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VTEの既往のあるがん患者には、DOACは勧められるのか。

Meta-analysis of the efficacy and safety of new oral anticoagulants in patients with cancer-associated acute venous thromboembolism.

◉疑問
VTEの既往のあるがん患者には、DOACは勧められるのか。
 
introductionより
Symptomatic急性静脈血栓塞栓症(VTE)は、がん患者の一般的な合併症であり、がん患者の15%までがその病気の経過中に発生し、悪性腫瘍自体の後の第2の主要死因である。癌患者における急性VTEの抗凝固療法は、再発性VTEおよび出血合併症の高いリスクの両方により複雑である。
 
近年、ビタミンKアンタゴニスト(VKAs)と同様の有効性を有する直接的なIIa阻害剤(すなわちダビガトラン)および直接FXa阻害剤(アピキサバン、エドキサバン、およびリバロキサバン)を含む新規経口抗凝固剤(NOAC)急性VTE患者の治療において優れた安全性プロファイルが報告されている。
 
●現在のガイドラインでは、がんが活動的であり、出血リスクが許容され続ける限り、抗凝固療法の継続を推奨されている。
結果として、患者は、6ヶ月〜数年の期間にわたって出血合併症の高いリスクに曝される。
●低分子量ヘパリン(LMWH)は、VTE再発の予防における優れた有効性、およびVKAsに関連する出血プロファイルと同様の出血プロファイルのために、癌関連VTEの現在の好ましい抗凝固剤である。しかし、これらの薬物は、毎日の皮下投与の負担を患者に強いる。一部の患者にとっては、これがVKAを求める理由となる。
 
論文のPICO
P:VTEの既往のあるがん患者(18歳以上の外来患者)
I:NOAC
C:VKA
O:有効性の結果は再発性のVTEの発症
 安全性の結果は大出血および臨床的に関連する非重大出血
 
1.研究は網羅的に集められたか
 データベース デザイン
MEDLINE (via PubMed), EMBASE, the Cochrane Database of Systematic Reviews and the clinical trials registry from inception to May 2014 to identify randomized controlled trials comparing a NOAC with a VKA or an LMWH in patients with acute VTE, using a similar approach as in a recent meta-analysis [ 10 ].
 
期間:発足?から2014.5まで
 
検索語:サプリメンタルに詳細
出版バイアス:From all identified studies, we included only those in whom outcomes for patients with active cancer were reported separately in the original publication, supplementary information, or related publications.
重複:本文中、サプリメンタルには記載なし。
言語:英語以外(サプリメンタルに記載)
複数の評価者で評価されたか:Two independent researchers performed the study selection and data abstraction.
 
2.集めたものは妥当か
The quality of the studies was assessed with the Cochrane Collaboration's tool for assessing risk of bias in randomized trials 
 
 
3.異質性は評価されたか
Assessment of heterogeneity was performed by calculation of the I 2 statistic.
 
4.結果は統合されたか
RRs with concomitant 95% CIs were calculated with the Mantel–Haenszel random effects model, through review manager 
今回のRCTは5件
 
 
結果 
すべての研究では、標準用量でNOACをVKAと比較し、目標国際標準化比2.0〜3.0で比較した。合計で、試験には196060人の患者が含まれ、そのうち973人(5.1%)が活発な癌を有していた。個々の研究の間で、活動性悪性腫瘍を有する患者のパーセンテージは、2.5%〜6.6%の範囲であった。活動性がん患者のうち514人(53%)がNOACで、459人(47%)がVKAで治療されていた。
がん患者の分析はサブグループ解析であった。
 
再発VTE:
NOACで治療したがん患者における再発性VTEの発生率は1.8%〜5.8%であり、VKAで治療した癌患者では2.8%〜7.4%であった(表  1)。プールされた発生率は
NOACでは4.1%(95%CI 2.6-6.0)
VKAでは6.1%(95%CI 4.1-8.5)
RRは0.66(95%CI 0.38-1.2)
 
活動性がんのない患者では、再発性VTE発生率は
NOACで治療した患者では2.0%〜3.0%、VCAで治療した患者では1.8%〜3.5%プールされた発生率は、
NOACS 2.6%(95%CI 2.3-2.9)
VKA  2.5%(95%CI 1.8-3.4)
RRは0.98(95%CI 0.83-1.2)
 f:id:ruruuun:20170710021430p:image
本文より引用
大出血と臨床的に関連する非重大出血の合併症の合併症発生率:
NOACで治療した癌患者では12%〜18%、VKAで治療した癌患者では9.9%〜25%であった。NOAC 15%(95%CI 12-18)
VKA   16%(95%CI 9.9-22)
RRは0.94(95%CI 0.70-1.3)
 
非がん患者では、大出血と臨床的に関連する非重大出血の発生率は、NOACで治療した患者で3.7%〜10%、VKAsで治療した患者で7.3%〜11%であった。
NOAC 7.4%(95%CI 4.8-11)
VKA     9.1%(95%CI 7.3-11)
RR  0.81 (95%CI 0.64-1.02)
 
limitation
●含まれる研究のどれにも活動性がんについての詳細な定義がない。
First, none of the included studies gave a detailed definition of 'active cancer’.
●NOACをVKAsとのみ比較したが、LMWHは癌関連の急性VTEの現在の治療法である。したがって、癌関連VTE患者におけるNOACをLMWHと比較して、その有効性と安全性を検討することが望ましい。
In a Cochrane meta-analysis, it was demonstrated that LMWHs have a similar safety profile to VKAs (RR for major bleeding of 1.05, 95% CI 0.53–2.1), with higher efficacy in preventing
recurrent VTE (RR 0.47, 95% CI 0.32–0.71)
今回の結果は検出力不足かもしれない。
●研究におけるVTE再発の数は、これらの事象の重症度、すなわち致命的な肺塞栓症のリスクまたは再発性急性肺塞栓症に対する再発性の深部静脈血栓症のリスクを比較するには低すぎた。
 
●NOACs の半減期が短い、抗凝固効果のモニタリングができないなどの問題。VKAの薬物相互作用の問題。
経口投与は、嘔吐または粘膜炎の発症時の胃腸管吸収に関する癌患者の懸念を引き起こす可能性があるという問題。
 
 
癌患者のみの選択的な包含を伴うLMWHとの直接比較の欠如のため、NOACは、癌患者におけるVTEの第一線治療としてまだ推奨することができない。
 
_φ( ̄ー ̄ )
今回のメタ分析はlimitationを見ても分かる通り、NOACとVKAで有効性、安全性にかわりがないと言い切れるものではないと考える。
確かに、がん種によっても患者の術後の消化管の状態によっても、最善の策は変わってくるだろう。
私の中ではシナリオの、いや実際の患者が想定されているのですが患者が希望する環境、アウトカムに思いを馳せつつ考察を重ねたいと思います。
 
次のもまとまっていて面白いと思いました。
 
今回は、チャレンジで、あるCQを調べるのに、最新のメタ分析をまず探し、そこから現在までの研究を探して傾向を見つけていくというミッションを自分に課したのですが、あえなく撃沈となりそうです。。
 
今週もぼちぼちいきましょう。
読んでいただきありがとうございます。