ruruuunのブログ

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薬物相互作用を予測するPISCS

「これからの薬物相互作用マネジメント」からまとめ
 
★薬物相互作用の機序
1.薬物動態学的相互作用
薬物の吸収、分布、代謝、排泄が他の薬物により影響を受け血中濃度が変動することによって過剰な効果の発現(中毒)や効果の減弱が起こる場合をいう。
代表的な物に肝臓での薬物代謝酵素活性の阻害などがある。
 
2.薬力学的相互作用
薬物の体内動態(血中濃度)には変化がないが、受容体などの作用部位での相互作用によって、効果の増強や減弱が起こる場合をいう。
薬物相互作用の40%が代謝部位での薬物動態学的相互作用
そのほとんどがCYPを介した機序で主に阻害が問題となる。(70%)
 
★相互作用のマネジメント
添付文書で併用注意であるが具体的な対処法が記載されていない場合や全く記載がない場合は、マネジメントが困難である。
 
→in vivo状況下で基質薬の消失に該当の代謝酵素がどの程度寄与しているかと、阻害薬あるいは誘導薬が該当の代謝酵素の活性をどの程度阻害あるいは増大するかを評価することが重要。
 
CYP分子種の基質薬のクリアランスへの寄与率 CR
阻害薬の阻害率 IR
誘導薬によるクリアランスの増加 IC
 
上記3つを算出することにより臨床報告のない組み合わせでもAUCの変化を予測するもの。
 
★大切な事
薬物相互作用の予測にあたっては血中濃度の変化の予測だけでなく、そのような血中濃度変化の臨床的な重要性を考える必要があります。
安全域の狭い薬剤では多少の変化であってもリスク要因として十分に注意する必要がある。
 
基質薬の未変化体としての尿中排泄の寄与が大きくない場合は、阻害薬の併用による経口投与時の基質薬のAUCの変化率は次の式で表される。
 
AUC+inhibitor/AUCcontrol=1/(1-CRxIR)
 
例としてゲフィチニブで計算してみよう!!
ゲフィチニブの添付文書では次のような記載
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、左記のようなCYP3A4阻害剤等との 併用で、本剤の代謝が 阻害され血中濃度が 増加する可能性がある。」
 
添付文書の記載では定量的ではなくリスクの高さもわからない。
 
 
ゲフィチニブ CR=0.7だとしてイトラコナゾールと併用したとすると 1/(1-0.7x0.95)= 2.99 AUCは約3倍になる。
 
となると次に考えることはこうだ。
 
CQ.AUCが3倍になると有害事象が増えるのか。
まず審査報告書の記述から
本薬の代謝が阻害され、血中濃度が上昇することで本薬による副作用の発現率及び重症度が高くなる可能性のあるCYP3A4阻害作用を有する薬剤、並びに本薬との併用にてINR上昇や出血が現れたとの報告があるワルファリンについてこれらの薬剤の併用例では副作用発現率が上昇する傾向は認められなかった。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤併用例:60.3%(138/229例)、非併用例:55.9%(1,729/3,092例)
 
審査報告書、他pubmedから根拠となる論文は見つけられなかった。
 
DRiFOsでみてみる
DRiFOsの使い方をまだ学び中だが使ってみたいので使った!
イレッサ錠とイトリゾールカプセルでAND検索すると、1件のみヒット。
間質性肺疾患の副作用報告。
症例も見ることができる。
 
【まとめ】
ゲフィチニブはAUCが3倍になったとしても副作用発現率が上昇する傾向はなかったが、実際のところ、副作用報告も1件のみ。
あらかじめ、3A4阻害薬との併用を避けていたとも考えられる?
 
まあ定量的に薬物相互作用を推測することは「添付文書の併用注意をどう注意すればいいのか」の手助けになるので今後も継続しよう。