ruruuunのブログ

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臨床推論ー自分なりのフレームワーク

副作用のみかた、考え方の本よりまとめ。
 
高齢患者のめまい
ステップ1:被疑薬が原因であるもっともらしさを考える。
☑️いつから?もともと?これまでは?を聴取
→めまいの現病歴をしっかりとる
 症状の出現と消失、医薬品の服用のタイミングをしっかりと取得。
 
☑️Meyboomの副作用分類のどれに当たるかを推測する。
 タイプA;作用機序が想定でき、多くの患者で発現し、用量反応関係がある副作用
 タイプB;特異体質的でごく一部の患者でしか発現せず、重症薬疹のように臨床的に大きな問題になる副作用
 タイプC;対照集団との比較でしか因果関係が判断できない副作用
 
★医薬品の特性をしっかり掘り下げる
作用機序と関連した副作用のメカニズム、薬物相互作用、薬物動態、クラスエフェクト、比較対象を置いた臨床研究や副作用の症例報告を調べる。
 
 
ステップ2:被疑薬以外が原因であるもっともらしさを考える。
☑️病態からその他の疾患を考える。病歴から可能性のある疾患を3つあげる
→その3つに対して「あう、あわない推論」をする。
 
ステップ3:考えをまとめてアクションへ
 
仮想症例
70代女性
服用薬:アムロジピン、カルベジロール(10年ほど前から)プレガバリン
経過:1週間ほど前から、腰、お尻の痛みでプレガバリン処方。
最近、ふわふわしためまいを自覚し、転倒したこともある。
日頃は自転車に乗って買い物するなど、アクティブ。
 
被疑薬:プレガバリン
 
ステップ1:被疑薬が原因であるもっともらしさを考える。
☑️いつから?もともと?これまでは?を聴取
めまいの発現は、プレガバリンを服用し始めから1週間ほど経ってから。
 
☑️Meyboomの副作用分類のどれに当たるかを推測する。
 タイプA;作用機序が想定でき、多くの患者で発現し、用量反応関係がある副作用
 
添付文書上は上記全てめまいの記載あるが、プレガバリンが一番頻度は高い(20%以上)
特に70代以上では、20〜30%の割合で発現。
帯状疱疹後神経痛患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験では、浮動性めまいの発現が投与後2-5日、傾眠の発現が投与後2-4日。
 
 
☕️薬剤性の「めまい」
超だいじ!!!
まずは症状として「めまい」の原因となる医薬品を把握しておく!
 
1.作用部位ー4つに分けられる。
1)聴覚器障害によるもの
  ミノサイクリン、アミグリコシド系抗菌薬、バンコマイシン、イソニアジド、白金
  製剤、インターフェロン、ループ利尿薬など
2)中枢抑制によるもの
  BZ系抗不安薬、ガバペンチン、プレガバリン、キノロン系抗菌薬
3)循環障害によるもの
  降圧薬、利尿薬、α遮断薬、三環系抗うつ薬など
4)その他
  薬剤性錐体外路障害、筋弛緩薬による脱力
 
 
2.症状ー3つに分けられる
1)動揺性
2)回転性
3)失神前
 
注意!必ずしも薬剤と症状が1対1に対応するとは限らない
 
★めまいの種類と代表的な原因
 
 
回転性めまい
vertigo
動揺性めまい
dizziness
失神前めまい
presyncope
形容表現
ぐるぐる回る
立っていられない
ふらふら、ふわふわ
気が遠くなる
意識を失いそうになる
可能性
[中枢性]
脳血管障害、脳腫瘍など
[末梢性]
・BPPV
・前庭神経炎
・薬剤性
どちらもあり
・排便、排尿後失神
・血管迷走神経反射
・神経障害性(自律神経障害)
・心血管性(不整脈、弁膜症、肺塞栓、大動脈解離)
 
【考察】
めまいの発現時期がプレガバリンのそれと一致する。
めまいの症状が合致する。
他、併用薬よりもプレガバリンのめまいの頻度(添付文書から)が高い。
 
以上のことから、プレガバリンを被疑薬とした。
 
 
ステップ2:被疑薬以外が原因であるもっともらしさを考える。
 
狭心症の既往からまず次を考える
非前庭神経症状/非精神疾患:前失神(予後悪い)
→仮想症例の患者はまず、気が遠くなるようなめまいではない。
→除外するには次の手順が必要
1)まずは心原性失神を除外する。
→心原性失神のリスク別分類を行う
・高リスク分類を示唆するのは?
  心電図異常
  心原性失神を疑う病歴・所見
   ・前駆症状なし
   ・胸痛・動悸あり
   ・運動中に発症
   ・臥位で発症
   ・器質的心疾患の既往などなど
  高齢
  バイタルの異常(血圧、脈拍低下)、血液検査異常(Hb,BNP低下、電解質異常)
 
2)次に起立性低血圧(交感神経機能不全)を除外する。
→消化管出血、異所性妊娠、薬剤性、自律神経障害
→薬剤性は、αブロッカー、抗精神病薬、TCA,MAO阻害薬、利尿薬、抗菌薬
など
 
3)次に神経調節性失神(副交感神経優位)を除外する。
→起立後5分以降の失神
→発症状況失神(情動、咳嗽、嚥下、嘔吐、排便、排尿)
→頸動脈洞性失神(首を回したり、ネクタイをきつく締めたり)
など
 
【考察】
狭心症の既往あるが、胸痛、動悸、血圧の変動、消化管出血なし、起立後失神などないことから、可能性は低いのではないか。
 
 
★次に見逃せないめまい
急性重度めまい:中枢性:脳血管障害(見逃せない)
        末梢性:前庭神経炎
症状としては突発性、重症で持続性、吐き気嘔吐、バランス障害
 
【考察】
神経症状(体幹失調、頭痛、複視、嚥下障害、感覚異常、構音障害などあれば脳血管障害を疑うが、今回は当てはまらない。
 
★次に除外すべきめまい
再発性頭位変換性めまい:中枢性:小脳腫瘍、小脳失調など
            末梢性:BPPV
BPPVを確定して治療することで中枢性を除外できる!!
BPPV7割は身体所見でわかる
 
難聴、耳鳴りなどの蝸牛症状(ー)
協調運動障害などの神経症状(ー)
頭位変換後、眼振、めまいが1分以内(長く続かない)
 
【考察】
神経症状なく、回転性のめまいでもないことから、再発性頭位変換性めまいには当てはまらない。
 
★次に除外するめまい
反復性めまい:中枢性 TIA
                       末梢性 メニエール病
症状:自発性のめまい、頭位変換によって惹起されない。
メニエール病ならば、反復性の回転性めまい、難聴、耳鳴りなどの蝸牛症状が随伴
症状は数時間から1日程度続く。
 
 
【考察】
難聴、耳鳴りの症状がなく回転性めまいでもないので当てはまらない。
 
●まとめ●
服用時期、めまい発現時期から被疑薬である、プレガバリンによるものではないかと推察。
被疑薬以外の可能性を考察したが一つ、心原性失神については狭心症である事も考慮し今後も経過を見ていきたい。
 
という感じでしょうか。(自信なし)
「副作用のみかた・考え方」の本のめまいのケースから自分なりに工夫した点は、被疑薬以外の可能性を考える時に、予後が悪いもの、重篤なものから考えていくようにしてみました!
 
☕️めまいの分類
 
 
次回はプレガバリンの用量が適正であったか薬物動態の側面から考察していきます。