ruruuunのブログ

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非劣性試験の結果から優越性も結論付けて良いのか〜LEADER試験の結果から

非劣性試験の結果から優越性も結論付けて良いのか〜LEADER試験の結果から

というテーマでLEADER試験を見てみる。

Liraglutide and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes.

リラグルチドのプラセボに対する心血管アウトカムのマージン1.3とした非劣性試験と、優越性試験として計画された。
 
 
P:patients with type 2 diabetes and high cardiovascular risk 
E:either 1.8 mg (or the maximum tolerated dose) of liraglutide
いずれもin addition to standard care
O:The primary composite outcome in the time-to-event analysis was the first occurrence of death from cardiovascular causes, nonfatal (including silent) myocardial infarction, or nonfatal stroke.
 
 design:multi center, double-blind, placebo-controlled trial at 410 sites in 32 countries. 
 
 
★優越性と非劣性の大きな違いは帰無仮説の違い
 
勉強になりました。
 
優越性は差がないことを帰無仮説に、非劣性は差があることを帰無仮説にしている。
優越性試験では「A薬とB薬の治療効果に差はない」ことを帰無仮説にしていた。これに対して、非劣性試験では「A薬はB薬より非劣性マージンΔ以上に劣る」こと、すなわち「差がある」ことを帰無仮説にしている。このため、群間に「差がない」ことを示せば非劣性を示すことになる。優越性試験では、バイアスを群間の差が薄まる方向にかけて、それを乗り越えても有意差を示した場合に本当に効果がありそうだと判断する。ところが、非劣性試験では、群間の差を薄める方向のバイアスは、本当は新薬が劣っていたとしても非劣性という結論を出しやすくする方向に働いてしまうことには注意が必要である。
 
★非劣性試験のデザイン
有効性が確立されていない治療を基準にしていくら非劣性を示しても意味がない。
「基準治療の有効性が確立されているか、広く普及しているため、プラセボまたは無治療との比較試験が非倫理的と考えられていること」が必要としている。
 
★解析
優越性試験:ITT解析がゴールドスタンダード
非劣性解析:PPS 同時にITT解析も行い、両方の解析で同じ方向性が得られれば信頼性が高まる。
 
いったん非劣性が示されれば、事前に優越性を示す検定または信頼区間を定義しておいて、ITT解析を用いて優越性を主張することは許容される。
 
 逆に、優越性試験デザインから事後的に非劣性を主張することは適切ではない。優越性試験の第一種過誤の「本当は差がないのに誤って優越性を示す」の中に「誤って非劣性を示す」ことは含まれないため、優越性から非劣性へのスイッチはαエラーを増大させるからである。
 
★解析方法
FAS:介入を一度も受けていない、割つけられた後のデータがない。という被験者は解析集団から除外しようという解析。
PPS:服薬が遵守されていて、重大なプロトコル違反がなくてデータも利用可能なものを含む解析。
 
→ここでLEADER試験のプロトコルを確認してみる
p255から次の記載あり
 
The primary endpoint will be analysed for the FAS.
Non-inferiority of liraglutide versus placebo will be considered confirmed if the upper limit ofthe two-sided 95%CI for the hazard ratio is below 1.3 or equivalent if the p-value for the one-sided test of
H0: HR >=1.3 against Ha: HR <1.3is less than 2.5% (or equivalent to 5% two-sided test).
 
If non-inferiority is established for the primary outcome, a test for superiority will performed:
 
Superiority of liraglutide versus placebo will be considered confirmed if the upper limit of thetwo-sided 95%CI for the hazard ratio is below 1.0 or equivalent if the p-value for the one-sidedtest of
 
H0: HR >=1.0 against Ha: HR <1.0is less than 2.5% (or equivalent to 5% two-sided test).
 
プロトコルに非劣性解析と優越性解析についての記載があるので試験の計画としては、問題ないと思われる。
 
→次にSupplementary Appendixを確認してみる
 
Figure S2. Study subject disposition.
 f:id:ruruuun:20170824002303j:image
 
脱落率 0.3%
プラセボ、介入薬とも継続できなかったのは約3〜4%
→脱落も継続できなかった割合も留意するほど多くないと思われる。
 
Figure S3. Magnitude of treatment effects of liraglutide on the primary composite outcome.
 f:id:ruruuun:20170824002246j:image
 
 
感度分析による傾向も一致しているので、非劣性試験としての頑健性は保たれていると思われる。
ただし、優越性に関して言えば、ITT解析を行っているのかどうかの明確な記載がなかった。
 
●今回わかったこと。
・非劣性と優越性では帰無仮説が違うということ。
・いったん非劣性が示されれば、事前に優越性を示す検定または信頼区間を定義しておいて、ITT解析を用いて優越性を主張することは許容される。
・優越性試験:ITT解析がゴールドスタンダードだということ。
・非劣性解析:PPS 同時にITT解析も行い、両方の解析で同じ方向性が得られれば信頼性が高まるということ。
 
以上のようなことを確認しながら読んでいこう!
週の半ばおつきあいいただきありがとうございます。
 
おやすみなさい。