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CQ:心不全とCOPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのか

CQ:心不全COPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのか
 
 
●背景●
Cardiovascular disease is a primary cause of death in patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD). Beta-blockers have been proved to reduce morbidity and improve survival in patients with cardiac diseases. But the effects of beta-blockers on outcomes in patients with COPD remain controversial. The objective of this meta-analysis was to assess the effect of beta-blockers on mortality and exacerbation in patients with COPD.
 
この分析の目的は、COPD患者の死亡および悪化に対するβブロッカーの使用の利点を評価すること。
 

●結果●

経過観察期間が1〜7.2年である15の元の観察コホート研究が含まれていた。結果は、ベータブロッカー治療がCOPDの全体的な死亡および悪化のリスクを有意に減少させることを明らかにした。死亡率全体の相対リスク(RR)は0.72(0.63-0.83)であり、COPDの悪化は0.63(0.57-0.71)であった。冠状動脈性心疾患または心不全を有するCOPD患者のサブグループ分析では、全死亡率はそれぞれ0.64(0.54-0.76)および0.74(0.58-0.93)であった。
 
●吟味●
【PICO】
P:十分に確立された一般コホートCOPD患者)
I:βブロッカー治療
C:上記なし
O:死亡と、増悪(COPDの増悪、経口コルチコステロイドの使用、またはプレドニゾロンのパルス投薬処方に対する入院)
 
観察期間:少なくとも6か月以上。
 
【全ての研究を網羅的に集めたか】
EMBASE、MEDLINEおよびCochraneデータベースの包括的な検索は、1966年から2013年6月に発行されたCOPD患者のβ遮断薬使用に関するすべての関連ヒト臨床試験
 
→集められている。
 
【検索語】
 Terms used in the search were: 1) Beta-blockers, adrenergic antagonist, sympatholytic or adrenergic receptor blocker. 2) Obstructive lung disease, obstructive airway disease, obstructive pulmonary disease, COPD
 
Titles for relevance from this search were reviewed, and all subject heading and abstracts were examined. The search was further augmented by reviews and scanning references of retrieved studies. Literature search was not limited by languages of the published papers.
→ハンドサーチも行なわれている?
言語バイアスなし。
 
【どんな種類の研究を集めたか】
15のコホート研究
14がレトロスペクティブ
1がプロスペクティブ
 
・5件の研究では、冠動脈性心疾患を有するCOPDの被験者も検討されている
・3件の研究でCOPD患者の慢性心不全が検討された。
・45歳から80歳までの121,956人の参加者があり、これらの研究では60歳を上回った。
・研究期間は1年から7.2年であった。
悪化の相対比(RR)の影響評価は、6つの研究でなされた。
 
【同じ研究が複数報告されていないか】
→されていない。(fig1より)
duplicated removed
 
【出版バイアス】
Eggerの回帰非対称性検定を用い、公表バイアスは見出されなかった(t = 0.90、p = 0.382)
 
【評価者バイアス】
→なし
2人の研究者が、選択された論文から独立してデータを抽出し、2人の査読者の結果を比較し、討論とコンセンサスによって差異を解決した。
 
【集められた研究は妥当性を評価しているか】
コホート研究の質を評価するために、Newcastle-Ottawa Scaleツールを使用した。
 
【異質性を評価しているか】
研究間の統計的異質性をコクランのQ検定で調べ、I 2値として報告した
ランダム効果モデルのメタ分析を行っている。
 
【結果の評価】
死亡率全体の相対リスク(RR):
0.72(0.63-0.83)I^2=89%,p=0.00001
COPDの悪化:
0.63(0.57-0.71)
冠状動脈性心疾患または心不全を有するCOPD患者のサブグループ分析
全死亡率:
0.64(0.54-0.76)および0.74(0.58-0.93)
 
サブグループ分析では、心不全を有するCOPD患者の死亡率RRの分析において異質性の証拠は認められず、異質性のp値は0.209であった。
 
【limitations】
研究の規模、期間、患者の平均年齢には著しい異質性が見られる。COPDおよびCOPD自体と併発する疾患の表現型にもかなりの異質性が存在する。
交絡因子の調整のレベルが各研究で異なる。
 
1.COPDの診断は、厳しい臨床基準ではなく医師の診断に依存しており、ほとんどの研究で肺機能やCOPDの重症度が示されなかった。ベータブロッカーで治療された患者は、ベースラインCOPDまたは心不全の重症度がそれほど高くない可能性がある。
COPDおよび心不全の存在、表現型、または重症度に関するこれらのデータは入手できなかったため、我々の解析を層別化することができなかった。
2.規定されたβブロッカーの遵守は明らかでないため、Etminanの研究記載されているように、これらの研究ではバイアスが避けられない。
3.わずか3つの研究でのみβブロッカーの種類を明らかにしているが投与量が不明。
したがって死亡のリスクとCOPDの悪化に対するβブロッカーの種類、用量の利点を評価できない。
 
【discussion】
このメタアナリシスは、β遮断薬がCOPD患者の死亡率に対して有意に保護的効果を有することを明らかにしている。感度分析により、この分析におけるベータ遮断薬の死亡率の利点は、Gottlieb およびEkström の結果によって大きく左右されることが示された。しかしながら、これらの研究を除去した後、保護効果は依然として残っていた。
β遮断薬の治療がCOPD患者の死亡率を低下させるという結論は、かなり信頼性が高い。
 
【機序】
COPD患者の全死因死亡および呼吸事象に対するβブロッカー治療の利点の根底にある機序は明らかにされていない。
このメタアナリシスでは、死亡率の利点は、心不全または冠動脈性心疾患を有するCOPD患者のサブグループ分析においてより有意であった。それは、β遮断薬による抗高血圧効果、不整脈リスク低下および心筋灌流改善によるものであろう。COPD患者の交感神経系の活性化が増加することが見出されている。
臨床研究は、心拍数は、心疾患の有無にかかわらず、個人での全死因死亡率のための独立した要因であることが示されている。
COPDおよび冠状動脈性心疾患を有する大部分の患者は、心拍数の制御が不十分であり、頻繁な狭心症の発症およびβ遮断薬療法の不十分な使用が、心拍数の制御不十分に大きく寄与していることが証明されている。β遮断薬は、心拍数を低下させ、心臓周期の拡張期を延長し、心筋灌流を改善することによって、死亡率および突然の心臓死を減少させることが示されている。
 
★考察
もともと、心不全のおさらいをしていて、心不全COPDを併発している患者に対するβブロッカーの効果、安全性はどのくらいなのかという疑問から。
 
このメタ分析によると、心疾患なしのCOPD患者でもβブロッカーの死亡率、COPD増悪に対する効果は見られそうだ。
ただlimitationにもあるように、具体的なβブロッカーの種類、用量は明らかとなっていない。
 
慢性心不全合併のCOPDではビソプロロールが、ということになるのだろうか。
 
次の文献でも同じ傾向が見られる。
いかんせんβブロッカーが何を使っているかの記載が見出せず。。泣
 
心筋梗塞後のCOPD患者におけるβ遮断薬の使用および死亡率:スウェーデンの全国的観察研究
 
Effect of beta-blockers on exacerbation rate and lung function in chronic obstructive pulmonary disease (COPD).
 
雪多い中、お疲れさまです。
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