ruruuunのブログ

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VTE予防のためにDOACを服用するがん患者の効果と害を考える

個人的背景:

VTE予防のためにDOACを服用するがん患者の効果と害を考える。

お題論文:

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1814468

Apixaban to Prevent Venous Thromboembolism in Patients with Cancer

チェックシートはthe spellのサイトのRCTのものを参考にいたしました。

1.論文のPECOはなにか

P:次の組み入れ基準、除外基準を満たすがん患者

組み入れ基準:

18才以上

Khorana score≧2

新しくがんと診断された

完全にまたは、部分的に寛解されたあとの増悪

最低3か月、新しく化学療法をはじめた

 

除外基準

臨床的に出血のリスクが高い患者

凝固生涯に関連する肝疾患

基底細胞がん、扁平上皮細胞皮膚がん

急性白血病

計画された幹細胞移植

6か月未満の余命

eGFR<30mL/min/1.73㎡

PLT<50000/㎣

アピキサバン禁忌

妊娠

授乳(母乳)

継続的な抗凝固薬の服用

40kg未満の体重

 

E:アピキサバン 2.5mg(1日2回)を服用するのと

C:プラセボを服用するのとでは

O:

Primary efficacy outcome

180日以内の静脈血栓症の初発のエピソード(深部静脈血栓肺塞栓症

main safety outcome(セカンダリ

大出血、ヘモグロビン2g/dL以上の減少、2単位以上の赤血球の輸血か死亡

 

2.ランダム割り付けか→〇

P2より WEBベースによるランダム割り付け→中央割り付け→concealment保たれている

年齢、性別、参加したセンターで層別化されている。

 

3.ベースラインは同等か→〇

P5 table1より

年齢の平均61才、41%が男性、平均体重80kg!BMI≧35 が両群約24%を占める

クレアチニンリアランス>50ml/min 94%

リンパ腫、婦人科がん 25%、すい臓がん12~14%

 

Khorana score:2が64~67%で一番多い

PS:0 or 1 約85%を占める。

Khorana scoreとは 

がん患者の臨床および検査所見からVTE発症のリスクを層別化しようとするスコアのこと。(サプリメンタルに記載あり)

 

4.ITT解析か→mITT

P4 fig1

それぞれの群で、それを受けなかった患者を抜きにして解析

チェックシートより、FASまでを広義のITTとするとのことと、うけなかった患者は総数の2%なので問題ないと判断して読み進める。

 

・脱落は?

Lost to followup 24人なので脱落率4.3%

問題ないと判断。

 

5.マスキングされているか

Quadruple (Participant, Care Provider, Investigator, Outcomes Assessor)

キャスを聞いてくださった同志に教えてもらいました。

 

6.サンプルサイズ→計算されている。

P3 574人と計算。

 

7.結果

p6のtable2より

Efficacy outcome

EER= 0.042,CER=0.102

NNT=17

 

Safety outcome

NNH=59

アピキサバンの胃腸管出血、血尿、婦人科出血

→定義されていた重度の出血であるカテゴリー3,4は両群とも約20%

重症エピソードは両群同じ。

 

私の疑問

  1. アピキサバンの用量が日本より少ないのはなぜか?
  2. VS プラセボにした意味はなにか?

★ここでガイダンスをよんでみよう! 

Guidance for the prevention and treatment of cancer-associated venous thromboembolism | SpringerLink

①VTE1次予防はリスクが高い患者を対象とする必要がある。

 ASCO,ESMO,NCCNのガイドラインでは1次予防の患者選択は明確に定められていない。

 

②VTE治療の最適期間はまだわかっていない。

LMWH後の再VTEの治療もまた効果のほどは疑問である。

 

③外来の血栓塞栓症患者を選択するために、リスクを層別化してリスクが高い患者に適用するほうがリスクーベネフィットの益のほうが高くなる。

 

★コクランレビューでは

LMWHが症候性VTEを有意に減少する RR=0.62[0.41-0.93] NNT=60

しかし、出血のリスクはあるようである  RR=1.57[0.69-3.60]

ふたつのRCTのサブグループ解析からVTEのリスクが高い患者に適用したほうがより大きな恩恵を受けるかもしれないと。

 

→一般のがん患者や、出血リスクが高い患者、リスクが層別化されていない患者では、一次予防は推奨されていない。

 

考察:

固形腫瘍患者で、かつKhorana score≧2ならば、症候性血栓症は化学療法の最初の6か月間に約9.6%。(お題論文のintroductionより)

この論文からの結果では、アピキサバンはプラセボにくらべて絶対差で6%VTEのリスクを下げる。

上記の「化学療法の最初の6か月間に約9.6%」におこるかもしれない患者のリスクを絶対差で6%さげるということか?

安全性に関してはこの論文の背景の患者では両群で同等。

ここまで調べてきて、一般のがん患者の一次予防のために適用するのではなく、がん腫などが含まれるスコアでリスクを層別化して、より血栓症のリスクの高い患者に適用することが大切なことだと読み取りました。

 

キャスにつきあっていただいた先生方、ありがとうございました!

私ばかり勉強させていただいてすみません・・

ここまで読んでいただきありがとうございます。

間違いあればご指摘くだされば幸いです。