読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ruruuunのブログ

まったくの自分用メモ。ほかこんなこと考えてるよメモ。メモメモメモ。

進行性尿路上皮癌におけるペムブロリズマブの効果

尿路上皮癌 論文
免疫チェックポイント阻害剤の文献を、ニボルマブに引き続いて読んでみて同じ傾向をたどるものか調べてみたくて読みました!
知識不足も多々あるので間違いあると思います。
 
 
【要約】
・背景
プラチナベースの化学療法後に進行する進行性尿路上皮癌を有する患者は予後不良であり、治療選択肢が限られている。
・方法
P:白金ベースの化学療法後に再発または進行した進行性尿路上皮癌患者542人
E:pembrolizumab(高度に選択されたヒト化モノクローナルIgG4κアイソタイプの[ PD-1])を3週間ごとに200mgの用量で投与。
C:研究者がパクリタキセルドセタキセルまたはビンフルニンのいずれかの化学療法を選択。
O:全生存率および無増悪生存率
 
・結果
OSの中央値
ペムブロリズマブ群 10.3ヵ月(95%CI、8.0〜11.8)
化学療法群    7.4ヵ月(95%CI、6.1〜8.3)
死亡についてはハザード比 0.73; 95%CI、0.59~0.91; P = 0.002
 
10%かそれ以上のPD-L1陽性スコアを持つ患者のOSの中央値
ペムブロリズマブ群 8.0か月(95%CI、5.0〜12.3)
化学療法群     5.2か月(95%CI、4.0〜7.4)
ハザード比                  0.57;  95%CI 0.37〜0.88; P = 0.005
 
PFS:2群間に重要な差はなかった。
全患者集団における死亡、または疾患進行のハザード比(0.98; 95%CI、0.81〜1.19; P = 0.42)
10%かそれ以上のPD-L1陽性スコアを持つ患者においてもPFSに有意差はなかった。
(ハザード比0.89; 95%CI 0.61〜1.28; P = 0.24)。
 
化学療法群よりもpembrolizumab群ではいずれのグレードの治療関連有害事象も少なかった(60.9%対90.2%)。化学療法群よりもpembrolizumab群で報告された重篤度3、4、または5の事象も少なかった(15.0%対49.4%)。
 
結論
Pembrolizumabはプラチナ不応性進行性尿路上皮癌の2次治療として化学療法より有意に長い全生存期間(約3ヶ月)および治療関連有害事象の発生率が低かった。 (Merckから資金提供; KEYNOTE-045 ClinicalTrials.gov番号、NCT02256436)。
 
的確基準
・18才以上の患者
・組織学的検査で移行上皮癌であり、腎盂、尿管、膀胱または尿道の尿路上皮癌
・プラチナベースの化学療法後に進行した。
・局所的な筋肉浸潤性疾患のためのプラチナベースのアジュバントまたはネオアジュバント治療後、12ヵ月以内に再発
・病気の進行のために2、3の計画的な化学療法を受けていた。
・PS 0 1 2
 
除外基準
・次の予後不良因子のうちの1つまたは複数を有していた場合
ヘモグロビン濃度が10g / dL未満、肝転移の存在、および最も最近の化学療法の最後の投与を3ヶ月前に受けた場合。
・以前に抗PD-1、抗PD-L1または抗CTLA-4療法を受けていた。
 
批判的吟味チェック項目
・ランダム割り付けか。→ランダム
  we randomly assigned 542 patients
  割り付け方法:IVRS(プロトコルより)→中央割り付けであり隠蔽化されている。
・ITT解析か→ITT解析である。
 
 
・脱落あるか→なし。lost to follow-upなし。
・マスキングされているか。
 open labelであるため、患者、介入評価者はマスキングされていない。
 アウトカム評価者は、今回プライマリアウトカムがOSであるためさほど問題でない?
 データ解析者はマスキングされている。プロトコルより。
・サンプルサイズは計算されているか→計算されている風。→プロトコルより
 
・患者背景に特に大きい違いは認められない。
 
【結果】
・全生存期間12ヶ月目から計算すると、NNT 8人
・有害事象では化学療法群では見られなかったグレード3〜5の副作用は次の通り
  肺臓炎(2.3%)
  腎炎   (1.1%)
  大腸炎(0.8%)
  腎機能不全(0.4%)
 
【考察】
・OS、PFSでのKM曲線に交差が見られる。
・OSは有意差があるとはいえ、2群の信頼区間の重なりがある。
・サブグループ解析から、これまでの他の免疫チェックポイント阻害剤と同じようにPD-L1の発現により効果が異なることが示唆された。
・喫煙とペムブロリズマブの利益との相関は、他の進行癌の免疫チェックポイント阻害剤の治療でも見られる。
・PFSでは6か月まで反転していることから、(またニボルマブなど他の免疫チェックポイント阻害剤でも同じような動向をたどることから)代用のアウトカムとしてこれまで化学療法のエンドポイントとして使われてきたが、免疫チェックポイント阻害剤ではなりえないのではないか。
 
 
CM057ではニボルマブのPFS曲線の交差について次のように考察している。
→免疫チェックポイント阻害剤では典型的な効果の遅れの発現による。
 
実際のところOSのKM曲線でも交差は見られる。
 
 
上記の文献では次のような記述がある。
 
「KM曲線の交差は割り付けされたpopulationの異質性による。PD-L1陽性の患者ならOSのKM曲線は早期に2群が分かれてくるはずである。」
今回の文献ではPD-L1の発現率別によるOS,PFSのKM曲線の記述はsupplementary appendixにもなかったがCM057では、その通り2群が早期に乖離してきていた。
 
 
Of note, there appeared to be a delayed benefit for nivolumab, as seen by the KM curves in which the population of patients allocated to nivolumab appeared to have more deaths before the 6-month time point.The most likely explanation for this observation is that the population enrolled was heterogeneous, and not selected based on PD-L1 status. When looking only at PD-L1-positive patients, the KM OS curves separate early. The OS results were supported by a modest but statistically significant difference in ORR (19% vs. 12%; p 5 .025) and a notable difference in duration
 
考えるに、KM曲線の交差は割り付けされたpopulationの異質性によるということはあっても効果が遅れて出てくるからという理由ではないのではないか。
 
最後に気がついたのだが、CM057ではニボルマブはPD-L1の発現率10%以上ではもちろんOS中央値は全体のOS中央値に比べて長いのだが、ペムブロリズマブでは逆に短いのはどうしたことだろう??謎です。
 
臨床に応用するということは難しいことだと再認識しました。
次のサイトも参考にしました。
 
様々な要素が絡み合って、もう少しこの分野の文献を読み続けないと考察もぼんやりしたものになるなと思っています。
 
おつきあいいただきありがとうございます。
良い週初めを!!