ruruuunのブログ

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MEGA study-複合アウトカムの解釈のしかた

脳卒中や冠動脈疾患の既往がない脂質異常症患者での薬物療法による一次予防効果はどのくらいなのか。
 
 脂質異常症エビデンスをGノートを見ながらまとめていたが、その中でおなじみのスタディで、複合アウトカムの解釈のしかたを理解していなかったことに気づきました。すべてGノートからの出典となります。
 
MEGA studyでは低〜中リスクの日本人患者において、食事療法を対照としてプラバスタチンの心血管イベント一次予防効果を検証した。
 
主要評価項目】
冠動脈疾患はHR  0.67(95%CI 0.49〜0.91)倍に有意に減少した。
→しかし、有意差があったとはいえ、5,3年間の冠動脈疾患の発症率が
    食事療法単独群:2.5%
    プラバスタチン併用群:1.7%
    その差は非常に小さい。NNTは5年間で119人。
 
 
The incidence of coronary heart disease was significantly lower in the diet plus pravastatin group than in the diet group (hazard ratio 0·67, 95% CI 0·49–0·91; p=0·01). The number needed to treat (NNT) to prevent one coronary heart disease event was 119 during the average 5·3 years follow-up.
 
【冠動脈疾患という複合アウトカム】
複合アウトカムとは、複数のアウトカムを組み合わせてそのどれかが最初に起こったら主要評価項目が発症したとみなすもの。
MEGA studyでは「心筋梗塞」「心血管死/突然死」「狭心症」「冠動脈血行再建術」
 
→研究の結果「冠動脈疾患」という複合アウトカム全体では33%有意に減少するという結果だが、実際に有意に減ったのは「心筋梗塞」と「冠動脈血行再建術」の二つだけ。
→4つのアウトカムのうち発症数が最も多いのは「冠動脈血行再建術」
→つまり主要評価項目である「冠動脈疾患」が有意に減ったのは「冠動脈血行再建術」の有意な減少が大きく影響していると解釈できる。
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◎大切!!
このように複合アウトカムに含まれる個々のアウトカムによって効果の有無が異なる場合には、個々のアウトカムの結果の方を重視するべき!
 
仮に心筋梗塞の予防を期待してプラバスタチンを用いるとしたら、有意差がありHRも0.52と一見大きな効果があるように見えるが、実際は発症率が複合アウトカムの時よりもさらに低くなるためNNTは5.3年間で255人。
 
The frequency of myocardial infarction was also significantly lower in the diet plus pravastatin group than in the diet group (0·52, 0·29–0·94; p=0·03; NNT 255).
 
よって、一次予防におけるスタチン療法は心血管イベントを有意に減らすとしてもその効果は非常に小さいと言える。
NNTが大きいため、目の前の患者さん個人のレベルでは効果を実感することができない。
 
 上記のメタアナリシスに含まれた27件のRCTの5年予測心血管イベント発症率は2.7〜38.2%.
MEGA studyはそのうちで最も低い2.7%
→それだけ日本人の心血管イベントの発症率は低く、薬による治療効果は大きくないと言える。
 
まとめ
今後、複合アウトカムが主要評価項目に設定されているものは、学んだことに着目しながら読んでみようと思います。