ruruuunのブログ

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CQ:慢性心不全に、トラセミド、フロセミドどちらのループ利尿薬が良いですか?

 
早速pubmedで検索してみた。次の二つのメタアナリシスのアブストを読んでみる。
いずれもアブストのみで吟味できず。
 
 
目的
ループ利尿薬は慢性心不全管理の主力である。フロセミドとトラセミドは2つの最も一般的なループ利尿薬。それにもかかわらず、臨床転帰に関してループ利尿薬の最適な選択に関して不明なことがある。
 
P:慢性心不全患者が
I:フロセミドを服用するのと
C:トラセミドを服用するのとでは
O:死亡率
 心不全再入院率
 NYHA分類の改善
 
メタアナリシス 10件のRCTと4件の観察研究
観察期間(5ヶ月〜12か月)
MedlineとCochrane Databasesから
 
結果
死亡率:OR1.01、CI 0.64-1.59、2  = 65.8%
心不全再入院率:OR 2.16、CI 1.28-2.64、2  = 0.0%
NYHAリスクの改善:OR 0.73、CI 0.58-0.93、2  = 19.6%
 
トラセミドはフロセミドと比較して中期心不全再入院の減少およびNYHAクラスの改善と関連しているが、死亡リスクの減少とは関連していない。
 
 
 
目的
心不全(HF)患者におけるトルセミドとフロセミドの有効性と安全性を比較すること。
P:駆出率を低下させたまたは保存したHF患者が
I:トラセミドを服用するのと
C:フロセミドを服用するのとでは
O:死亡率
 心不全による再入院率、CVDの再入院率
 NYHA分類の改善
 安全性では低カリウム血症
 
Medline、Cochrane Library、Web of Science、およびGoogle Scholarのデータベース検索
5件のコホート研究またはRCTのメタアナリシス
 
結果
死亡率:OR 1.00、95%CI 0.58-1.72; P = 0.99; I 2  = 79%
HFによる再入院率:OR 0.79、95%CI 0.57-1.09; P = 0.15; I 2  = 64%
CVDによる再入院率:OR 0.83、95%CI 0.62-1.12; P = 0.22; 2= 40%
NYHA機能クラスの改善:OR 1.44、95%CI 1.18-1.76; P = 0.0004; I 2  = 0%
カリウム血症についてはアブストでは言及なし。
 
トラセミドがフロセミドと比較してHF患者のNYHA機能クラスの統計的に有意な改善と関連していることを示した。しかしながら、トラセミドはフロセミドと比較してHFまたはCVDの死亡率または再入院率の低下において有意な改善を示さなかった。
 
 
[まとめ]
アブストのみで、詳細がわからず吟味できないが、傾向は似ている。いずれも死亡率に差はなさそう。
NYHAクラスの改善はトラセミドでありそうだが、このアウトカムや再入院率のアウトカムはソフトエンドポイントとなるなら益があるとは言い難い。作用機序から低カリウム血症の発現に差があるなら、トラセミドを考慮する価値はありそうな。
ただ、もし、フロセミドからトラセミドに処方が変更になった患者が、なぜ変更になったのか思う時、上記の益の可能性があるかもしれないと心密かに納得するかな。。
 
ちなみに日本の診療ガイドラインでは次の記載あり。一部抜粋
慢性心不全におけるループ利尿薬のエビデンスはほとんど存在しない.この現象は,ループ利尿薬が EBMの時代が到来 するより前に日常診療に浸透してしまった経緯による.一 部のメタ解析の結果では心不全の予後改善に寄与するとの 報告もあるが ,大規模臨床試験のデータベースを用いた 後ろ向きの解析結果では,フロセミドを中心とするループ 利尿薬は生命予後悪化につながるとの結果であったその機序として,ループ利尿薬は低カリウム血症を惹起することにより,致死的心室不整脈ジギタリス中毒を伴うことや,交感神経,RAA 系を活性化するということが あげられる.
 
ちょっと疑問
先ほどの2件の論文はPICOのIとCが逆なのかな。NYHA分類のオッズのところでそう思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。