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NSAIDsによる急性腎障害

副作用マニュアルより抜粋、復習
急性腎障害は。
「血清クレアチニン値が前値の 150%以上に上昇する」を基本と考える
 
(1)早期に認められる症状 
腎臓の障害部位および発症機序等により症状は異なるが、乏尿・無尿、浮腫、倦怠感等および血液検査においてクレアチニン尿素窒素(BUN)の 上昇で示される高窒素血症が共通して見られる症状である。
 
(2)副作用の好発時期 
原因医薬品により異なるが、原因と考えられる医薬品を服用して数時間以内に発症することもあるし、数年経ってから発症することもある。 NSAIDs、高血圧治療薬、造影剤、シスプラチン、アミノグリコシドなどに よる急性腎不全は使用開始後数日以内に起こりうる。
 
(3)患者側のリスク因子
 高齢、基礎疾患に慢性腎不全がある、発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、肝不全などがあげられる。
 
(4)推定原因医薬品
NSAIDs、高血圧治療薬(ACEI、ARB 等)、抗生物質(アミノグリコシド等)、抗菌薬、造影剤、抗がん剤(シスプラチン等)など広範囲にわたる。
 
虚血性機序
NSAIDs はアラキドン酸代謝経路において、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによりプロスタグランジン (PG)産生を抑制する。PGE2 や PGI2 などによる腎血管拡張系が低下 し、アンジオテンシンIIやノルエピネフリンなどの腎血管収縮系 が優位になることにより腎動脈が収縮し腎血流を減少させると 考えられている(腎前性急性腎不全)。重症例においては腎組織に 虚血性の変化を引き起こす。
 
NSAIDs、ACEI 等による急性腎不全の概要
臨床症状: 
(1)自覚症状
初期には症状が少ないが、進行すると食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少、 倦怠感、発熱、全身の紅潮、乏尿、浮腫、手足のむくみ、目が腫れぼったい などの症状が出現する。
(2)他覚症状
進行すると、乏尿(1 日尿量 400 mL 以下)あるいは無尿(1 日尿量 100 mL以下)、高K血症、代謝性アシドーシス、体液過剰(肺うっ血、胸水、腹水、 浮腫)、循環器症状(不整脈、うっ血性心不全、高血圧)、消化器症状(悪心、 嘔吐、食欲不振、消化管出血)、神経症状(意識障害や痙攣)など。
(3)臨床検査値 
血清クレアチニン値の上昇により急性腎不全の存在が確認できる。急性腎不全に遭遇した場合、尿電解質と尿一般検査を行うことが重要である。
1. 尿検査
Na 排泄分画 fractional excretion of sodium(FENa)および renal failureindex(RFI)は、腎前性腎不全と腎性腎不全(急性尿細管壊死)の鑑別に有用である
[FENa=(尿中 Na(mEq/L)×血清クレアチニン(mg/dL) / 血清 Na(mEq/L)× 尿中クレアチニン(mg/dL))×100, 
RFI=尿中 Na(mEq/L)×尿中クレアチニン (mg/dL) / 血清クレアチニン(mg/dL)]。
解説のサイト
腎性腎不全では尿細管障害により Na の再吸収能が低下するため、尿中の Na 濃度が上昇し FENa や RFI が腎前性に 比べ高値となる。
尿中のK濃度は、腎前性では高度の腎血流量の低下に伴うレニン・アルドステロン系の亢進のため上昇する。
尿一般検査での血尿、蛋白尿、円柱尿は糸球体性の急性腎不全を疑わせる 所見であり、赤血球変形率の高い血尿は糸球体由来の可能性が高い。尿中の 白血球数の増加や白血球円柱、尿中好酸球の存在は、尿細管・間質性腎炎(主 として薬剤性)の存在を疑わせる。尿中のα1-・β2 ミクログロブリンや N- アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)は、尿細管・間質障害の程度を評価するのに有用である。
2. 血液検査
乏尿期の特徴的所見は、1高窒素血症、2低Na血症、3高K血症、4代謝性アシドーシス、5高尿酸血症である。 腎前性の場合、尿細管での尿素窒素の再吸収が増加するため血清UN(SUN)/Cr 比は 20 以上となる。
3.判定基準
医薬品服用後 1~4 週の間に血清クレアチニン値が 1 日 0.5 mg/dL、血清尿素窒素が 1日 10 mg/dL 以上上昇するか、血清クレアチニン値が前値の 150%以上 に上昇する場合。
確定診断:腎生検
被疑薬確定法:有り リンパ球刺激試験(DLST)(アレルギー性の場合)
4.判別が必要な疾患と判別方法
1.体液の減少:下痢、嘔吐、出血、火傷、利尿薬の過剰投与 
2.有効循環血漿量の減少:肝硬変、ネフローゼ症候群、膵炎 
3.心拍出量の減少:心筋梗塞、心筋症、心タンポナーデ不整脈 
4.末梢血管拡張:敗血症、アナフィラキシー 
5.腎血管収縮:肝腎症候群
上記を血液検査、画像診断(X 線・超音波検査など)を用いて除外する。 また上記疾患は NSAIDs、ACE 阻害薬による急性腎不全の危険因子でもあり、上 記疾患を有する患者には NSAIDs、ACE 阻害薬の使用を避けるか慎重に使用する。
予防法: 
高齢、循環血漿量低下などのリスク因子のある症例に対しては、慎重に投与する。投与せざるを得ない時は、脱水状態を作らないようにする。 NSAIDs はクレアチニンリアランス(Ccr) 60 mL/分以上では常用量投与可能であるが、副作用出現時は直ちに投与中止する。Ccr 60 mL/分未満に対しては投与量を減らすか、投与間隔を延ばすなど慎重に投与する。
ACE 阻害薬はクレアチニンリアランス(Ccr)30 mL/分以下、または血清クレアチニンが 3 mg/dL 以上の場合には、投与量を減らすか、投与間隔を延ば すなど慎重に投与する。
2 週から 1 ヶ月に 1 回程度の血液検査と尿検査を行う。
 
●まとめ●
薬局には担がん患者で、高齢者ではないが、痛みの主訴を持っている患者が多く来局する。
薬剤性腎障害を防ぐために、私たちのインタビューがとても大切になる。
→今の腎機能を把握するために検査値を拝見する。
→がんの部位や、放射線照射の有無、照射の場所、食事の水分の摂取状況を確認する。
→食事などの摂取状況は他処方薬の剤形が散剤のみや、粉砕指示などからの推測されるところである。
→調剤後も、NSAIDsだと数日で発症する可能性があるので予め、初期症状を伝えておく。
 
丁寧な生活状況の聴取を心がけよう。
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