差はなかった。
→少しはしょりました。
 
◎まとめと考察◎
 
STEPP試験との比較の考察
STEPP試験は、転移性の大腸、結腸癌患者でパニツムマブ投与中の皮膚毒性のグレード2以上の発生率を、予防的投与群(抗生剤、外用)と対症療法群の比較で行った初めての第2相試験。
 
→以前、こちらのブログでも勉強しました。
 
 結果は予防的投与群が対症療法群に比べ、有意に皮膚毒性の発生を抑えた。(NNT=3)
 
今回は、予防的投与群がミノサイクリンのみになり、他対症療法群と無治療群の3アームの試験である。
 
無治療群が設定されたことは、ミノマイシンの予防的投与の効果をより追求したい目的があったのだろうか。ただ皮膚毒性が現れる可能性が極めて高いと推測されるのに無治療群(イベントが現れたらアーム2を開始するにしても)を設定するのはどんなもんだろうと考える。
 
 NNTがいずれも一桁であることと、グレード3以上の皮疹が予防的投与群と対症療法群で有意に少なかったことと、STEPP試験の結果を踏まえて、予防的投与と対症療法を併用して行うのがいいのではないかと思う。
 
実際のところ、ミノサイクリンの内服と保湿のための外用薬、ステロイドの軟膏がともに処方されているのを拝見する。
 
皮膚毒性の副作用をマネジメントすることが、EGFR-TKIのドーズを保ち、QOLを維持するために大切なことであるのはSTEPP試験の考察でも述べた通り。
 
解釈間違っているかもしれません。ご指摘お願いします。
おやすみなさい。