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PALOMA-2試験(患者報告アウトカムはどこに?)

 
背景;
エストロゲン受容体(ER)陽性ヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)陰性進行乳癌(手術不能、または再発)の閉経後女性における一次治療の第 2 相試験にて,パルボシクリブ(palbociclib)とレトロゾールの併用により,レトロゾール単独と比較して無増悪生存期間が延長することが示された.パルボシクリブとレトロゾールの併用のこの適応での有効性と安全性のデータを確認し,詳細に評価する目的でデザインされた第 3 相試験を行った.
 
論文のPECOは何か
P:postmenopausalwomen with ER-positive, HER2-negative breast cancer, who had not had prior treatment for advanced disease,
E: palbociclib plus letrozole
C:placebo plus letrozole
O:
プライマリprogression-free survival
セカンダリ:overall survival, objective response, clinical benefitresponse, patient-reported outcomes, pharmacokinetic effects, and safety.
T:double-blind study, we randomly assigned, in a 2:1 ratio
 
試験期間:2013年2月から現在も実施中(データカットオフ日:2016年2月26日)
 
結果
プライマリアウトカム;
無増悪生存期間中央値
パルボシクリブ+レトロゾール群 24.8 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 22.1~推定不能
プラセボ+レトロゾール群 14.5 ヵ月(95% CI 12.9~17.1)
病勢進行または死亡のハザード比
 0.58,95% CI 0.46~0.72,P<0.001
サブグループ解析における各条件においても同じ傾向を示した。
 
PFS
本薬+レトロゾール群
プラセボ+レトロゾール群
例数
444
222
イベント数(%)
194(43.7)
137(61.7)
中央値[95%CI]
24.8[22.1,NE]
14.5[12.9,17.1]
NNT=6
 
 
セカンダリアウトカム:
有害事象:
とくに頻度の高かったグレード 3 または 4 の有害事象は,
パルボシクリブ+レトロゾール群  vs プラセボ+レトロゾール群
好中球減少症(66.4% vs 1.4%)
白血球減少症(24.8% vs 0%)
貧血(5.4% vs 1.8%)
血小板減少症(1.6% 対vs 0%)
発熱性好中球減少症は,パルボシクリブ+レトロゾール群の 1.8%で認められ,プラセボ+レトロゾール群では認められなかった.有害事象により,パルボシクリブ+レトロゾール群の 43 例(9.7%)と,プラセボ+レトロゾール群の 13 例(5.9%)が投与を完全に中止した.
脱毛:グレード1(30.2% vs 14.9%)
           グレード2(2.7% vs 0.9%)
 
吟味
・ランダム割付されているか
→されている
randomly assigned
→ランダム割付は次の因子で層別化されている。
疾患の部位
アジュバントまたはネオアジュバント治療の終わりから疾患再発までの無病期間
 
・組み入れ基準
臓器機能が保たれている。
PS 0−2
骨病変のみ
・除外基準
短期間の生命を脅かす合併症の危険性がある進行性、症候性、内臓の広がり(すなわち、内臓または身体の主要器官に広がった)を有する患者は、研究から除外された。
 
・割付方法は
centralized internet/telephone registration system
中央割付と考えて良い。
 
・ベースラインは同等か
The baseline characteristics of the intention-to-treat population were well balanced betweenstudy groups (Table 1)
 
・ITT解析か
→ITT解析である。
 
・脱落は
→lost to followupは両群合わせて1例
問題なし。
 
・マスキングされているか
患者、介入実施者、アウトカム評価者、データ解析者全てマスキングされている。
プロトコル論文より確認。
 
ただし、イブランスの審査報告書の記載を見ると、PFSの判定は治験責任医師によるとされている。マスキングされているとしていいのか?治験責任医師もブラインドされているのでマスキングされているとして良いと考えた。
 
 
 
・症例数は充分か
サンプルサイズは計算されている
The target sample size was 650 patients
666 women at 186 sites in 17 countries wererandomly assigned, in a 2:1 ratio, to the palbociclib–letrozole group (444 patients) or to theplacebo–letrozole group (222 patients)
 
666人なので充分である。
 
 
研究資金はファイザー社から提供されている。
 
 
 
審査報告書からいくつか
プライマリアウトカムの設定について:
申請者から
治験責任医師判定によるPFS
→根治が期待できない手術不能再発乳がんにおいてPFSを延長することは腫瘍増悪までの期間を延長させることにより疾患信仰に伴う臨床症状の悪化を遅らせることが期待でき、臨床的意義があると考えられるため適切であったとのこと。
それに対し
機構から
プライマリアウトカムについてはOSを設定することが適切である。が、申請者の説明は理解できるので今後、OSの結果も含めて総合的に評価する必要がある。
 
安全性について:
本試験で、外国人患者と比較して日本人患者で、5%以上高かったGrade3以上の有害事象は
好中球減少(50.0%,12.4%)
白血球減少(PALOMA-2試験(患者報告アウトカムはどこに?)28.1%,9.0%)
 
PALOMA-3試験でも同じ傾向が見られた。
 
機構の考察
「本薬の日本人の手術不能または再発乳がん患者に対する投与経験は限られているものの、外国人患者と比較して日本人患者で発現率が高かった白血球数減少などの発現には注意が必要」
 
考察
論文の吟味から考えるに、特に問題はないと思われる。が、セカンダリの患者報告アウトカムの結果を見たかったのだが、本文にもサプリメンタルにも結果が見出せなかった。
PFSは約10か月程度延長し、一定の効果はあるだろうと思われるが、好中球減少による患者の疲弊や、倦怠感、この先の治療に対する不安を目の当たりにするので、患者報告アウトカムの結果を見てみたかった。
 
次の論文はPALOMA-3における患者報告アウトカムの結果。次回の課題。
 
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